紅き真珠の詩(うた) 第2話 形見の血珠 あらすじ
事情を知る張普然は、真珠を700万で買ってくれた。
国では、近頃 郢王と潭王が対立している。
張普然は郢王の義弟であり、崔氏は潭王側に付き、献上品の密売等不正を行っていた。
崔定は放良書(奴隷の除籍証文)を渡すという約束を守らず、端午は襲われ臘臘には裏切られた。
八娘が助けに入ったが、人を殺してしまい2人は逃げた。
八娘は自分が端午の実の母であり、父は西域にいると告白すると血珠を渡そうとした。
端午を逃がした八娘は、追手に斬られ倒れた。
血珠は崔定に奪われてしまった。
一族を皆殺しにされ崔氏に恨みを持つ燕子京は、崔家の帳簿が張普然の手に渡るようにし、郢王を使い復讐を画策しているようだった。
端午は張普然に保護された。
感想・考察
1話は端午の生活が どのようなものか ということが詳しく描写され、そこに張普然・燕子京という謎の2人が現れるという形でした。
2話では、謎の2人のことはもちろん、端午のことについても、秘密がかなり明かされたのではないでしょうか?
そして今回もメインヒーローは張普然みたいでした😆
端午は張普然と着実に親密度を上げていっている。そんな気がしました😝
情勢
唐の時代だということは1話で明かされていましたが、今、国はどのような情勢なのかは出てきていませんでした。
今回、郢王と潭王が争っているという話が明かされました。
燕子京「崔家は潭王側だったな。…献上品を密売すれば死罪だぞ」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
と燕子京に脅された崔定は安値で真珠を売ったので、1話で張普然が怪しんでいた通り、崔氏は密売をしているようです。
燕子京の計画
燕子京の過去回想がありましたが、やはり燕子京は燕家の生き残りで崔氏を恨んでいるようでした。
燕子京「(張普然は)誠実で善良だ。役目を果たしてくれる」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
康琚「では計画通りに?」
燕子京「そうだ」
という会話がありました。
燕子京は何か計画を企んでおり、それには張普然の活躍が必要だと思われます。
その計画とはおそらく、郢王の力を借りて崔氏に復讐するということだと思われます。
今回、燕子京は崔氏の真珠採取場の帳簿が張普然に渡るよう画策しました。
張普然「物証のみで証人はいない。誰にでも書ける」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
ということで、張普然の評価によると今回手に入れた帳簿は、決定的な証拠にはならないようです。
康琚「張普然が潭王の不正を暴けば崔家は逃げられません」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
燕子京「始まったばかりだ」
燕子京としては、まだ決定打ではないということは分かっていたようで、長期的に構えているみたいです。これも計画通りで安心しました。
八娘の行動原理
怖い上役だと思っていた八娘は端午の母親で、実は端午をずっと見守っていたのでした。
臘臘「放良書を得た人は死んだ。逃げられないのよ」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
臘臘はこのように言っていたので、放良書(奴隷の除籍証文)なんて紙切れに意味はなかったのだと思われます。そのことを知っていた八娘は、娘を救うために大珠真珠を入れ替えた(1話)のだと分かりました。八娘の過去回想を見た感じ、もとは裕福な奥様だったようです。
八娘の夫「お前は身重だ。先に合浦へ。当主は…」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
八娘「きっと無事よ」
という会話がありました。
当主というのは燕家の当主(燕子京の父上でしょうか?)だと思うので、八娘の夫は、燕家の分家とか、燕家に仕える位の高い使用人とか、そのような人ではないかと思いました。
康琚「(八娘は)知人ですか?」
「紅き真珠の詩(うた)」第2話より引用
燕子京「そうだ」
という会話がありましたので、幼い燕子京が20年近く(?)会わなくても覚えているくらい、燕子京と八娘はかつて会っていたのではないか、と思いました。
来週は第3話「海を行く隊商」、第4話「真珠を詠う」の2話です。
タイトルだけでは何もわかりませんが、端午は伝説の商人になる女ですから、商売について学び始める感じでしょうか?楽しみです。
調べたこと・小ネタ
2話では真珠の値段を釣り上げるために端午が鮫人を持ち出し、張普然が「捜神記」を引用していました。鮫人は、ファンタジー系の中国ドラマによく出てきます。
「捜神記」にはもしかしたら鮫人のことがいろいろ書かれているかもしれないと思い、「捜神記」を読んでみました。
「捜神記」は作者である于宝が集めた話をたくさん収録した本になっていました。
私が読んだ本では、全ページ数が308ページ(2段組み)で、そこに500個くらい話が収録されていました。
期待して読んでいき…
「南海の果てに鮫人がいる。水中に住み、魚の形をして、機織りの手を休めることがない。泣くと、眼から真珠がこばれ落ちる。」
于宝(著)竹田晃(訳)1964「捜神記」平凡社 244頁より引用
と目当ての記述を見つけました。
本当に、これだけしか書かれていませんでした。
(機織りするのは知りませんでしたので新しい発見です。そういえば、鮫人の織った美麗な布が出てきたドラマありました。)
長い話は3ページくらいのものもありますが、数行の話も多いです。
鮫人の話は数行で終わってしまいました。
ただ、面白いことを知ることができました。
ファンタジー系のドラマを見ていると、似たような名前が出てきます。
きっと中国神話の引用に違いないと思って、中国の神話について調べると、あるにはあるけど、孔子先生が「君子、怪力乱神を語らず」と言ったため、あまりない、という風に説明されていることが多いです。
今回、「捜神記」を読んでいて、おもしろい説明を見つけました。
「古代中国では、孔子以来、「知識人たる者は怪力乱神を語らず」(『論語』に見える言葉)という教えがあったが、…(中略)…後漢末から六朝にかけては、当時輸入された仏教説話や道教的色彩を持つ伝説が盛んにおこなわれていたし、また政治的動乱を、当時流行した五行説にもとづき、吉兆・凶兆と結び付けて解釈する向きも多く、知識人たちも大いに鬼神を語り合い、超現実的な霊威を信じたのである。語り合っただけではなく、彼らはそれを記録に留めて、より広範囲の人びと、さらにはのちの世の人びとに意識的に伝えようとした。かくして生まれたのが「志怪(怪を志すという意味)小説」と呼ばれる新しいジャンルである。」
于宝(著)竹田晃(訳)1964「捜神記」平凡社 より引用
と書かれていました。
時代が下るにつれて、神話的な小説が出てきたのかな、と理解しました。
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