蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~ #17 あらすじ
東方青蒼による父親殺しは、七情を断つ秘術と関係があると觴闕は小蘭花に話した。
秘術が記された太古の書は先代月尊の寝殿にあるが焼けてしまっているはずだと觴闕は言った。
先代月尊の寝殿を東方青蒼は禁足地にしており、入れば舌を抜かれ火あぶりにされる。
しかし小蘭花は寝殿に入った。
東方青蒼は七情の木を見に行った。
雪と氷におおわれていた七情の木に、光が差し雪が解けた。
大地に緑が戻った。
東方青蒼は七情の木を攻撃したが無駄だった。
東方青蒼は、幼い日のことを思い出していた。
東方青蒼は父を祝うために、琴を作り練習した。
すると先代月尊は、琴を壊し教えた乳母を殺した。
怒りに任せ東方青蒼は父に刃を向けたが殺せなかった。
「軟弱では業火を身につけられぬ」と言って、父は過酷な稽古をつけた。
見つけ出した太古の書は焼けていたが、木製だったので小蘭花には治すことができた。
東方青蒼は弗居洞に行き、七情を除く像の中に入った。
東方青蒼の七情が失われた日、最後の仕上げだと言って父親は自分を殺させた。
太古の書を読み、七情を除くことの苦しさを知った小蘭花は、なぜ息子にこれほどのことができたのか疑問に思った。
愛していなかったはずはないと考えた小蘭花は、何か裏があるはずと思い捜索を続けた。
そして先代月尊が東方青蒼を愛していた証拠を見つけ出した。
先代が言った”なぜお前が”というセリフには、東方青蒼が業火を学ぶため七情を断つ苦しみを味わわなければならない業を背負っていると知った悲しみが込められていると小蘭花は気付いた。
「それは言った者にしか分からない」と結黎に言われた小蘭花は、実際に聞きに行くことにした。
仙族も月族も死者の元神は忘川に眠っている。
川底の帰墟の境に行けば本人に聞くことができる。
元神を呼び覚ますには燃犀花が必要だ。
燃犀花はすでに滅びたが結黎が枯れたものを盗み持っていた。
小蘭花は枯れた燃犀花を生き返らせると、雲影鑑(音声記録媒体)を持って忘川に向かった。
結黎は危険だと引き止めたが、父親殺しの汚名のある東方青蒼に弟殺しまでさせたくない、誤解したままにさせたくないと言って小蘭花は出かけて行った。
巽風の雷刑の時刻になった。
刑場に向かおうとした東方青蒼だが、腕に切り傷が現れ小蘭花の後を追った。
帰墟の境に着いた小蘭花は、雲影鑑を準備し元神を呼び覚まそうとした。
そこに東方青蒼が現れ、何も知りたくないと言って小蘭花を連れ帰ろうとした。
小蘭花は、父親の寝台の側から見つけた琴を見せた。
そして燃犀花を用い元神を呼び覚ました。
小蘭花が3万年経ったと伝えると、先代月尊は、仙界平定と月族再興はどうなったか尋ねた。
小蘭花は琴を見せ、覚えているか尋ねた。
先代は東方青蒼が祝うために作ってくれたものだが壊し、心が張り裂けそうだったと話した。
「心が痛むならなぜその手で壊した」と東方青蒼は先代に語り掛け…?
感想
宝探し&謎解きな感じの展開で、すごくワクワクしました。
前回書いた私の推理はことごとく外れ、かなり恥ずかしい感じですが、そのままにしておきます!
魔王様に業火を操る才能があると知った父親は「なぜお前が」と言いました。
この発言の意図について魔王様は”忌まわしい息子が己の地位を奪うと思っての発言だろう”と言い、小蘭花は違う、魔王様の父親殺しには何か裏があるはずと考えて前回終わりました。
小蘭花は觴闕に魔王様の父親殺しについて尋ねましたが、觴闕はその時のことを知りませんでした。
けれど七情を断つ秘術と関係があるはずだと言って、太古の書の在処を教えてくれました。
先代月尊の寝殿は禁足の地になっており、入れば舌を抜かれ火あぶりにされる。
それでも小蘭花は入りました。
何万年も父親とのことを苦しんで来た魔王様のために、全てを解き明かし不眠を治してあげたいというのが小蘭花の気持ちです。
觴闕は、たとえ死んでも魔王様を助けたいと言って小蘭花に続き、結黎は2人が死んだら嫌われている自分は殺されるだろうということで2人に続きました。
この3人3様の考えが個性が出ていてすごく面白かったです。
太古の書を修復し内容を見た3人は、”これを息子にするなんて愛しているはずない”と思ってしまいました。
それほど書かれた内容は過酷でした。
けれど小蘭花は希望を捨てずに捜索を続け、先代の寝台の近くから琴・毬・巻物の3点を見つけました。
魔王様から父親への贈り物だった琴は修復されており、蹴鞠は幼い魔王様が好きだった遊び、巻物は月尊の言動が記されたもので本来書庫に保管すべきものですが、寝殿に隠されていました。
巻物には魔王様に業火を操る素質があることが記されていました。
先代は魔王様に素質があることを隠そうとしていました。
これらの証拠から、小蘭花は先代は魔王様に業火を操る素質があることを悲しんで「なぜお前が」というセリフを言ったのだと気付きました。
気持は本人にしか分からないと言われ、小蘭花は本人に聞きに行くことを決意しました。
ここからの流れでは、結黎のデレがたくさん見られて嬉しかったです。
今はすでに滅び新規入手が困難な貴重なお宝燃犀花を結黎は小蘭花に渡しました。
(もともとは巽風が宝物庫に入れたのを盗んだらしい。)
さらに雲影鑑も小蘭花に貸しました。
結黎は、「気を付けて、流れに注意して」と忘川の底に向かう小蘭花に声をかけました。
小蘭花は、結黎が心配しているのは雲影鑑だと思い、絶対に雲影鑑を離さないと答えました。
これまでツンツンしていたツケがたまっているのだよ、しばらく耐えたまえと結黎に語り掛けながら見守っていたら、結黎は「私が言ったのは”流れに注意して”よ」と伝えました。
心配しているのは雲影鑑ではなく小蘭花自身だとちゃんと伝わりました。
よかったね。
ツンデレの子は、こんな感じで誤解されても本心を伝えられなくて苦しむことが多いように感じていましたが、結黎はちゃんと言える子でした。
よかったです。
今回、先代が苦しみながらも魔王様に七情を断つ秘術を施したことが語られました。
なぜ先代は秘術を施したのでしょうか?
「やりたくないので、やりません」はダメなんでしょうか?
月族に産まれた以上、業火を操る才能を開花させるのは義務で避けられないのでしょうか。
魔王様と先代との対話でそのあたりが解明されることを期待しつつ、次話見てきます。
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