夢華録 第11話 苦肉の策 あらすじ
陳廉は東京一美味しい越州楼から取り寄せた江南料理を盼児たちに差し入れた。
顧千帆の指示である。
顧千帆は欧陽の動向を調査すると盼児に伝えると、配下を引き連れ帰っていった。
江南料理を食べられるのは嬉しかったが、料理は美味しくなかった。
引章は3人で店を開こうと提案し三娘も乗ってきたが、盼児は知らぬ地で店を開く難しさを語った。
高鵠は欧陽を宴に連れて行き、世渡りの知恵を授けた。
高鵠は来月16日に婚儀を挙げたら拱州に赴任するよう言った。
都に近い拱州なら娘が苦労をしないからと。
高鵠と別れると、徳氏は花嫁側が婚儀の日や任地を選ぶ非常識さをなじった。
そこに陳廉を連れた盼児が現れた。
陳廉は徳氏を連れてどこかへ行った。
盼児は、欧陽が廂吏と組み卑劣な手を使うなら こちらは倍返しすると宣言すると、江南の官界を揺るがす「夜宴図」を3日以内に用意するよう言い立ち去った。
戻ってきた徳氏は大半の筋が断裂されていて全治半年と診断された。
悩む欧陽の屋敷に伝令官がやってきて参内の命が下った。
陳廉から顧千帆が生き閻魔と呼ばれている話を聞いた盼児は、顧千帆に傷口を見せるよう言われた思い出に浸った。
妄想から覚めた盼児は、身の程をわきまえ夜宴図奪還に集中するよう自分に言い聞かせた。
欧陽は寝台の下から血のついた小刀を取り出し盼児のことを思い起こすと床に落とした。
参内の日、欧陽は皇帝が尊崇するという承天観の通玄仙師の姿を見た。
皇帝に趣味について尋ねられた欧陽は、皇帝の周囲の様子をつぶさに観察し道教に興味があると話した。
皇帝は欧陽を気に入り、著作佐郎と紫極宮の醮告副使に封じると、西京の紫極宮で抱一仙師を招請するよう命じた。
帰り道、欧陽は顧千帆とすれ違った。
顧千帆は江南の不正を1人で暴いた功で、雷敬と共に皇帝に呼ばれた。
皇帝に問われ、祖父は元礼部侍郎の顧審言、父は元洛苑使の顧明敬であることや己酉年に二甲5位で進士になったこと、これまでの経歴を顧千帆は話した。
科挙の及第者が皇城司にいることに皇帝は興味を示した。
すると雷敬が、乙卯年4月、都中で放火があった際解決したのが顧千帆だったため、皇城司の指揮にしたことを語った。
皇帝に望みを問われた顧千帆は賈江ら死んだ仲間の遺族への恩賞を求め、受け入れられた。
雷敬は密州刺史および入内内侍省押班に任じられ、顧千帆は武官の最高位である西上閤門使兼皇城司副使へ昇進した。
2人とも5品以上が着用できる緋衣と銀の魚袋を授けられた。
欧陽が著作佐郎になったことを報告すると、高鵠は激怒し婚姻を破談にすると言った。
3か月後、高慧が一切非難されないような理由を見つけて婚約を解消するよう高鵠は命じた。
欧陽が任じられたのは宮観官という職で、道観を管理する。
皆に見下される任務だ。
清流派は道士を嫌うため、宮観官を簫欽言ら皇后派とつるむ奸臣とみなす。
出世の道は断たれたに等しい。
欧陽は盼児から無理難題を押し付けられ逃げるため宮観官になったのだった。
盼児の3年分の愛を踏みにじった自分が高官への道を断たれればご破算になるだろうと欧陽は語った。
盼児は欧陽が一時しのぎで逃げ、自分たちが去った頃帰ってこようという思惑だろうと見抜いた。
宮観官は任期がないため欧陽にはいつでも帰れる可能性がある。
盼児はいっそ東京に住みつくことに決めると、茶坊を開くため動き始めた。
欧陽は玉佩を返すという名目で高慧に会いに行くと、「裏切りはせぬ」という言葉を伝えた。
感想
盼児は陳廉を連れて欧陽に会いに行き倍返しにすると啖呵を切りました。
欧陽は夜宴図を3日以内に返せと言われ、徳氏は全治半年の怪我を負わされました。
盼児たちもあくどい官吏からひどい仕打ちを受け辱められ怪我を負ったので徳氏の怪我はその代償。
夜宴図は柯宰相に贈ってしまったため用意できない。
そのことを言えばいいと思うのですが言わず、欧陽は逃げることに決めました。
道教に傾倒している皇帝の様子を見抜くと、自分も道教に興味のあるふりをし、西京への赴任を命じられることに成功しました。
欧陽が東京から去り盼児たちが諦めて銭塘に帰るのを待つ作戦らしいです。
欧陽が賜った宮観官というのは、朝廷では見下され簫欽言ら奸臣の一味とみなされる役職だそう。
そのため高鵠は欧陽と娘の結婚を破談することに決めました。
今回、皇帝が初登場でした。
皇帝については今まで何度かドラマの中で語られていました。
「陛下の体は衰える一方だ。今後皇后が大権を握るだろう」(4話 雷敬のセリフ)
「雷司使は陛下と共に育ったとか」(9話陳廉のセリフ)
これらの情報から、 皇帝は雷敬と同い年くらいだけれど、体が衰えていて雷敬よりも年を取っているように見える と推測していました。
けれど、出てきた皇帝は血色も良く、政務を執っており、衰えているようには見えませんでしたし雷敬よりも若く見えました。
夜宴図はまだ見つかっていないですが、皇后冒涜の件は解決したことになっていたようで、顧千帆は皇后冒涜の件と江南の不正の件、2つの手柄を挙げて武官の最高位に上り詰めました。
そもそも顧千帆は皇后の件で拷問を行い、仁和知県の衛英が流言を流させた犯人で、皇后が不貞を働いている証拠の絵(夜宴図)があるという証言を得て銭塘に向かいました。
夜宴図を持つ楊知遠の屋敷に向かったところ、楊知遠の屋敷を鄭青田の放った刺客が襲いました。
刺客は官吏と禁軍の混合軍で(?)、生き残り証拠の矢じりを持つ顧千帆の口を塞ぐため追手が放たれることに。
巻き込まれる形で鄭青田の事件を解決した顧千帆でしたが、皇后の件については最初から衛英の仕業だと分かっていたので、衛英さえ捕まえれば一応解決だったのでしょう。
今回、顧千帆情報に新たな情報が追加されました。
お父さんの名前が顧審言だということ。
科挙の及第者なのに皇城司に入ったのは都の放火事件を解決したからだということ。
情報が増えていくのを楽しみにしております。
欧陽のベッドの下から血のりがべったりついた小刀が出てきましたが、あれは何ですか?誰の血?
もしかして欧陽、切り裂きジャック的な趣味があったりしますか?
めちゃくちゃ怖いんですけど?
欧陽は小刀を見ながら盼児のことを思い出していました。
どういうこと?猟奇殺人始まらないですよね?頼みますよ!
欧陽が高慧に会いに行き、「裏切りはせぬ」と伝えた場面。
あれは何だったのか。
欧陽は高慧のことを疫病神のように思いながらも相手が大物すぎるために諦めて受け入れていたと、これまで見て感じていました。
だから内心では欧陽はこの結果を喜んでいるのではないかと思ったのです。
それなのに欧陽は「裏切りはせぬ」と高慧に伝えた。
これは、高慧に目を付けられる被害者が他に出ないように自分に高慧を縛りつけるための呪文かな?と最初思いました。
と・こ・ろ・が 高慧がお目付け役の江氏に引っ張られて中に消えた後、めちゃくちゃ不穏な音楽が流れました。
えっ? 欧陽闇落ち?
なんですか、あの音楽は。すごく怖い。
あの音を聞いて、私の想像は完全に間違っていると分かりました。
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