楽游原(らくゆうげん) 第20話 満たされない心 あらすじ
顧婉娘は、李嶷の母・劉妃の生前の姿を刺繍にして李嶷に贈った。
李峻は功績を挙げ、かつ李嶷から兵権を奪うため百越遠征軍を迎え撃つ軍の元帥に名乗りを上げた。
たとえ疲弊していようと、名将揃いの百越遠征軍を李峻に攻略できるはずがないと考えた李嶷は、皇帝に謝罪の手紙を送った。
同時に、菫王妃の皇后追封を急がせるよう顧宰相に頼んだ。
追封の儀式があれば李峻を都に足止めされ、元帥にはなれない。
気をよくした皇帝は、劉妃を賢妃に封じることにした。
母への孝行のため高い位を与えたいと思っていた李嶷は、おのれの無力さを嘆きヤケ酒していた。
崔琳は李嶷の心を推し量り一晩中慰めた。
李玄澤の居場所を突き止めた孫靖は、生け捕りにするよう命じた。
李峻の嫌がらせで出兵させられた裴源は百越遠征軍に大敗し、李嶷の要請を受けて出征した崔家軍が百越遠征軍を撃退し長州城を奪った。
皇帝は李嶷の禁足を解き長州への出兵を命じた。
感想・考察
前回、李嶷が禁足を受けることになった原因である発言。
李嶷「生母の身分の低さが興を損ねたなら私は自ら王爵を返上し牢蘭関に帰ります」
「楽游原」第19話より引用
この発言の真意が分かりました。
李嶷は自分を産んでなくなってしまった劉妃のために、本当に皇后位を与えたいと思っていました。
自由気ままに暮らすためにあえて怒らせたのだと思ってましたが、全然違いました。
本気の本気で劉妃を皇后に追封してあげたいと思っていたんですね。
色々なドラマを見て、ドラマの登場人物たちが孝行や恩返しという概念を非常に大切にするということと、亡くなってしまってからも母に高い位を与えたいという気持ちが強いというのは知っていたつもりですが、現代の日本の庶民(私だけかもしれません。主語を大きくしすぎたか!?)の持つ考えと違いすぎてすっかり頭から抜け落ちてました。
ということで、李嶷は劉妃を皇后にできなかった己の無力さに打ちひしがれ、ヤケ酒し、可愛い感じになっていました。
別のドラマの話をするので隠しておきます
あの かわいい感じの李嶷に謎の胸の疼きを覚えたという方で、「招揺」をまだ見ていないという方は、ぜひ見てください。
別の弱ってないのにずっとあんな感じです(体感)
あのシーンを見て、久しぶりに招揺見たくなりました。
発作的に見たくなる不思議なドラマです。
現在
前回は「掴んだ勝利の後味」というタイトルでした。
念願だった都の奪還を果たしたのに、後味はそれほど良くなさそうだという感想でした。
李嶷はそれまでのように生き生きしていないと感じていました。
その点について、端的にセリフで表されていたので引用しておきます。
李嶷「昔は単純だった。都を奪還したら身を退けばよいと思った。だが今は…(中略)…醜い争いに息詰まるばかり。そして私はちっぽけな存在だ。…(中略)…あまりにも無力だ」
李嶷「天下など要らない。君だけいればいい」
「楽游原」20話より引用
崔琳「あなたは要らなくても天下を欲する者たちがあなたを放さない」
もう本当にその通りです。
本人の意思とは無関係に周りが動き始めています。
出る杭は打たれるということで、功績を挙げすぎた李嶷の悪いうわさを流す人もいるようですし、李嶷が皇太子になるのは当然と考えて動いている人もいます。
ヒーローは大変なんだなというのをひしひしと感じました。
孫靖の動き
前回は、生きているという情報だけで、ご本人は登場しませんでしたが、今回は孫靖が出てきました。
すごく元気そうで、李玄澤の生け捕りを命じました。
百越遠征軍の人数ですが、前回の考察では10万以上の大軍ではないかと書きましたが、正式な数が出ました。
李峻「百越遠征軍は…(中略)…人数もわずか数万人」
「楽游原」20話より引用
数万人ということで、思っていたよりもすごく少なかったです。
百越遠征軍は崔家軍に蹴散らされてしまいましたが、孫靖はまだ勝機がありますよね。
梁王が濼陽で即位したように、生け捕りにした李玄澤を即位させればいいんです。
李玄澤は皇太孫でした。
ですから、血筋を重んじる官吏の中には李玄澤こそ正統な皇帝であり、いま西長京にいる大裕皇帝は偽王であると考える人もいるのではないでしょうか。
自然と兵は集まるかもしれません。都合のいいことに李玄澤は子供で、孫靖が操るにはもってこいのようにも見えます。
西長京の皇帝たちは、まだ孫靖が李玄澤の居場所を掴んだという情報をゲットしていません。
前回、李嶷が皇太孫を迎えに行きたいと言った時、すぐに許可しておけばこんなことにはならなかったはずなのですが。
皇帝は李峻を皇太子にしたいと思っていそうで、李峻もやる気満々そうで、そのことがアダになるのではないかと心配です。
そして大人の権力争いの道具にされてしまう李玄澤もかわいそうです。
聡明そうな子ですから、ただ操られるだけにならないかもしれませんが。
簫氏の子ですし幸せになってほしいです。
来週の楽游原
来週は第21話「譲れない一線」、第22話「裏切り者の帰還」です。
長州を崔倚に奪われてしまったことを重く見た皇帝は、李嶷を出征させることにしました。
視聴者目線ですと、崔家軍は仲間なのですが、王朝的にはそうではないみたいです。
21話の「譲れない一線」は何のことだかわからないとして、気になるのは22話です。
「裏切り者の帰還」
裏切り者って誰なんでしょうか?
帰還してくる人というと、出征する李嶷のような気もしないでもないですが。
今、戦を終えて都の権謀術数に無力感を覚えている李嶷が、大裕皇帝たちを裏切る流れになるんでしょうか?
例えば李玄澤を皇帝にするために立ち上がるとか?
それも悪くないような気がします。
どんな流れになるのか、来週が楽しみです。
弱って可愛い感じもいいですが、やっぱり生き生きした表情の李嶷が見たいです!
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