楽游原(らくゆうげん)　第9話　天下太平のために　ネタバレあらすじと感想・考察

楽游原(らくゆうげん)　第9話　天下太平のために　あらすじ

孫靖そんせいの老将・符元児ふげんじの守る濼陽らくよう城の守りは固い。
符元児ふげんじは単身李嶷りぎょくに会い、崔さい家軍を撃退すれば兵糧を渡し濼陽らくようの通行を許すと話した。離間策である。
鎮西ちんぜい軍は崔さい家軍と示し合わせ戦っているふりをした。

何か校尉が側室だという話は嘘だと知り、李嶷りぎょくは上機嫌になった。

鄭てい国公を鎮西ちんぜい軍は捕らえ濼陽らくよう城を明け渡すよう要求したが符元児ふげんじは応じなかった。

孫靖そんせいは崔家軍のひざ元・営えい州に大軍を派遣した。
鎮西ちんぜい軍の治める望ぼう州を通らなければ崔家軍は孫靖そんせい軍より先に営えい州に戻れない。

何か校尉は、李嶷りぎょくに取引を持ち掛けた。
10数え終える前に李嶷りぎょくが目を開けたら望州を通らせる。
何か校尉の口づけで、李嶷りぎょくは目を開けた。

鄭てい国公の配下は主を助けようと濼陽らくようの城門を開け、鎮西ちんぜい軍と崔家軍がなだれ込んだ。
両軍は濼陽らくよう城を落とし、符元児ふげんじは自害した。

感想・考察

仲良くなってしまった鎮西ちんぜい軍と崔さい家軍を離間させようと孫靖そんせいや孫靖そんせいの老将・符元児ふげんじが頑張る回でした。

1話を見たときは、崔家軍と鎮西軍は敵同士なのかなと思っていましたが、最近本当に仲いいですもんね。
2～6話で2人旅をしていた李嶷りぎょくと何か校尉は2人旅を終えてからも しょっちゅう会ってましたし。

符元児ふげんじは兵糧と通行許可を餌に、鎮西軍に崔家軍を攻めさせようとしました。
しかし仲良しな両軍は芝居で乗り切りました。

このままだとまずいと思った孫靖そんせいは、崔さい家のおひざ元・営えい州に大軍を送り西長京せいちょうきょうに進軍している崔家軍を戻そうと考えています。
鎮西軍と崔家軍の物理的な距離を離そうという作戦ですね。
同時に李嶷りぎょくの兄2人（李峻りしゅんと李崍りらい）を解放し活躍してもらおうとしているようです。
孫靖そんせいが崔家軍・鎮西ちんぜい軍両軍に対して工作活動を始めました。

営州へ送られた兵

孫靖そんせいが謀反を起こしてからどれくらい経過しているのかわかりませんが、孫靖そんせいは南のほうで百越はくえつ攻めというのを行っているようです。
大裕だいゆう王朝も100年以上百越はくえつを攻略できておらず、孫靖そんせいが攻略できれば天下に実力を認めさせることができるという理由だそうですが、戦況は悪いようだということが、辛紱しんふつと孫靖そんせいの会話でわかりました。
辛紱しんふつは戦況の悪い百越はくえつ攻めをいったんやめて その兵を濼陽らくように向かわせてはどうかと進言しましたが、孫靖そんせいは新たな兵を集めて向かわせました。

おそらく、この兵が営えい州に送られたのではないかと思われます。
きっと大裕だいゆう王朝の治めている地域はものすごく広いでしょうから、南で戦っている兵を東に向かわせるだけでもすごく時間がかかりそうです。
だから新たに集めた兵を向かわせるという理由もあるかもしれません。

新たに集められた烏合の衆なら、崔家軍はすぐに営えい州に迫る大軍を撃退し鎮西ちんぜい軍に合流できるでしょうか？そうなるといいです。

一応、ものすごーくざっくりですが、楽游原の舞台となっている国の地図らしきものを作りました。

濼陽らくようが東の都だという説明がありましたので、鎮西ちんぜい軍と崔家軍は東から攻めているのかなと思いました。
ただ、鎮西ちんぜい軍の名前は”西を鎮める”という名前になっているじゃないですか？
それなのに東にいるの？という疑問が残っています。

気になる李嶷のお兄ちゃんたち

李嶷りぎょくには李峻りしゅんと李崍りらいという2人のお兄ちゃんがいるらしく、2人は孫靖そんせいに捕らわれていたそうです。
しかし孫靖そんせいはお兄ちゃんたちを解放することにしました。
兄弟が争いあうことを期待してのことです。

ところで、孫靖そんせいと辛紱しんふつは 李峻りしゅんと李崍りらいには将才がないと言っていました。
しかし、李嶷りぎょくもそう言われていましたよね？
それでこの実力です。

そうだとすると、お兄ちゃん2人も李嶷りぎょくと同じくらいすごいのではないかと期待せざるを得ません。

李嶷りぎょくは父・梁りょう王の身の上を案じています。
江南こうなんに捕らわれていたお兄ちゃんたちが梁りょう王を救い出し李嶷りぎょくの懸念を解消してくれるといいのですが。
果たしてどんなお兄ちゃんたちなのか。
出てくるのが楽しみです。

孫靖の怖さ

孫靖そんせいは前回、魏ぎ国夫人の実家・袁えん家の顔を立て簫しょう氏の侍女たちを亡き者にしました。
しかし今回の濼陽らくよう防衛戦では、魏ぎ国夫人の弟・鄭てい国公をあっさり切り捨てました。
鄭てい国公がへまをしたからですが、それでもこのためらわない冷酷な決断は怖いと思いました。

「崔倚さいいは大裕の名将で孫靖そんせいや裴はい大将軍と並び三傑と呼ばれた」

「楽游原」第8話　鮑天来のセリフ

というセリフが前回ありました。孫靖そんせいは将軍としても三傑に数えられるすごい人なんだということをまざまざと見せつけられた気がしました。

鎮西軍は裴献はいけんがいて崔家軍には崔倚さいい、両軍が謀反人孫靖そんせいのいる西長京せいちょうきょうを目指しています。
視聴者的には鎮西軍は李嶷りぎょくの軍、崔家軍は何か校尉のいる軍、というイメージですが、楽游原の世界で生きる世間の人々は三傑が戦っているみたいに感じているのかもしれませんね。

李白の詩

李嶷「濼陽の皮を見下ろせば茫々と胡兵走る」
何校尉「流血野草にまみれ豺狼ことごとく冠纓」

と李白の詩を引用していました。（李白の詩では濼陽ではなく洛陽）
調べたところ、これは『「古風」其の十九』という詩だそうです。意味は

「なんということか、洛陽のあたりは見渡すかぎり胡兵が走り回り、野の草は流血にまみれおる。こともあろうに、山犬や狼が人間の冠をかぶりおる」

加藤国安（著）愛媛大学教育学部紀要 人文・社会科学 第三十六巻 第二号 一〜一六 二〇〇四（1.pdf (ehime-u.ac.jp)）より引用

という意味だそうです。
参考にさせていただいた愛媛大学教育学部紀要（1.pdf (ehime-u.ac.jp)）によりますと、これより前の部分はずっと美しい情景が描かれているけれど、この部分は一転して悲劇的な様子が描かれているということです。

何か校尉が皮肉と言っていたのは、権力の地位にあるものはろくでもない奴らばかりだという詩だからだったのだと調べて知ることができました。

初キス

ほっぺにチューが炸裂しました。
望ぼう州を通り一刻も早く営えい州に帰りたい何か校尉が、賭けに勝つためにしたことです。

しかし何か校尉の頭脳ならば、当然別の賭けを用意することもできたはずです。
チューをしないような賭けを。
しかしチューが含まれる作戦を使ったということですよ！

無事に、何か校尉が崔さいの若様の側室だという誤解も解けました。
前回は失恋をしたと思ってしまった李嶷りぎょくですが、再び積極的な行動を開始しました。

何か校尉もキスをしてくれました。
どんどん仲良くなっています。

何か校尉は崔家軍とともに営えい州に向かってしまうと思われ、物理的に距離を離されてしまうだろう李嶷りぎょくと何か校尉ですが、何か校尉が早く帰ってきていちゃいちゃしてくれることを願っています！