馭鮫記前編&後編

長意と雲禾の婚礼は3日後と決まった。天君は琉璃心灯を修復しているが、最後の一欠片が見つからなかった。離殊は無量天火を灯すという役割を前に、苦しんでいた。長意と雲禾は北淵の仙友たちに祝われ結婚した。昊青も万花谷から人知れず結婚を祝った。

雲禾は仙師の元神を寧悉語に会わせた。寧悉語が万花谷の谷主の座を追われたのも、狂獣に襲われ命を落とすことになったのも、全て仙師である寧清が原因だった。真実を突きつけられたた仙師は自ら朱厭の宿る指輪を外した。長意は朱厭の残影を倒した。

長意から朱厭が生きている限り寒霜は無くならないという話を聞いた昊青は、朱厭の居場所に思い至り鹿台山に行く決意をした。青姫は敵を討つため仙師を引き受けると言い昊青と協力関係を築いた。昊青は仙師の書斎の絵を燃やし、青姫は仙師をおびき寄せ戦った。

解毒剤を完成させた昊青は自ら試した。一瞬霜花は消えたものの、すぐに蘇り昊青は寒霜の発作に苦しむことになった。暁星から北淵に雲禾に似た狐がおり、長意がそばに置いているという報告を受けた昊青は阿紀を迎えに行った。しかし阿紀は北淵を去り難い様子で…？

奇鋒は人質にするため、阿紀を配下に襲わせた。霊力が弱められ、変幻術が解けてしまった阿紀を長意は助け、阿紀が雲禾なのだと知った。長意は阿紀を自分の部屋に住まわせた。卿瑶は奇鋒の全霊力を廃し追放処分にした。天君は無名山が無量山だと調べ上げた。

胸の赤い真珠に導かれ、阿紀は長意に出会った。自分のことを”大尾魚”と呼ぶ阿紀に長意は興味をひかれた。昊青は計略を巡らし、仙姫の所から薊柏草と東濂長老の両方を取り戻すことに成功した。阿紀は符恒殺害事件の真犯人を炙り出す方法を長意に語り…？

奇鋒は符超の弟である符恒を殺し、盧瑾炎に罪を擦り付けた。長意はそのことに気づいたが、奇鋒を油断させるため盧瑾炎と符超を無妄窟に入れた。阿紀は変幻術を身に着け、旅立てることになった。東濂長老が仙師府に捕らえられ昊青は一緒に行けなくなった。

姫成羽は仙姫を止めるべきと仙師を説得したが聞き入れられなかった。姫成羽は空明に手紙を出した。御霊師たちを北淵で保護するため、空明は人間界に行った。阿紀は昊青と思語に育てられ、急成長を遂げ大人の姿になった。阿紀は美男の夢の話を昊青にして…？

雲苑に籠り続けた長意は、広物集の間から雲禾の手紙を見つけた。雲禾の手紙を見た長意は雲苑から出て天君に会った。長意は赤い衣装を雲禾に着せ雪原に連れて行った。長意が赤い涙を流すと、雲禾の体と涙は赤い光となって消えた。昊青は林の中で狐を見つけて…？

雲禾は空明に丹薬をもらい、卿瑶に会いに行った。万花谷軍は朱凌に逆らえず雪原に布陣し、北淵軍も迎え撃つ準備が整った。暁星が攻撃開始の合図をした時、雲禾と空明、卿瑶が現れた。雲禾は万花谷軍を説得し、空明は薬の用意があることを話し、卿瑶は安全を保障した。