馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第16話 あらすじ
昊青は暁星と洛洛に、万花谷に戻るという決断を伝えた。
洛洛は残って雲禾を救うと言ったが、雲禾に洛洛を守るよう託されたと昊青が言うと思いとどまった。
仙姫のところに雲禾が従棘所にいるという報告が届いた。
雲禾は長意と共に逃げたと思っていた仙姫は、仙師の心を動かせるのは自分だけだと言って従棘所に向かった。
仙姫は寒霜をチラつかせて脅し、仙師になんと命乞いしたのか言うよう迫った。
雲禾は仙姫を挑発し、仙姫は寒霜を放った。
すると雲禾は九尾狐に変化した。
雲禾が仙姫に攻撃を放つと、仙師が現れ雲禾を拘束した。
仙師は雲禾を殺すと息巻く仙姫を帰らせた。
雲禾は仙師に自分を殺すよう言った。
すると雲禾の中で九尾狐の霊丹が光った。
寒霜の発作は経脈を凍らせ霊力を封じるものだが、雲禾の体内には2つの霊力があり衝突しながら新しい経脈を作り出し寒霜を中和していた。
林滄瀾は雲禾を双脈と霊丹を持つ者に変え寒霜を解いたのだと仙師は言った。
雲禾は長意を深く傷つけたことを死んで詫びるつもりだった。
しかし死ねないと分かり泣いた。
雲禾に仙師を奪われるのではないかと不安を抱いた仙姫は、長意の鮫尾でつくった袴で着飾り仙師を招待した。
仙姫は薄布越しに舞を披露し、仙師は舞に合わせ琴を奏でた。
舞が終わり仙姫が姿を見せると、仙師は「ふざけるな」と言って仙姫の衣を変え、衣装を変えたことを叱った。
なぜ雲禾を匿っていることを黙っていたのか仙姫が尋ねると、仙師は実験台だと答えた。
仙姫は雲禾をいたぶりにやって来た。
倒れて目覚めた雲禾は、以前よりも耐性が付いているようだと思った。
仙師がやってきて、東海鮫人の鮫珠だけが修復と再生の能力を持っているのだと話した。
雲禾は鮫珠の修復力を見るために、仙師は仙姫にいたぶらせたのだと感じた。
残虐な行為をして動揺も悲しみもないのか、と雲禾は仙師に尋ねた。
すると仙師は、自分もかつて同じ疑問を抱いたことがあると話した。
仙師も絶望的な状況に陥ったことがあるのだと雲禾は感じた。
仙姫は毎日雲禾をいたぶったが、雲禾は仙姫にひれ伏さなかった。
雲禾を二度と笑えなくするにはどうすればいいだろうかと仙姫は考えた。
長意が東海に戻ると、東海は封印されていた。
仙師府の弟子と張仙使がいて、鮫王は処刑されたのだと話した。
ありえないと思う長意だが、張仙使たちからの攻撃から守るように鮫王の権杖が飛んできて長意を守った。
空明が現れ長意を連れて消えた。
権杖の中には鮫王の最期の霊力が残っていた。
鮫王は鮫族の未来を長意に託し消えた。
東海を復興させ、さらなる悲劇を防ぐため長意は空明と共に戦うことを決めた。
金蓮は北を指していた。
仙師は北淵により大きな被害を与えた。
人々は仙師と仙姫を嫌っているため同士を得られる可能性は高い。
ただし南に万花谷があるように北には凌霜台があり、凌霜台を率いるのは仙姫の腹心だった。
北に行けば凌霜台と交戦になるだろう、それでも行くか、と空明は長意に問いかけた。
長意は出発の決意をした。
天君は東海を封印させた仙姫と口論になったが、敷いてある陣は強大で天君にはどうすることもできなかった。
昊青は雲禾の様子を思い返し、林滄瀾は双脈により寒霜を解いたのだと気づいた。
しかし双脈を作り万花谷全員を救うことはできない。
そう考えていたところに、寒霜の発作を発症した六英長老が運び込まれてきた。
解毒剤を飲ませたが、六英長老は老衰で寒霜に耐えられず解毒剤も効かず亡くなった。
仙姫から雲禾へのいたぶりは数か月続いていた。
今日、仙姫は鮫王の鮫珠を持っていた。
長意は東海鮫人の王子だと言うと、仙姫は東海を封印し長意に帰る場所がないことを話した。
さらに鮫王の鮫珠を雲禾の目の前で砕いた。
絶望に打ちひしがれる雲禾の様子を見た仙姫は満足し、雲禾に縁ある者は全員悲惨な最期を遂げさせると言った。
仙姫は長意が仙師府のお尋ね者と一緒にいること、全世界の御霊師が2人を捜していることを話した。
雲禾は長意を見逃してほしいと頼んだが、仙姫は行ってしまった。
雲禾は姫成羽に、とりなしてほしいと頼んだ。
長意は自分にとって残された希望だから、と。
昊青の心には 情け深いままでは かの者 に勝てない という林滄瀾の言葉が響いていた。
感想
仙師が「顔が無事で何よりだ」と言った理由が分かった気がします。
仙姫と仙師の謎のセッションを見て、分かりました。
良い気持ちで踊り終えた仙姫が現れると、仙師は「ふざけるな」と言って強制的に衣装チェンジさせました。
仙姫は長意の尾でつくった衣を仙師に見せたかったのに、仙師は喜びませんでした。
これはなぜなのか。
最初は、仙師の中にいる仙姫と同じ顔の人は そんな衣装着てなかったからなのかもしれないと思ったのですが、見返して逆のような気がしました。
むしろ、仙姫と同じ顔をした人は、同じ衣装を着ていたのではないでしょうか?
つまり仙師が愛した人は鮫人なのではないかと思いました。
チラっと出てきた仙師の過去回想の場面も水辺でしたし。
昊青のご先祖様は仙師の愛した鮫人をころしてしまったか何かで、仙師に恨まれているのではないでしょうか?
仙師について少しわかったことで、今回いつにも増して残虐わがまま姫だった仙姫も、痛々しい人に見えてしまいました。
前回の顔発言と今回の衣装チェンジを考え合わせると、仙姫は仙師が誰かの身代わりに可愛がってるお人形さんに思えます。
仙姫は仙師を慕っています。
慕っているからこそ、仙師が自分を通して誰か別の人を見ているのには当然気づいているでしょう。
あんなに師匠大好きオーラを出してるのに、仙師は仙姫を誰かの身代わりに愛でているだけかもしれない…。報われない。
仙姫は、だからフラストレーションを貯めてわがまま言っているのかもしれないと思いました。
今回は雲禾にまで仙師を取られるかもしれないと思い、鮫王をころして東海を封印するというとんでもない暴挙に出ました。
残虐が極まってますが、雲禾も言ってた通り、それくらい本人は追い詰められているのかもしれないと思いました。
厄介姫だと思ってましたが、今回を見て一緒に酒を飲みたい気分になりました。
「男は他にもいるよ」と言ってあげたいです。
そうしたら仙姫はなんて言うでしょうか。「知ってる。逆ハーレム持ってるし」とか言ってきそうですね。
そこで飲み会はお開きになりそうだ、というところまで妄想しました。
仙姫は姫成羽の仙侍をどうしたのでしょう?
妄想のついでに気になりました。
雲禾の中には林滄瀾が作り上げた双脈が完成しており、寒霜は解けました。
余命数十日の覚悟を決めていた雲禾ですが、生きられるようです。
良かった。
きっと双脈が成立しているのには、長意の鮫珠がかなり役立っていると思います。
他の御霊師は皆実験途中でしんでしまって、雲禾だけ成功したのは修復と再生の能力を持つ長意の鮫珠を持っているからだと思います。
特別な条件を兼ね備えていたから雲禾は寒霜を解き生き続けることができました。
しかしそのせいで仙師に気に入られ、監禁は続いています。
数か月仙姫にいたぶられ続けているようですから、今回だけで2,3か月 時が経過したようです。
もしかしたら今回1話だけで1話~15話までよりも時間が経過したのでは?と思いました。
そこで、雲禾と長意はどれくらいの間一緒にいたのか、1話から14話まで見直してきて表にまとめました。
恐らく、50日くらいではないか、というのが私なりの結論です。
本当の所は分からないです。
雲禾と昊青が修行していた日々は、画面上は2回夜が来てましたが、あれはもしかしたら何日も経過していることを表現しているのかもしれません。
それから昊青が引きこもり状態にあったのがどれくらいなのかもわかりません。
とりあえず、承継の儀まで2週間くらいはかかったのではないかと考え計算しています。
![長意と雲禾の歴史](https://cdrama-myon.com/wp-content/uploads/2024/03/c2cf860c6b60c354b395be80adb7a50b-724x1024.jpg)
何が何でも雲禾を屈服させたい仙姫は、張仙使とナイスなアイデアを思いつきました。
雲禾の心のよりどころである長意を痛めつけることでした。
鮫王を処刑し東海を封印。恐ろしいです。
長意は東海復興のため空明の仲間に入りました。
長意は空明が仙師を敵視する理由は何なのか尋ねましたが、空明は話しませんでした。
前回の空明の回想の中では、空明が治療していると治療していた人たちが消えてしまった、みたいな映像が出てきましたよね。
それで仙師府に空明は向かい、次の瞬間には絶望していました。
仙師の裏の顔とは何なのでしょう。
仙師府は御霊師を使い地仙を教化する役所ですよね。
ということは、悪さをしてくれる地仙がいないとお仕事がなくなってしまいます。
だから冤罪を作り上げてるとかでしょうか?
空明が治療しようとしていたのは、仙師が作った実際は存在しない被害者だったから時間が経過し消えてしまった、とか?
分かりませんが、空明が長意に心を開いて色々話してくれる日が来ると良いですね。
九尾狐に変化した雲禾の様子から、林滄瀾の策が成り寒霜を解くことができた=雲禾は生き続けられると昊青は気づきました。
それと同時に雲禾と同じ術を他の者たちに施し救うことができないということにも気づきました。
寒霜を解いた例が生まれたことは希望ですが、雲禾の例は再現性の低すぎます。
そんな中、寒霜の発作を発症した六英長老が運び込まれてきて、解毒剤の効果もなく目の前でなくなってしまいました。
昊青の心には“情け深いままではかの者に勝てない”という林滄瀾の言葉が響いていましたが…。
これは、昊青が冷酷になる決意をする、ということなんでしょうか?
林滄瀾が生きてた頃は、昊青の敵は母親だと思っていましたから(笑)、冷酷になれば倒せるのかもしれないと思っていました。
けれど本当の敵が仙師だと知った今、冷酷になったからと昊青1人で倒せる相手じゃないよね、という気持ちが強いです。
(林滄瀾には冷酷になった昊青が仙師を倒すビジョンが見えてたんでしょうか?見えてたのならその具体的なシミュレーションを見せてほしかった!)
もう天君が音頭を取って、四海八荒が一丸となって勇者パーティーと協力して倒さなければならない相手じゃないですか?
個人でどうにかできる相手じゃない気がします。
昊青は仙師から雲禾を取り戻すために冷酷になろうとしているのだと思われ、そのこと自体はグッとくるものがあります。
でも冷酷になったから解決する問題じゃないですから。
むしろ仲間を集めたり、ね?
他のところと連携を取って国連みたいな組織を作ることの方が重要だと思います。
だから昊青、あなたが冷酷になろうとか考えなくて大丈夫です。
今のままでいて。
お願いします。
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