夢華録(むかろく) 第30話 女の底力 ネタバレあらすじと感想

むかろく第30話 女の底力 夢華録

夢華録 第30話 女の底力 あらすじ

望月楼ぼうげつろうの店主に都合のいい契約をさせられたことや、池蟠ちはんに自分の女になれと言われたことを思い出し、盼児ふんじは泣きながら珊瑚の簪を洗った。
洗った簪を髪に挿すと、盼児ふんじは涙をぬぐい微笑んだ。

盼児ふんじ望月楼ぼうげつろうに行くと、店主の首に簪を突きつけ、300貫を今すぐ返すか一緒に死ぬか選べと脅した。
すると店主はすぐに300貫を返済した。

戻った盼児ふんじ三娘さんじょう招娣しょうていに300貫を取り戻したことを報告した。
300貫は戻ったものの質入れした茶坊や書画、装飾品を買い戻すには足りない。
盼児ふんじ杜長風とちょうふうから金を借り茶坊を買い戻そうと考えた。

欧陽おうようだけでなく、顧千帆こせんはんにも騙され捨てられたのだと盼児ふんじは受け入れ、珊瑚の簪を売ろうとしていた。
三娘さんじょうは料理店を開こうといって盼児ふんじを励まし、招娣しょうていも明るい顔で2人について行くと言った。

けれど本当のところは2度も男に裏切られた盼児ふんじから唯一の希望である商売を奪うことができなくて言っただけで、本音では2人とも不安を抱えていた。
三娘さんじょう招娣しょうていが質店の前にやってくると、杜長風とちょうふうが現れた。
杜長風とちょうふうは2人の話を背後を歩きながら聞いており、盼児ふんじの簪は売らずにとっておこうと声をかけた。

杜長風とちょうふうは証文の内容を見落とした責任を取るため、先祖の残した宝飾品を売りに来たのだった。
引章いんしょう沈如琢しんじょたくと馬車で移動中、三娘さんじょうたちが質店の前にいるのを見かけた。
酒楼に何かあったのかもしれないと思い、引章いんしょうは馬車を降りようとしたが沈如琢しんじょたくは引き留めた。

これから2人は引章いんしょうを良民にするため財政を握る林三司りんさんしに会いに行くのだ。

演奏をしに来たと思っていたのに、林三司りんさんしの喜ぶ話をするよう言われ、引章いんしょうは拒んだ。
しかし将来のため1度だけ我慢してほしいと沈如琢しんじょたくに言われ、うなずいた。
引章いんしょうの演奏は酷いものだったが音律を解さない林三司りんさんしは演奏を褒めた。

引章いんしょうは機嫌を損ねたが、沈如琢しんじょたくに正妻として娶るために媚びなければならないのだと言われ心を落ち着けた。
宴の前に着替えようと控室に行った引章いんしょうは、張好好ちょうこうこうと会った。
池蟠ちはんと別れた張好好ちょうこうこうは官吏に身請けされ、正妻同様の待遇で迎えられるそうだ。

張好好ちょうこうこうは「あなたにはもっと賢さが必要よ。だまされないで」と引章いんしょうに声をかけた。

宴が始まった。
林三司りんさんし引章いんしょうの杯を気にしている。

雷鳴がとどろく。
今夜は嵐になりそうだ。

杯をあおる引章いんしょうを、張好好ちょうこうこうは怒ったような顔で見守っていた。

引章いんしょうは眩暈を感じ家に帰りたいと言ったが、沈如琢しんじょたくは今帰れば不興を買うと言って静かな部屋を用意させ引章いんしょうを下がらせた。
眠る引章いんしょうの様子を見に来た沈如琢しんじょたくは、「催淫香を焚かないと」と呟いた。

酔って寝たふりをしていた引章いんしょう沈如琢しんじょたくに殴りかかった。
引章いんしょう張好好ちょうこうこうから控室で沈如琢しんじょたくの本性を聞いていた。

名家の出身というのは過去の話。
最初は女性を丁重に扱うがすぐに飽きて林三司りんさんしの慰み者にする。
慰み者にされても女性は信じ続け、酒に酔った自分が悪かった、沈如琢しんじょたくに申し訳ないとさえ思う。

引章いんしょう沈如琢しんじょたくを縛り上げ、誓約書に拇印を押させ決別の宣言をすると逃げるようにその場を去った。

酷い雷風雨の中、盼児ふんじたちは半遮面はんしゃめんの様子を見に来た。
店の中はめちゃくちゃになっていた。

翌朝、街の人たちは嵐で荒れた街の後片付けをしていた。
光の中改めて店の惨状を目にした盼児ふんじの心は疲れ果てていた。

300貫は山分けにして、銭塘せんとうに帰ろうと盼児ふんじ三娘さんじょうは話した。
東京とうけいに来るべきではなかったのかもしれないと盼児ふんじは心の中で思っていた。

港に行くと、池蟠ちはんが河川管理の役人に嵐による被害の責任を追及され身勝手に虐げられていた。
賄賂が少なかった仕返しらしい。

盼児ふんじは立ち去ろうとしたが、“士農工商の内 商人が一番卑しい”という役人のセリフを聞いて立ち去れなくなった。

今夜中に直さなければ斬ると言われ命乞いした池蟠ちはんに、役人は靴の泥を舐めるよう言った。
池蟠ちはんが泥を舐めようとした時、盼児ふんじが“首を斬らせてやればその役人には3日後に会える”と言って2人の間に入った。

河川管理の役人に処罰権などない、河川管理の責任は役人にこそある、商人が卑しいというなら商人から物を買うな、卑しいのは人ではなく人を見下す心だ。

心理的に疲弊していた盼児ふんじがぶちまけると、街の人たちは拍手喝采した。
役人は盼児ふんじ三娘さんじょうを捕らえようとして…?

感想

色々なことが動いて、面白い回でした。

前回池蟠ちはんに会いに行き池蟠ちはんの前で舞を披露したことで300貫借りられたと思っていましたが、借りられていなかったんですね。
最後に池蟠ちはんに平手打ちを食らわせたことで全部ダメになってたとは…。
池蟠ちはんの奴、ケツの穴の小さい奴だな。

そんなこんなでお金を用意できず、盼児ふんじ顧千帆こせんはんを信じるのを止めました。
顧千帆こせんはんにも騙された、ということを盼児ふんじは受け入れました。

そういえば顧千帆こせんはん今回出番なしでしたね!

300貫は返って来たものの全財産かき集めてつくった600貫の内、300貫を失った盼児ふんじたち。
男に捨てられ財産も失った盼児ふんじから希望を奪えなくて三娘さんじょうたちは前向きな言葉をかけますが、本当は三娘さんじょうたちも不安で仕方ない。
辛いです。

そして引章いんしょうがまた騙されていたということが発覚しました。
沈如琢しんじょたくのことは いけ好かない奴だと思っていましたが、引章いんしょうを正妻にしたいという気持ちは本物なのかな、と思っていました。
なので林三司りんさんしの家に連れてこられて、林三司りんさんし高鵠こうこく以上のエロおやじらしいと気づいた時も、沈如琢しんじょたくがグルだとは思いませんでした。

沈如琢しんじょたく引章いんしょうを早く良民にしたくて焦り、事前調査を怠ったのだと思っていました。
事前調査を怠ったから、こんなエロおやじを頼ることになったと思っていました。

「催淫香を焚かなくては」というセリフで沈如琢しんじょたく林三司りんさんしとグルだと知った時は驚いたと同時に引章いんしょうが可哀想でした。
でも引章いんしょうが自ら鉄拳制裁できたのは良かったです。
何なら次の被害者が二度と出ないようにしてあげても良かったんじゃないかな、と思いました。
引章いんしょうは女神さまのように優しいですね。

今思えば、引章いんしょう盼児ふんじたちを引き離し決別させようとしてたのも全部このためだったんでしょうね。
カルト教団やブラック企業も洗脳するためにターゲットをまず孤立させるという話を聞いたことがあります。
沈如琢しんじょたく引章いんしょうに自分を信じ込ませるために孤立させようとしてたんですね。

なぜいたのか分からないけれど、あの場に張好好ちょうこうこうがいてよかったです。

結局沈如琢しんじょたくがいい暮らしをしているのは、財務を握る林三司りんさんしに女子を斡旋しお金と閑職もらっていたかららしい、ということで沈如琢しんじょたくの化けの皮がはがれました。

顧千帆こせんはんは13話で沈如琢しんじょたくは怪しいものじゃないと身元を保証するような発言をしていました。
今さら言っても遅いですが、引章いんしょう盼児ふんじの妹分なんですから、もっとよく調べてほしかったです。

嵐は河川も街もお店もめちゃくちゃにしました。
銭塘せんとうに帰ろうとする盼児ふんじの前に、自分に屈辱を与えた池蟠ちはんが屈辱を受ける姿。

商人がバカにされて黙っていられなかった盼児ふんじは、捕らえられそうになり…。

次回、ついに盼児ふんじ池蟠ちはんが手を組むでしょうか?

今一番心配していることは、全てをめちゃくちゃにした嵐が、盼児ふんじの部屋の3000貫の紙を台無しにしていないかどうかです。

神様、あの紙だけはお守りください。

それから顧千帆こせんはんは早く起きて、下級役人に捕らえられそうな盼児ふんじを助けてください。
よろしくお願いします。

女性をターゲットにした恋愛ドラマだと、理想を絵にかいたような男性ばかり出てきがちですが、これはヤバい男がいっぱいでてきて教育的に良いドラマだと感じています。
子供が1人立ちする際持たせるのに、最適なドラマだと思いました。

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