夢華録 第20話 ある王妃の物語 あらすじ
盼児が夜宴図と皇后の関係を尋ねると、顧千帆は あくまで架空の物語だと念を押して話し始めた。
どの王朝か分からないほど昔、1人の貧しい少女が妓女として身を立てていた。
少女は郡王に見初められ、良家の出身という身分を与えられて屋敷に迎え入れられた。
20年後正妻が亡くなると、彼女が正妻となった。
ところが一部の老臣が彼女の出自を探った。
そして1つの絵の存在に行き当たった。
かつて村で開かれた春宴の絵。
節度使が妓女を招いた様子が描かれている。
その中の1人が彼女にそっくりだった。
衣装には、名前を模様にして描いてあり言い逃れができなかった。
彼女は卑しい出自を暴かれた。
話を聞いた盼児は、表装した時、珍しい模様だと思ったのを思い出した。
顧千帆は絵のことも物語のことも忘れるよう言った。
欧陽は西京の玉皇山で道に迷い、道なき道を進んでいた。
清風観にいる抱一仙師を訪ねるためだが、食料も水も失った。
高慧と夫婦になり、都に戻ったら翰林学士となり栄達を重ねるのだと、欧陽は自分に言い聞かせた。
盼児は顧千帆を送り出そうと庭に出たが、なかなか離れがたく2人の時間を過ごしていた。
顧千帆は無事なら赤、会いたいときは黄色の花を表に掛けるよう言った。
引章も庭に出てきて、2人は夜遅く一緒にいる所を見られた。
顧千帆は鄭青田の件や帽妖の件での尋問だと誤魔化した。
そして家に来たのは、引章に「涼州大遍」を贈るためだと言い楽曲を渡した。
家を訪ねる口実として、あらかじめ用意しておいたのだ。
「涼州大遍」は失われた楽曲だった。
引章は大いに喜んだ。
顧千帆は盼児が部屋に戻るのを見計らい、再び会いに行った。
簫欽言の配下が来ても相手にしないよう言って盼児の唇を奪うと、顧千帆は帰っていった。
引章は楽譜を見ながら沈如琢に告白された時のことを思い出してしまい、立場を弁えるよう自分に言い聞かせた。
杜長風は助けられた日から想い続けている三娘に会いたくて半遮面にやって来た。
注文を取りに来た三娘は、杜長風が以前会った嫌な男だと気付いた。
杜長風も三娘が自分を川に落とした女だと気付いた。
三娘は招娣と2人で杜長風を追い出した。
招娣は、陳廉からもらう犬に匂いを覚えさせようと、杜長風の袖を切り取った。
やっと清風観にたどりついた欧陽だったが、抱一仙師はすでにいなかった。
空腹を訴え粥を求めたが、穀断ちの期間だからと断られた。
下級役人だからとなめられたことと、香典を渡さなかったことが原因のようだ。
菓子を作りながら三娘が泣いているのに気づき、盼児は声をかけた。
子方のことが心配な上、大勢の前で自分を捨てた子方の顔を思い出すと辛いのだと三娘は語った。
杜長風は、高家が欧陽と盼児の関係を聞きに自分の所に来たと言って、半遮面に注意を促しに来た。
高家が盼児の命を狙うことを懸念してのことだ。
盼児が高鵠と話はついていると言うと、杜長風は高慧の残酷さを語った。
盼児たちは高慧にどう対応すればいいか話し合っていた。
その過程で盼児は、欧陽が婚約を解消したのは高慧から守るためでもあったのだと思い至った。
そこに高慧の侍女が貴重な品々を持って訪ねてきた。
先日助けてもらってお礼の贈り物だという。
侍女は礼儀正しく帰っていった。
盼児は先日助けた女性が高慧だったと知った。
門に黄色い花が飾られているのを見た盼児は、招娣と店に行った。
顧千帆の姿を見た招娣は気を利かせ、張記の一口酥(人気のお菓子なので行列に並ばないと買えない)を買いに行くと言って出て行った。
招娣の順番が来た時、残り2つだった。
招娣は2つ買いたい。
しかし陳廉がやってきて菓子の取り合いになった。
争った末、陳廉は招娣の胸を掴んでしまい蹴り飛ばされた。
盼児は高慧のことを顧千帆に相談した。
会って話した印象では、高慧は道理を知る人物だ。
だから盼児としては、本人に直接会って話したい。
その際の護衛として ついてきて欲しいと盼児は顧千帆に頼んだ。
高慧に未来の夫・顧千帆を見せて欧陽には興味がないと伝えれば説得力がある。
盼児は明日の晩を提案したが、顧千帆は古い知人に会う用があると言った。
引章は「涼州大遍」の練習に励んでいるが運指が不明な部分がある。
三娘は沈如琢に相談してはどうかと提案した。
引章は、自分がすでに純潔ではないことを気にしていた。
三娘は、色々な経験のある女子を好む人もいるので、嫌われると思いこまないよう話した。
子供を産んだ自分にだっていい人が現れるかもしれないと三娘が言うと、引章は笑顔を見せた。
三娘は危険を知らせてくれた杜長風にお菓子を贈ろうと決めた。
感想
前回、帽妖騒ぎの最中に通り魔殺人が行われたことから、私は欧陽が帽妖の一味なのではないかと推理しました。
もともと欧陽には切り裂きジャックの趣味があると思っていたので、”やっぱりね!!!”と思っていました。
ところが、欧陽は抱一仙師に会うため玉皇山で道なき道を進んでいました。
欧陽は西京の山奥にいたのだから東京で通り魔殺人をできそうにありません。
それに なんだか ひ弱そうだし。
でも、まだ諦めていません。
前回から高慧が株を上げ続けています。
盼児の見立てでは高慧は道理を知る人物。
残酷な本性を隠し持ち、ライバル令嬢達にひどい仕打ちをしたのが本当に高慧なのか疑問が出てきました。
もちろん、高慧が二面性のある人物だという可能性もあります。
ですが、私はここで欧陽犯人説を唱えたいと思います。
欧陽が杜長風に高慧とのことを話していた時は、名門出のヤバい女・高慧に目を付けられてしまい、自分は断れない、というようなスタンスでした。(8話)
欧陽は自分を被害者のように語っていました。
私はそれを信じて「うわっ高慧最低だな」と思い、19話まで見てきました。
ところが19話で高慧が本当にヤバい女なのかどうかについて疑問が生まれました。
ところで、欧陽の出世欲はかなり強いと思いませんか?
高慧と結婚して絶対に栄達の道を歩むんだと決意していました。(20話)
絶対東京に戻るための切り札として、高慧の心を繋ぎ止めようと徳氏に工作を命じました。(11話)
顧千帆とすれ違った時も、絶対あんな風になるんだと自分に言い聞かせてました。(12話)
寒門出身で出世欲の強い人は、名門の令嬢と結婚したいのではないでしょうか?
だから、探花となった時、すでに自分の相手として最適な令嬢が誰なのか的を絞って行動を開始した。
そして高慧に目を付けた。
ところが眼中にない蘇行遠の妹や龔校書郎が娘が自分にアプローチしてきた。
2人は自分の望む相手ではない。
相手の身分は自分が望むほど高くはないけれど、婿にと望まれれば寒門出身の自分が断れないくらいには高い。
だから2人を結婚できない体にした…。
どうでしょうか、この妄想。
蘇行遠の妹や龔校書郎が娘を傷つけたのは欧陽であるという説を、ここで唱えておきます。
どうにも、あの血の べったり付いた小刀が頭から離れず、こんな妄想をしてしまいました。
いずれにせよ、次回(?)、盼児が顧千帆を連れて高慧と会えば、誰が本当にヤバい奴なのか明らかになる…かも!
すっごく楽しみです。
助けてくれた三娘を思い続けていた杜長風でしたが、三娘も杜長風もお互いに厭な過去を思い出しました。
前回、三娘は杜長風の顔が粉だらけだったことで相手に気づかず、杜長風は靉靆(メガネ)をかけていなかったから気付かなかったのでした。
三娘は杜長風を追い出しましたが、杜長風が盼児に危険を報せたことで三娘の中で株を上げたようです。
三娘は杜長風にお菓子を贈ろうとしているので、2人の仲が良い方向に進みだしそう??
引章は「涼州大遍」の楽譜を手に持ち、贈ってくれた時の顧千帆を思い出してました。
けれどそれが自分に告白する沈如琢の姿に変わりました。
引章の中で、助けてくれた顧千帆への憧れのような気持ちが、沈如琢への恋心に変わったということを表しているのかな、と思い安心しました。
引章は自分が結婚してたことを気にして、沈如琢と打ち解けられないでいたようです。
三娘と話したことで、引章の中のためらいが消えそうです。
引章と沈如琢もいい感じになっていきそう。
招娣は陳廉と偶然の出会い&口論&アクシデント。
2人の偶然の出会いはもう4回以上なので、とっくに運命です。
おめでとうございます!
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