夢華録(むかろく) 第12話 東京の茶坊 ネタバレあらすじと感想

むかろく第12話 東京の茶房 夢華録

夢華録 第12話 東京の茶坊 あらすじ

顧千帆こせんはん陳廉ちんれんの持つ鏡に 緋衣を着た自分の姿を映して眺めた。
機嫌が良さそうだ。
陳廉ちんれんは、身命を賭して五品になったのは五品の妻なら盼児ふんじ誥命こうめい夫人に封じられるからかと茶化した。

顧千帆こせんはん盼児ふんじらの様子を尋ねられた陳廉ちんれんは、盼児ふんじとの約束通り店を出す計画を秘密にし誤魔化した。
顧千帆こせんはんは自分の2月分の俸禄と褒章を集め盼児ふんじらの家賃や生活費にするよう命じた。
盼児ふんじは払うと言うだろうし、自分は逆らえないと陳廉ちんれんが言うと、必要になった時のために金は集めておくよう顧千帆こせんはんは命じた。

高慧こうけい欧陽おうようを慕っている限り婚姻の望みも都に戻る望みも残り続ける。
欧陽おうよう高慧こうけいの心を繋ぎ止めるため、自分が西京せいけいに発ってからも「主に代わり会いに来た」と言って高慧こうけいに会うようとく氏に命じた。

陳廉ちんれんから銭塘せんとうの家に見張りがついていると聞いた盼児ふんじは、銭塘せんとうに残してきた金銀を全て東京とうけいに送ってもらうことにした。
茶坊を開く元手にするためだ。
盼児ふんじは”私のものを返してくれるまで欧陽おうようが官界で多くの苦難に恵まれるように”と心の中で祈った。

斉牧せいぼくが夜更けに顧千帆こせんはんに会いに来た。
斉牧せいぼく顧千帆こせんはんを息子も同然と言い、体を気遣った。
顧千帆こせんはん雷敬らいけい江南こうなんの役人が結託した証拠を斉牧せいぼくに見せた。

斉牧せいぼくは働きを褒めたものの、時機を待つよう言った。
皇帝は鄭青田ていせいでんの件で多くの者を処分し、これで終わりにしたいと思っている状況である上、雷敬らいけいは皇帝から30年以上寵愛を受けており、今動いても雷敬らいけいを倒し切ることができないだろうからだ。

清流派は簫欽言しょうきんげんら奸臣を排除するため、顧千帆こせんはんを武官に転身させ皇城司こうじょうしに送り込んだのだった。
もうすぐ宰相として都に戻る簫欽言しょうきんげんは、雷敬らいけいと接近する動きを見せている。
斉牧せいぼく顧千帆こせんはんに注意を促した。

都から出ていく欧陽おうようは、緋衣を着た顧千帆こせんはんとすれ違い、「いつの日かあの男のように堂々たる姿で戻る」と心に誓った。

東京とうけいちょう氏茶坊は思い立ってから3日で開店の日を迎えた。
なかなか客が入らない中、何四かしが仲間を引き連れサクラの役をしてくれたことで、初日から大繁盛となった。

陳廉ちんれんが同僚の孔午こうごちょう氏茶坊の話をしているのを、顧千帆こせんはんは聞いていた。
陳廉ちんれんは店のことを顧千帆こせんはんに話した。
顧千帆こせんはんは店にやってきて、高鵠こうこくに知られたら危険だから目立つ真似はするなと忠告した。

盼児ふんじは店をやらずにどう生活するのかと反論し、顧千帆こせんはんは自分が払うと言い、そんなことをされたら側女だと思われるし数十回数百回は貸せないだろうと言うと、数千回数万回でも貸すと言い…、2人はケンカと言う名のじゃれ合いをした。

欧陽おうようを待ち 夜宴図を返してもらおうと茶坊を始めることにしたが、いざ仕事を始めると怒りや屈辱が消え、ただやりたいという気持ちになったと盼児ふんじは語った。
顧千帆こせんはんは、1月後も繁盛していれば認めると約束した。

忙しく働く盼児ふんじ三娘さんじょうを 思うように手伝えない引章いんしょうは、こう家からの報復に備え自分に何ができるだろうか考えた。
そして、張好好ちょうこうこうが皇帝に褒められた話をしていたことを思い出した。

張好好ちょうこうこうのようになれれば高家よりもすごい皇帝に会えると考えた引章いんしょうは、茶坊の仕事を休むと教坊司きょうぼうしに向かい教坊使きょうぼうし元長河げんちょうかと会った。
許永きょえいふみと類稀な才能を持つ引章いんしょう元長河げんちょうかは手厚くもてなした。

引章いんしょう東京とうけい教坊司きょうぼうしに移りたいと言うと、元長河げんちょうかは喜んで移籍の手続きを取った。
引章いんしょうは数か月琵琶の指導をし、慣れた頃宮中で演奏を献じることになった。
元長河げんちょうかが席を外すと、著作ちょさく部の沈如琢しんじょたくが案内役となって…?

感想

開幕早々、緋衣を着た自分の姿を鏡に映す顧千帆こせんはんの姿。
顧千帆こせんはんみたいな人でも出世が嬉しいんだ?と、ギャップのある可愛すぎる姿に悶絶していたら、 陳廉ちんれんが、出世すれば妻になる盼児ふんじの称号も上がるからですか~?みたいなことを言って茶化し、鼻血出そうになりました。

そんな感じで、今回は夫面する顧千帆こせんはんにやられっぱなしの回でした。
必要になった時のためにお金を用意しておくのとか、何千回でも何万回でもお金を貸す発言とか、もう無理ーっとなってました。
出血多量の瀕死状態です。

陳廉ちんれんの働きもすごく良かったですし、思いがけずジーンとしてしまったのは何四かしの働きです。
頼んでないのにサクラ役をしてくれてちょう氏茶坊の開店初日の大繁盛に一役買ってくれました。
呼び込みしても誰もお店に入ってくれない中、何四かしが通りかかった時のあの安心感。
抱きつきたくなりました。

最初出てきたときは、一体こいつらは何のためにでてきたのだろうか、と存在意義を疑問に感じていましたが、すごくいい働きしてくれました。

ついに科挙及第者である顧千帆こせんはん皇城司こうじょうしにいる理由が分かりました。
清流派のスパイとして潜り込まされているということのようです。
斉牧せいぼくは「亡き侍郎じろうに申し訳が立たぬ」と言っていたので、斉牧せいぼく顧千帆こせんはんのおじいちゃんに恩を受けた方だと思われます。

さらに顧千帆こせんはんの年齢も明らかになりました。 顧千帆こせんはんは「10年以上進み続けてきた」と言っていました。 そして盼児ふんじが「あなた(陳廉ちんれん)の主は30歳前なのに五品を望めそうね」と言っていました。 顧千帆こせんはんが科挙に及第したのは18歳の時なので(6話の簫欽言しょうきんげんの発言)、18歳から10年以上経過し30歳未満、ということで29歳説が有力です。

前回、欧陽おうよう高慧こうけいに「裏切りはせぬ」と伝えたのは、自分以外に高慧こうけいの被害者が出ないようにとの配慮かなぁ?と呑気に思っていたわけですが、全然違うことが判明しました。
高慧こうけいの心を利用し都に舞い戻るためでした。

いつの間にか欧陽おうようが、登場した時とは別の人間になってしまいました。
覚醒してしまったっぽい。
そもそも、前回あんな呑気な妄想をしたのは、欧陽おうようの中に盼児ふんじを気遣う心があると思っていたからなのです。

欧陽おうようが実際に出てきたのは6話の終わりでした。
盼児ふんじを妾にするとか、盼児ふんじの子を自分と高慧こうけいの子として育てるとか最低な発言をした欧陽おうようでしたが、あれはヤベー女である高慧こうけいから盼児ふんじを守るためだと視聴者は知っています。
盼児ふんじは知らないんですけどね。

全部知っている立場からすると、欧陽おうよう盼児ふんじの関係は 2人だけで以前と同じように全部隠さず話し合えば修復可能なのではないか、という気持ちがありました。
欧陽おうよう盼児ふんじを思う心を持つ、それほど悪い奴ではない、と思っていました。

けれど8話でとく氏が帰って来てからおかしくなってしまいました。
とく氏は盼児ふんじがいかさま師だと言って自分の身に起きたことや華亭かてい県で起きたことを語り、婚約解消書を書いて届けようとする欧陽おうようを引き止めました。

盼児ふんじ高慧こうけいのヤバさを知らず欧陽おうように敵対する態度をとっているので、2人の間にある わだかまりを解けるのは欧陽おうようしかいないのに、欧陽おうようも動かなくなってしまいました。
とく氏が帰ってきたことで2人の関係は完全におかしくなってしまいました。

欧陽おうよう宅前で騒ぐ盼児ふんじ欧陽おうよう銭塘せんとうに帰らせようとし、盼児ふんじ東京とうけいに戻り欧陽おうようを追い詰め…。
欧陽おうようは前回、盼児ふんじの3年分の愛を踏みにじったんだから、自分が高官の道を断たれればご破算だと杜長風とちょうふうに語っていましたが、出世街道に舞い戻る気満々だったのです。

追い詰められた欧陽おうようは逃げることにしましたが、疫病神のようなやべー女、高慧こうけいを利用するまでに成長しましたとさ。
欧陽おうよう高慧こうけい以上にヤバい奴になった場面を見せられたようで、少し呆然とした後 ヒャッホーいいね~!となりました。

修復可能のように思えた欧陽おうよう盼児ふんじの関係が、敵対関係になってしまったようです。
ここまでくると、7話で欧陽おうように裏切られ寝込んだ盼児ふんじが見た夢の中の欧陽おうよう(口端から血を流して笑っている)が正夢になる日が近そうで、怖いです。
やっぱり盼児ふんじは千里眼持ちなのか!?

引章いんしょう盼児ふんじ三娘さんじょうの役に立ちたくて、高鵠こうこくよりも偉い皇帝に会えばいいんだと気付き行動に移しました。
許永きょえいふみがあった上に引章いんしょうの確かな腕前もあって、東京とうけい教坊司きょうぼうしでは温かく迎えられました。

あまりにもトントン拍子に進みすぎて、逆に心配になっています。
豆知識ですが、今回初めて登場したように感じている方が多いだろう孔午こうごちょう氏茶坊を気に入った陳廉ちんれんの同僚)は、実は1話の一番最初に顧千帆こせんはんよりも前に名前が出てきています。

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