楽游原(らくゆうげん) 第8話 綱渡りの駆け引き あらすじ
虎符は崔家軍が得たため建州は崔家軍のものとなった。
李嶷は何校尉に手甲をねだったが、買ってもらえなかった。
しかし部屋にその手甲が届けられていた。
李嶷は、大事な人から手甲をもらったと何校尉に話した。
贈り主が顧婉娘だと知っている何校尉は、自分は崔の若様の側室だと話した。
なぜ側室だと嘘をついたのか桃子に尋ねられた何校尉は、交渉のためだと答えた。
動揺した李嶷は、不利な取引を受けてしまった。
出家のため皇宮を出た慎娘と姜氏は、孫靖の配下に殺された。
簫氏は己を責めた。
皇太孫・李玄澤は韓暢と共に生き延びていた。
手甲は何校尉からの贈り物だと思ったが、違ったので返したと李嶷は何校尉に話した。
李嶷は、何校尉の本当の身分を秘密にするので父の救出を手伝ってほしいと崔の若様に取引を持ち掛けた。
若様から話を聞き疑われていると感じた何校尉は、風車を処分させた。
感想・考察
にまにま回だった前回でしたが、少しのボタンの掛け違いから李嶷は失恋したと思ってしまったようです。
そして最後の(“゚д゚)ポカーンな展開。
一体どういうこと!?
一石二鳥が仇に
李嶷も何校尉もめちゃくちゃ賢いので、1粒で二度おいしいことを色々やっています。
そう、風車エピソードも一石二鳥の産物ですよね。
阿恕目から何校尉の姿を隠すためにも使えるし、何校尉を喜ばせるためにも使えます。
七夕の灯籠祭りに何校尉を誘ったのも、何校尉とお出かけできる&虎符獲得作戦を何校尉に邪魔させないという2つの意味がありました。
それは何校尉も同じで、李嶷とお出かけできる&李嶷を見張れるという2つの意味がありました。
しかし、食事をするために入った店の店主から韓立の処刑の話を聞いた何校尉は、不意に現実に引き戻されてしまったのではないでしょうか?
きっと、何校尉も李嶷が好意だけから自分を誘っているのではないということは頭のどこかで分かっていたでしょうが、でもそれまでは灯籠祭りを楽しんでいました。
けれど、韓立の件を聞いて、お仕事モードに戻った頭が李嶷にやられたと感じたのではないでしょうか?
だから手甲を買ってあげなかった。
きっと、韓立の処刑を知らないままだったら何校尉は手甲を買ってあげましたよね?
でも買ってあげなかったのはやられた仕返しではないでしょうか。
それまでの甘々ムードに緊張が走ったところに顧婉娘の好意が加わり、2人の仲はさらに拗れました。
李嶷は手甲の送り主(勘違いしている李嶷にとっては何校尉)を“大事な人”と言いました。
手甲の送り主は顧婉娘であるという真実を知っている何校尉は、李嶷が顧婉娘のことを大事な人と言っているのだと思ったでしょう。
そして自分は若様の側室だと嘘を…。
アチャーどうしてこうなった/(^o^)\
人妻を好きになってしまい失恋したと感じている李嶷ですが、好きなのは何校尉であって顧婉娘ではないと何校尉に言いに行ったのはすばらしいと思いました!
そんな直接的に言ってはいませんが、何校尉にはちゃんと伝わってました。
素晴らしいヒーローに安心しました。
簫氏の作戦の顛末
6話で、簫氏は亡き皇太子の子を身ごもっている姜氏を皇宮から逃がすために行動を開始しました。
その行動というのが、孫靖の正室魏国夫人を怒らせるというものでした。
畳みかけるように前話でも簫氏は魏国夫人を怒らせました。
怒らせることが、どうして姜氏を逃がすことにつながるのか疑問でしたが、
怒らせる
↓
魏国夫人「あの女をどうにかして」
↓
孫靖、簫氏と魏国夫人の顔を立て慎娘を出家させることで手を打つ
↓
出家に交じって姜氏を逃がす
という作戦だったようです。
しかし簫氏の計算が狂い、姜氏は葬られてしまいました。
孫靖は簫氏が思っていたよりも魏国夫人の実家を重視していたためこのような結果に。
5話を見て、簫氏が孫靖の側にいるのは誰かを守るためだろうと思いましたが、今回、その誰かの筆頭が皇太孫・李玄澤だということが判明しました。
1話では生死不明とされていた皇太孫、生きていました!
生きていたということは、李嶷は当初の予定通り父を救出し皇太孫を皇位につけて悠々自適な生活ができます。
崔家は皇太孫を操って影の権力者になることができます。
生きていてくれたので、両者共計算通りに進めることができそうですね。
簫氏が皇宮に留まっているのが誰かを守るためだとしても
簫氏の基本姿勢は皇太孫たちを守るために孫靖を利用しているのだとしても、まだ皇太子存命中からの不倫疑惑は解消していません。
簫氏が皇太子を大切に思っているということはひしひし伝わってくるのですが、孫靖と簫氏が七夕の日の出会いについて話していた(7話)ことが気になって仕方ありません。
あの話から、2人は孫靖が謀反を起こしてから仲良くなったのではなく、それ以前から孫靖が執着する関係にあったのだと仄めかされていました。
簫氏の正体を把握したとは言いきれない何かが七夕にありそうです。
とても気になります。
え!?側室の話ですよね?
何校尉が崔の若様の側室だという話を聞き動揺した李嶷は、心ここにあらずの状態のまま鎮西軍に不利な取引を受けてしまいました。
それを巻き返すため、李嶷は”何校尉の本当の身分を黙っているから父の救出を手伝ってほしい”と崔の若様に頼みました。
李嶷の言う、“何校尉の本当の身分”というのは、崔の若様の側室のことですよね。
だけどそれは嘘だと知っている視聴者は、”きっと崔の若様は李嶷が何を言っているのかチンプンカンプンだろうなぁ”と思いながらあの場面を見ていました。
視聴者の予想通りなら、“何校尉の本当の身分って何?いったい何の話?”というのが崔の若様の反応になるのではないかと思います。
そして李嶷が側室なんでしょ?みたいなことを言って、えっー違います、みたいなね。
それでその場は収まるのかなと思っていました。
崔の若様は予想通り何校尉の本当の身分は校尉ですよと最初は言っていましたが、それでも李嶷が秘密を守ると言い続けていると、取引内容を聞いてきました。
そして桃子が言うには、崔の若様は真っ青だったそうです。
更に謎なのは、何校尉の反応です。
何校尉は李嶷の言う本当の身分というのが側室の件だと知っていますよね?
自分で嘘をついたのですから。
それなのに反応が過剰ではないですか?
大切にしていた風車を捨てさせるなんて。
急にどうした?
気になるセリフとしては、
裴源「何校尉に関し伝えるか迷うことが」
「楽游原」第8話より引用
があります。
李嶷は裴源にこう言われても、内容を聞きませんでした。
そのため視聴者も裴源が何を話そうとしていたのかわかりません。
鎮西軍側は何校尉について何らかの情報をゲットしているようです。
それはまだ李嶷も視聴者もしらないこと!?
けれど崔家側は鎮西軍に何かを知られたと言うことに気づいている、だからあのような反応になった、ということなんでしょうか?
さらに気になるセリフとしては、
鮑天来「(崔の若様は)指揮官には見えぬ…(中略)…崔倚の息子なら優秀なはず。崔倚は大裕の名将で孫靖や裴大将軍と並び三傑と呼ばれた。…(中略)…あの人(何校尉)のことは本当に分からぬ。俺はあらゆる種類の人間を見てきたがあんな人は初めてだ。…(中略)…人となりが読めぬのだ」
「楽游原」第8話 鮑天来のセリフより引用
というものがあります。
全然違うドラマの話なのですが、この鮑天来のセリフを聞いて思い浮かんだのは『三体』でした。
以下、『三体Ⅱ』を読んでいない方にはネタバレになるかもしれないので隠しておきます。
最近、『三体』の原作小説を読みました。
『三体Ⅱ 暗黒森林 上』に、軍人父子が出てきます。
その父が子に言ったセリフで印象深いセリフがあったので引用させてください。
「おまえはまだまだだ。というのも、いまのおまえは、容易に理解できる。わたしに見抜かれるということは、おまえの考えが単純で深みに欠けることを意味している。わたしがお前を見抜くことも理解することもできなくなり、逆におまえがわたしを容易に理解できる日が来たら、おまえはほんとうに成長したと言える」
『三体Ⅱ 暗黒森林 上』初版75頁より引用
鮑天来は崔家との会談の場で交渉係を引き受けています。
いつも陳醒と胸ぐらをつかんだりして話し合っています。
そして李嶷や裴源に比べたら大人っぽいです。
お茶目な部分もありますが、交渉担当を任されているくらいですから鎮西軍の中では頭脳派の大人なのではないでしょうか。
そんな鮑天来に「本当に分からぬ」と言わせるということは、引用した理論で考えれば何校尉はかなり軍人としてすごいということなのかなと思いました。
もちろん鮑天来は何校尉をそれほど深く知らないはずなので、知らないのは当たり前の部分もあると思うのですが。
とにかく、謎の反応を示した崔の若様と何校尉から目が離せませんね!
来週は9話「天下太平のために」10話「二人で交わした約束」です。
とりあえず、李嶷と何校尉が何か約束を交わすということが分かりましたが、タイトルを見ても他には何も分かりませんでした。
大人しく放送を待ちたいと思います。
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