馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第4話 あらすじ
長意は体を癒やす効能のある法器で部屋を飾った。
贅沢な品々を見た雲禾は、「奢侈に流れると尊主の地位を失う」と忠告した。
けんか腰で雲禾を診た空明は、余命1か月であると告げた。
長意を傷つけたのだから、友なら怒りを向けて当然だろうと、雲禾は空明の態度に理解を示した。
余命宣告を聞いた長意は、自分が運命を変えると宣言した。
雲禾を救ってほしいと頼まれた空明は、北淵と雲禾 どちらが大切なのかと長意を問い詰めた。
仙師府討ち入りの日、雲禾は仙友を救ったこと、雲禾の苦しみは寒霜のせいであることを話すと、長意は目の前の者を救うべきだと空明に説いた。
天君は岱輿で修業すると仙姫に話した。
仙姫が天君の世話をしていたころ、2人は岱輿で仙師に救われた。
仙師は2人を天庭に送り、仙姫を弟子にした。
当時のことを覚えているか仙姫が尋ねると、天君は仙姫が命懸けで守ったことしか覚えていなかった。
仙姫は書斎の密室で絵を見つけた。
仙師が現れた。
衣も剣も顔も真似させ身代わりにしたのだろうが、身代わりに等ならないと言うと、仙姫は絵を攻撃した。
仙師は仙姫を拘束し、顔を治療した。
崖から長意を突き落とした時も、今も雲禾は長意を守っているのだと空明は見抜き 雲禾に確認した。
雲禾は肯定した。
大業を成さねばならない長意を動揺させたくない空明は、長意に真実を話さないことにした。
雲禾はそんな空明に感謝した。
仙姫が書斎に入ったという報告を受けた昊青は、仙姫に会いに行き、仙師の眼差しには仙姫に対する情がないと話した。
両親が天君を仙姫に託し亡くなり、仙姫の存在価値は天君を育てるだけになり誰も仙姫を顧みなかった。
そんな中、仙師だけが“自分らしくあれ”と言い頼らせてくれたのだと仙姫は語った。
昊青が気づかせなければ今まで通り居られた、と言い仙姫は昊青に刃を向けた。
知らぬことは惨めだ、仙姫の体と心は仙姫自身のものだと昊青は話した。
長意は雲苑に越してきて以降一睡もしてないようだった。
心配になった雲禾は、以前と同じように接したら言うことを聞いてくれるかと尋ねた。
“試そう”と言い、長意は雲禾に口付けた。
空明が入ってきて、2人は体を離した。
長意は慌てて立ち去った。
恨まれているはずなのに、なぜ長意は口付けたのだろうかと雲禾は考え込んだ。
雲禾は長意に、理由を尋ねた。
鮫人の烙印は心に決めた者に与える印で五感をつなぐ、雲禾は永遠に自分の物だと長意は話した。
洛洛は卿瑶と微妍の話を盗み聞きし、式典の日雲禾が死にかけたと知った。
洛洛が空明に事情を尋ねると、空明は雲禾が余命1月であることを話した。
空明が救えないと話すと、洛洛は「顔も見たくない」と言い行ってしまった。
洛洛は青姫、離殊、三月に事情を話し助けを求めた。
4人を雲禾に会わせることに難色を示していた長意だが、離殊の説得で4人を雲苑に入れた。
雲禾は笑顔で皆から近況報告を受けた。
雲禾を診た青姫は、生きても苦しむだけだと話し、長意は4人を帰らせた。
雲禾は4人に会えてうれしかったからまた会わせてほしいと長意に頼んだ。
長意は雲苑に張った結界を解除した。
感想
身体を癒やす法器を部屋中に飾るという長意の努力もむなしく、雲禾は余命1か月を宣告されてしまいました。
空明の薬を飲めば、身体が辛いのは緩和されるようですが余命を延ばすことはできません。
青姫も空明と同じ意見です。
雲禾はどうなってしまうのでしょうか。
主人公は不死身だと信じていますが、一体どうやったら余命1か月から回復できるのでしょうか。
誰か、雲禾の身体を早く何とかして!
雲禾の治療に乗り気でない空明を長意は説得しました。
無事に説得されたらしい空明の「鮫人のくせに陸の言葉が達者だな」というセリフが、なんだか好きでした。
粋な感じがしました。
仙姫視点で仙師との出会いが語られました。
仙姫はヤングケアラーだったのかもしれない、と仙姫の話を聞いて思いました。
両親は生まれていない息子を仙姫に託し なくなってしまい、仙姫は天君を生まれる前からずっと守り続けていました。
頼れる人がいなかったようなので、天君が生まれるまでは本当に孤独だったでしょうね。
そんな中、仙師だけが仙姫に手を差し伸べてくれて、天君の姉としてではなく仙姫を見てくれて、仙姫はメロメロになってしまったんですね。
気持ちは分かる気がします。
岱輿で獣に襲われ仙師に助けられたと仙姫は話していましたが、天君は仙師に救われたことを覚えていませんでした。
本当にあったことなんでしょうか?
仙師が捏造し植え付けた記憶ではないかと、ちょっと思ってしまいました。
そして天君と話した後、仙姫は絵を見に行くことを決意し実行しました。
絵の女性の真似をさせられていたと気づき、身代わりにはならないと宣言した仙姫ですが、拘束され激痛を伴う顔の治療をされ大人しくなってしまいました。
昊青は仙姫に会いに行きました。
昊青は、仙師には仙姫に対する情はない「身も心もあなたのものだ」と言って仙姫を覚醒させようとしています。昊青の言葉は仙姫を想ってのことのように受け取ることもできますが、昊青にとっては仙姫と仙師の仲を裂き仙師の力を削ぐための計略にすぎませんよね。
これまで仙姫は誰かの身代わりとして仙師に利用されてきました。
仙師と離れることを選んだとしても、結局は、仙姫は利用されることになるわけですよね。
たとえ利用されることになるとしても、仙姫にとって仙師と別れることが最善だとしても、なんだか仙姫が不憫に思えてしまいました。
仙姫は好きではありませんし、昊青は好きなのですが、昊青、残酷じゃない?と思ってしまいました。
優しいままでは仙師を倒せないと林滄瀾が言っていたのはこういうことなんでしょうね。
昊青は自分のやっていることが残酷だと分かっていても、万花谷の谷主としての務めを果たしているんでしょう。
この戦いが終われば、誰も辛い思いをすることのない世界になるでしょうか。
そういえば、16話で仙姫が着飾って舞いを披露した時、仙師は激怒していました。
あの時、仙師の想い人は鮫人なのではないかと思い予想しました。
同じ顔の人に想い人と同じ格好をされると激怒する人が以前いたので、そのパターンではないかと思って(笑)
でも仙師は、完全なコスプレをさせたいタイプだったみたいで目からうろこが落ちました。
色々なパターンがあるのだな、人それぞれなのだな、と勉強させていただきました。
空明は早々に雲禾が長意を裏切っていないと気づき、雲禾も素直に認めました。
長意だって雲禾が話せば信じてくれるでしょうが、雲禾が意地を張っているので意地を張り続けています。
気づいたものの空明には長意に伝える気はなく、その空明の態度は雲禾の望みとマッチしています。
まだ長意と雲禾が元通りに戻る日は遠そうですね。
一緒に住み始めたことで変化が生まれました。
雲禾を助けるため大切な式典を抜け出したことを知り、長意が寝てないらしいことに気づいた雲禾は、長意の身体が心配になり優しくする作戦に出ました。
直前まで意地の張り合いをして冷たい態度だった長意が突然雲禾にキスし、心構えのできていなかった視聴者は心臓に負担を感じました。
そしてキスのことばかり考えてしまう2人(笑)
監禁し一緒に暮らしているとは思えないほどの初々しさですね。
後編2話で長意は雲禾に烙印を付けました。
山猫族たちは烙印を付けたという話を聞き「ひどすぎる」と言っていましたが、羅索の反応は良いものを与えたような反応で、「どういうことだろう?」と疑問に思っていました。
長意の与えたものは烙印ではないのかもしれないとも考えましたが、ちゃんと(?)烙印でした。
違うのは、山猫族にとっての烙印と鮫人にとっての烙印の意味が違うということなのだと思われます。
だから山猫族と鮫人で烙印に対する反応が違ったのだろうと思います。
山猫族にとっては、烙印をつけるのは酷い行為ですが、鮫人にとっては「心に決めた者に与える印」なのでした。
長意の説明を聞いて2話の違和感を納得できました。
雲禾の喜ぶ顔を見ることができた長意は、雲苑に張っていた結界を解いてくれました。
雲禾の監禁が解除されたということでしょうか?
喜ばしいです。
ところで長意は洛洛に対して、卿舒について雲禾が誤解を持たれているからだと説明し監禁を正当化していましたよね。
監禁が解除されたことで狐族との関係が悪化するのではないか、雲禾が襲撃されるのではないか、とちょっと心配です。
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