楽游原(らくゆうげん) 第19話 掴んだ勝利の後味 あらすじ
李嶷は都を占領し、瀕死の孫靖は配下に守られ峝関に退却した。
崔倚は崔家の軍営に戻った。
李嶷は昏睡状態の簫氏の世話を崔琳と桃子に頼んだ。
梁王は大裕皇帝として西長京に戻り、百官から祝辞を受けた。
目覚めた簫氏は孫靖を愛している心の内を侍女にだけ吐露した。
李嶷は李玄澤捜索の許可を得ようとしたが、皇帝からは考えるとだけ返答があった。
皇帝は李峻と李崍の生母を皇后に、李嶷の生母を昭儀にしたいと考えた。
大功を立てた李嶷を皇太子にすべきと考える官吏は李嶷の生母を皇后すべきと皇帝に意見した。
生母に孝行したいと考え発言した李嶷は皇帝の怒りを買い禁足を命じられた。
崔倚は柳承鋒の墓を建て崔琳と共に弔った。
感想・考察
「掴んだ勝利の後味」というタイトルでした。
後味はそれほど良くなさそうです。
李嶷はこれまで、自分の意思に従ってくれる鎮西軍と共に西長京目指して進んできました。
自分の考えを思う通り実行できて生き生きしていました。
今回、大裕皇帝(梁王)が百官に受け入れられました。
皇帝に嫌われている李嶷が、これからは皇帝の治める組織の中の一員としてやっていかなければならない。
なかなか大変そうです。
孫靖について
今回、孫靖は名前しか出てきませんでしたが、孫靖に関して考えることが多かったので書いておきます。
簫氏の心
孫靖も簫氏も生きていました。
そして簫氏はどれだけ孫靖を愛しているかを侍女に語りました。
初登場時は乗り換え上手な女性という感じで登場した簫氏でしたが、5話で姜氏の子=亡き皇太子の子を守ろうとする姿を見て、これが本当の姿なのだろうと思いました。
皇太子に忠誠を誓っている女性なのだろうと。
その後、10話で簫氏と孫靖はかつて駆け落ちを考えたほどの仲だったということを知り、簫氏は今も孫靖を愛しているのか気になっていました。
その答えが今回出ました。
簫氏は今も孫靖を愛していた!
けれどその愛する人に信念のために葬ろうとした。
すごいです。
ただの簫氏としては孫靖といたいけれど、皇太子妃だった自分が王朝を守るために動く。
もちろん、息子のためというのが大きいのだと思いますが。
すごい女性です。
孫靖の脅威
孫靖は生きています。
そして峝関にいるそうです。
峝関といえば、これまでも重要な拠点であることがたびたび取り上げられていました。
ナレーション「難攻不落と名高い峝関」
李玄澤「峝関を?西長京のすぐ近くだ」
「楽游原」第11話より引用
韓暢「はい。西長京まであとわずかです」
孫靖は李嶷が峝関を落とすと梁王の命を盾に撤兵するよう要求してきました(11話)し、そして籠城戦に備えて食糧を備蓄し始めました(13話など)。
これらのことから、峝関というのは、そこに迫られると都が危機感を覚えるほどの要衝だと思われます。
そこに孫靖がいます。
百越遠征軍も合流しようとしています。
何校尉「でも孫靖は百越へ大軍を送り営州も攻め手勢は多くないはず」
「楽游原」第13話より引用
李嶷 「それでも10万の近衛軍がいる」
百越遠征軍が実際のところどれくらいいるのかは出てきていません(よね?)が、この話の様子を聞くと10万よりも多いという印象です。
その軍勢が戻ってくるわけです。
崔倚「崔家軍と鎮西軍が組めば数では孫靖軍に勝る」
「楽游原」第18話より引用
という発言がありましたが、これは18話の時点(百越遠征軍が戻ってきていない時点)の話ですから10万以上いるという意味だろうと思いました。
今回、李嶷が西長京を奪ったことで、西長京にいた近衛軍10万が戻ったとして、李嶷たちは20万、孫靖が百越軍と合流して何人になるのか。
同じくらいかそれ以上はいるのではないかと思ってしまいました。
大裕皇帝が迎えられ、戦編を終えて宮中の人間関係編に突入したようにも思いましたが、まだまだ気が抜けないのかなと思いました。
それに孫靖が大丈夫だとしても、お墓まで建てられてしまった崔の若様(柳承鋒)が攻めてくる未来も控えていそうですし( ´艸`)
思い通りにいかなくなりそうな李嶷の未来予想図
李嶷は西長京を取り戻したら皇太孫に皇帝位を任せて自分はきままに暮らしたいという思いでしたが、官吏はそうさせてくれそうにはありません。
李嶷を嫌っている皇帝はこれだけの功績を挙げた李嶷に、褒美も与えていませんし皇太子にするつもりもありません。
けれど、官吏は当然李嶷が皇太子だという雰囲気です。
これまで思い通りに戦局を動かしていた李嶷ですが、なかなかそういうわけにもいかなくなりそうな予感!?
李嶷「生母の身分の低さが興を損ねたなら私は自ら王爵を返上し牢蘭関に帰ります」
「楽游原」第19話より引用
この発言により、李嶷は皇帝を怒らせ禁足処分になりました。
最初、この発言を聞いた時、官吏の思い通りにされないためのあえての発言かと思いました。16歳のころ、皇帝をわざと怒らせて辺境送りにされたのと同じ戦略家と思いました。でもその後を見ると、そういうわけではなさそうです。
目標だった西長京陥落を成し遂げたのに、わーいやったー!という感じではなく、人間関係に悩まされることになりそうですね。孫靖や柳承鋒も控えていますし、気が抜けなそうです。
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