玉骨遥(ぎょっこつよう) 第34話 師弟の死闘 あらすじ
朱顔は、赤淵が好きだと時影に伝えた。
たとえ朱顔が愛した男だろうと、海皇を殺すと言って、時影は天誅をは放った。
朱顔が傷つくのを見た時影は、すぐに天誅を中断した。
中断した天誅は時影に返り、時影は倒れた。
目覚めた時影は、朱顔の愛が自分にないと知っても朱顔に対する愛は消えないことを語った。
時影に会いに行った朱顔は破門され玉骨を奪われた。
朱顔を大司命から守るためだった。
青罡は雪鷺を訪ね、文を盗まなかったかと尋ねた。
認めるよう青罡は促したが、雪鷺は認めなかった。
青罡は雪鷺の想い出の飾りを消し立ち去った。
感想
先週、”来週の話はどんなだろう”と想像した時は、「師弟の死闘」が、朱顔vs時影の戦いになるとは夢にも思っていませんでした。
朱顔と時影が力を合わせて大きな敵と対決するのだと思っていました。
それが、まさかこんなことになるとは。
赤淵を好きな理由
朱顔が語る赤淵を好きな理由は、朱顔が赤淵を好きだということ以外は実際にあったことでした。
・世子の死を知って悔やんでいる朱顔に時を戻す術があると教えた。→人が生き返る法術もあるかと朱顔に尋ねられ、きっとあると赤淵は話しました。(1話)
・時影の弟子になれたことを赤淵は本当に喜んでくれた。→龍神が目覚めれば赤族は巻き込まれることになり、朱顔が法術を身に付ければ己を守れるようになると赤淵は考えていました。(14話)
・山を下りて苦しんでいた時もそばにいてくれた。(19話?しかし19話の頃はあまり苦しんでいなかったので21話の頃の話かもしれません)
・たとえ私が一生師匠に追いつけなくても いつもそばにいると言ってくれた。(時影から婚姻の祝い紙が届き落ち込む朱顔に対し、去ろうとしていた赤淵はとどまり一緒にいると話しました。(21話)
・青族との婚姻破棄は赤淵との仲が発覚したため。(22話)
そんなわけで朱顔が赤淵を好きだという話には説得力があり、時影はまんまと騙されてしまいました。
赤淵は朱顔が好きなのは時影だと言おうとしましたが、朱顔に阻まれて言えず。
後半、赤淵に会いに行った朱顔に対し、赤淵は時影は朱顔を好きだと教えてくれようとしたように思えましたが、そちらでも赤淵は言わせてもらえませんでした。
時影「何もかも私の思い込みだったのか」
「玉骨遥」第34話より引用
このセリフは、朱顔が赤淵を好きだという話に対しては全くの的外れなのですが、朱顔が時影との結婚を承諾したという思いこみに対しては当たっているので、聞いていて微妙な気持になりました。
時影はどん底の気持ちで言っているので笑えないシリアスな場面なのですが、ちょっと面白かったです。
赤淵は朱顔を愛しているのに、朱顔の言葉を真に受けず朱顔に
赤淵「私をかばうため嘘を並べるな」
「玉骨遥」第34話より引用
と言ってくれて、ものすごく好感度が上がりました。
朱顔を理解しているからこそ、自分を好きだというセリフを嘘だと分かってくれる感じが、さすが200年以上生きている人だなと思わせていただきました。
厄災の娘
時影の愛の深さのえげつなさに泣きながらジーンとしていた時、衝撃の事実が発覚しました。
朱顔は今も時影にとっての厄災の娘のままらしい!
大司命「血と法力をかなり失ったが、時影にかけられた呪いや災いはこれにて消滅した」
「玉骨遥」第18話より引用
18話で大司命は重明にこう言っており、蒼梧の淵から帰る時朱顔に抱えられたり負ぶわれても時影が小白師匠にならなかったと聞いた重明は、それを信じました。
私も信じていました。
でも嘘だったんですね。
大司命は、重明を利用して時影の朱顔に対する気持ちを育てるために、そして俗心を抱いた時影に下山を決意させるために嘘を言ったようです。
17話では命懸けでお互いを想いあっている朱顔と時影を見ても、重明は朱顔は死神だという立場を崩さず、2人の距離が近づくことを警戒していました。
しかし災いが消滅したと18話で聞いて、19話、朱顔が下山することになった時、重明は”朱顔が大切なら引き止めろ”的なことを言おうとしていました。
2人の距離が近づいたら困るという立場から、近づけようという立場に変化しています。
大司命は時影に下山を決意させる策の第1段階として、重明に厄災が消滅したと嘘を言い2人の仲を邪魔させないようにしたんですね。
全然気づかず嘘を真に受けていました。
しかしそうだとすると、なぜ時影は小白師匠にならなくなったのでしょうか。
単に術が時間が限られたものだったなどの理由でしょうか?
胸の高鳴り
2人は両思いなのに、朱顔は 時影は雪鷺と結婚する決意を固めた と思っているために、時影は 朱顔は赤淵を好きだ と思っているために、こんなことに…。
雷が鳴っていましたから時影の心は動揺しまくりです。
ですが、厳しい表情で朱顔を破門しました。
もしも前々回で2人の心が通じ合っていたら、例え大司命が朱顔を始末すると言ったとしても、時影は朱顔のそばで朱顔を守ってくれましたよね?
けれど誤解のある今、時影が朱顔を守るために選んだのは破門して突き放すという道でした。
悲しい場面ですし、時影は具合が悪くて顔色が優れない感じなのですが、なぜか初めて見る(ですよね?)黒衣の時影に胸が高鳴りました。
見解の一致
碧落海に帰っていく鮫人を見て、時影は海皇さえ捕らえればいいという判断を下しました。
青罡の管轄地からなら碧落海へ帰ることを邪魔されないが、兵士は見逃してもらえないかもしれないという報告を受けた赤淵は、自分が犠牲になることを辞さない姿勢です。
時影も赤淵も赤淵がしぬことで事態を収めようとしている様子!?
ただ一人赤淵を守ろうとしている朱顔だけが頼みの綱です。
朱顔、頑張って。
次回の35話は「最愛の人を失う時」ということで、かなり不穏なタイトル…!
誰が誰を失うの?
やめたげて。
36話は「命綱の禁術」です。
もしかして最愛の人を失ったので、禁術を使って生き返らせる、みたいな話なんでしょうか?
そうであってくれ。
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