夢華録 第31話 意外な救世主 あらすじ
役人が汴河の帽妖騒ぎの時 逃げた女は盼児と三娘だと言って捕らえようとしたとき、2人の仲間だと名乗って引章が現れた。
2人が帽妖騒ぎを起こした賊だというなら、自分も 揮毫をくれた柯政も その場にいた簫欽言も同様に賊だと言って引章は脅した。
池蟠は帽妖事件は皇城司の担当のはずで、開封府の提点であるお前たちの担当ではないと管轄違いを指摘した。
池蟠がひそかに盼児は顧千帆の許嫁だと告げると、役人は態度を改め謝罪した。
盼児が、権勢に媚びて謝罪するのではなく己の過ちと商人の存在価値を認めたうえで謝罪してほしいと話すと、周囲から拍手が沸き起こった。
役人が再度謝罪すると、盼児は民と役人と心を合わせ友になろうと提案した。
提点の主導で街の人みんなで嵐の後片付けが行われた。
都に戻った欧陽は、高慧に文と腹当てを届けた。
婚約していた頃、高慧は”慧”と刺繍した腹当てを贈っていた。
恋文は高福らに取り返させたが、腹当てのことは忘れていた。
今回届けられたのは、刺繍のない腹当ての下半分だった。
欧陽は今や翰林学士となり強力な後ろ盾を得た。
高鵠は高慧に欧陽に嫁ぐよう命じた。
引章は盼児と三娘に、沈如琢に騙されていたことを告白した。
顧千帆に敵を討ってほしいと言われた盼児は、顧千帆と終わったこと、酒楼は買い取れなかったことを伝えた。
嫉妬心や虚栄心から自分も貴人に愛され大切にされると自負し出て行った。けれどそのせいで何度も騙されることになった。
昨日目が覚め、沈如琢には周舎の分も復讐した。
茶坊がめちゃくちゃになったのなら修理すればいいし、酒楼が買い取れなかったのなら金を作ればいい。 そう引章は意気込んだ。
しかし盼児は、商いをする気力がなくなってしまったから銭塘に帰りたいのだと語った。
三娘は、東京に残ると決めたのは顧千帆がいるからではなく意地を見せるためだったはずだと言って、初心を思い出すよう盼児に話した。
意地を思い出した盼児。
そこに池蟠が声をかけてきた。
提点をやり込めた盼児の姿に心打たれた池蟠は、手を組まないかと持ち掛けた。
池蟠は永安楼という酒楼を所有しているが、客が少なく酒楼組合の重鎮から見下され、いくら金を積んでも組合に入れないという。
池蟠は3人を永安楼の主に招きたいと提案した。
損失は池蟠が負担し儲けは折半。
「私を跪かせるような人とは手を組みたくないわ」 と盼児が言うと、池蟠は盼児の前に跪き4度叩頭した。
頼むから銭塘に帰らず永安楼の店主になってくれと池蟠が頼むと、話を聞いていた杜長風も加勢した。
引章は教坊司に籍があるので都を離れられないはずだと杜長風に言われ、池蟠にも説得された盼児は、三娘と引章と相談し引き受けることにした。
池蟠は白紙を差し出し条件はすべて盼児に任せた。
盼児と池蟠は手を組んだ。
陳廉が戻ってきた。
顧千帆は未だに意識を取り戻さない。
古傷もあり予断を許さない状態だ。
陳廉は孔午に許嫁である盼児に連絡を取るよう指示した。
池蟠は3人に永安楼を案内した。
帳簿はまともに記されておらず、1年に1000貫の損失が出ていた。
幼い頃、池蟠は父親に頻繁に見世物小屋に連れて行ってもらい、そこで相撲を見たり人形芝居を楽しんだり、顧千帆とひと晩中磨喝楽人形で遊んだりしていた。
永安楼は、その見世物小屋を安値で買い、酒楼に改造したものだった。
好立地だから取り壊し宝飾店にすれば大儲けできるだろうが、壊せないでいる。
池蟠は盼児に永安楼への思い入れを語った。
感想
前回の最後に出てきた嫌な感じの役人。
「逆らう気か。忘れるな。私は官でお前は民だ」とか「士農工商で一番卑しいのは商人だ」というセリフを吐き、身分を笠に着るタイプの嫌な奴であることが宣言されていました。
目には目を、身分には身分を。
ということで、バーンと登場した引章は、柯政の描いた”風骨”の揮毫や柯政や簫欽言の名を持ち出し役人に対抗しました。
柯政や簫欽言では身分が高すぎたせいか効果がありませんでしたが、池蟠が顧千帆の名前を持ち出し対抗すると役人は態度を改めました。
こういう輩に対抗するのに、あまりに高すぎる身分を出しても効かない、というのに納得する部分がありました。
「酒を飲みすぎ人違いをしてしまった」という卑怯な感じの謝罪でしたが、とにもかくにも謝罪した役人。
それに対して盼児は、商人の存在価値を語りました。
再度謝罪する役人に、盼児は心を合わせ友になり誤解を解こうと提案したのでした。
和やかな感じで場は治まりました。
もともとは、池蟠が役人にいちゃもんを付けられていた所を、通りかかった盼児が助け舟を出したことで、今回の騒動は始まりました。
盼児に助けられたことで、池蟠は盼児への敵対心を改め、手を組まないかと提案!
望月楼はダメになりましたが、盼児たちは永安楼を経営できることに。
望月楼では、細かく複雑な証文に翻弄されましたが、池蟠が差し出した証文は白紙! 池蟠いいヤツ!
7話で池蟠が出てきたときは、”唐突に出てきたこの人達って一体…?物語にどんな意味が?”と?ばかりが頭に浮かび戸惑いました。
その後敵対していた2人が31話にして手を組む流れになろうとは、思っていませんでした。
盼児と池蟠がハイタッチ(?)した場面は、「スラムダンク」31巻のような感動がありました。
東京に戻ってきた欧陽は、皇宮で高鵠に「義父上」と声をかけ高慧を諦めていないことをアピール。
さらに欧陽は高慧にも脅しをかけていました。
文と腹当ての下半分を送りつけられた高慧は、腹当てを回収していなかったことを思い出し後悔しましたが、時すでに遅し。
上半分に名前が刺繍してあり、それは欧陽が持っている。
高慧の心はすでに欧陽にはなく、結婚したくないのに欧陽の後ろ盾(斉牧?)が怖い高鵠は、結婚しろと指示しました。
高慧は欧陽と結婚しなければならないんでしょうか?
可哀想すぎます。
…というか、欧陽的には毛嫌いされてても名門の婿になりたいんですね?
絶対幸せになれないと思うんですけど、結婚は出世の道具だから、”幸せ”とかはどうでもいいのか。
腹当ての上半分さえ取り返せば、高慧は結婚しなくて済む?
高慧は腹当て回収に動き出し、その過程で盼児も協力する流れになるでしょうか?
欧陽被害者の会、会員である2人がタッグを組み欧陽をめったんめったんのぎったんぎったんにする流れが見たいです。
銭塘に帰ろうと弱気になっていた盼児でしたが、意地を思い出し酒楼を経営できることになりました。
以前にも、盼児は銭塘に帰ろうとしたことがありました。(10話)
あの時は、途中で会った顧千帆に叱咤激励され東京に戻りました。
今回は三娘に激励されて東京に残ることに決めた盼児。
陳廉がもどってきたことで、顧千帆が会いに来られない理由が、そのうち盼児に伝わるでしょう。
陳廉が帰ってきてくれた安心感がすごかったです。
陳廉も最初に出てきたときは、ここまで頼れる男だとは思っていませんでした。
いいキャラですよね。
次回から、永安楼の経営が始まる?
そろそろ盼児は顧千帆に会える?
次回、見てきます!
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