馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第3話 あらすじ
好きな人を喜ばせることが愛情なのだから監禁などするな、と離殊は長意に助言した。
長意は洛洛に雲禾を監禁したと伝えた。
憤る洛洛だが、卿舒殺しの噂が広まり雲禾が狙われていると言われ沈黙した。
三月が台所に入ると、中には離殊が三月のために用意した好物や薬が保管されていた。
三月は離殊との日々を振り返っていた。
離殊が帰ってきた。
長意は雲禾を想っているのに認めようとしない、雲禾も説明しようとしない、お互いに意地の張り合いをしている、と離殊は話した。
雲禾と長意を見てきた三月は、選ぶことの大変さを知り、青姫を助けた時の離殊も同じだったのではないかと気づいた。
三月は これまでの冷たい態度を謝罪し、好きだと伝えると やり直したいと話した。
離殊は三月を抱きしめた。
仙姫は顔の痛みと戦っていた。
侍女が昊青の差し入れた鎮痛剤を嗅がせると、痛みは和らいだ。
仙姫は昊青を呼んだ。
昊青は、仙師は仙姫の顔しか愛していないから鎮痛剤すら与えないのだ、仙姫にも心当たりがあるはずだと話した。
仙姫には思い当たる節があったが、反目させる作戦だろうと言って昊青を罰した。
昊青は疑うなら仙師の書斎の密室に行くよう助言した。
卿瑶は、北淵の新たな長に長意を推薦した。
他の者からも請われ、長意は引き受け尊主の座についた。
長意は返事を少しためらった。
尊主になれば雲禾に執着できなくなるからか、と空明は問いかけた。
卿瑶は眠る卿玄に毎日霊力を注いでおり、今日は少しふらついた。
微妍は卿瑶を支えた。
これからは長意が政を引き受けてくれるから安心だと卿瑶は話した。
微妍は卿瑶のことを想っているから長意は引き受けたのだと言った。
卿瑶は尊主就任式典の準備を行うよう微妍に命じた。
死に方を考えていた雲禾は、練炭を用意してもらうことにした。
雲禾は長意に、崖の1日さえなければ大好きなまま生涯の伴侶になれたかもしれないと声をかけた。
なぜこんなことを言うのか、長意は気にかかったが、式典の準備に向かった。
尊主就任式典当日、雲禾は部屋を厳重に締め切り練炭を焚いて眠った。
式典の最中だったが、長意は鮫人の印を通して異変を感じ雲禾のもとに向かった。
雲禾が川を渡ろうとすると、女性が”まだ死ねない”と言って引き止め消えた。
目覚めると長意がいて、死にたいのかと問いかけた。
雲禾は長意の簪を抜き取り自害しようとし、長意は止めようとし雲禾の首に手をかけ押し倒した。
雲禾は復讐するよう長意に言ったが、長意は簪を奪うと”死なせない”と言い去った。
長意は空明に雲禾を診てほしいと頼んだ。
空明は長意が式典を抜けた尻拭いをさせられ雲禾に対して憤っていたが、狐族への説明は長意がすることを条件に引き受けた。
長意は卿瑶に謝罪し、北淵の安定と繁栄を約束した。
卿瑶は雲禾の処罰と追放を求めたが、長意は処罰をするなら自分が受ける、雲禾を見張り騒動を起こさせないと言って卿瑶を納得させた。
天君は仙令から現れた模様を書き記し究明したが解読できなかった。
岱輿での修行の時期だが、天君は解読を優先させようと考えた。
すると合虚神君が岱輿に行くべきだと言った。
天君は岱輿に向かった。
雲苑に長意が住むことになり準備が進められている。
雲禾は簡単に死ねなくなったと考えた。
感想
ついに三月と離殊が元さやに収まりました!
長かった。
7話で三月が離殊に霊丹を返して以来ですから、18話ぶり?
三月が言うには、雲禾と長意の姿が離殊を理解するうえで役に立ったらしいです。
雲禾と長意の愛憎劇が役に立っていたとは!
長意は雲禾を口では憎んでいると言いつつ心の中では愛しています。
雲禾は長意に釈明したいけれど、自分が世を去った後に長意に後悔してほしくないから釈明しません。
離殊は三月を愛していたけれど、恩人である青姫を十方陣から解放しました。
青姫を助ければ三月を利用していたことがバレるのに、恩人を助けることを優先しました。
三月は、自分に対する離殊の態度は全て利用するための嘘だったと思いましたが、でも愛も感じていました。
雲禾と長意の姿を客観的に見ることで、離殊の気持ちが理解できたのかもしれません。
とにかく、三月のツンツン期が終わってよかったです。
前回、昊青は仙師が仙姫の顔しか愛していないという情報を手に入れました。
この情報をどう使うのだろうと楽しみにしていました。
昊青は仙姫に仙師に対する不信感を植え付けるために使いました。
仙姫の言っていた通り、2人の仲を裂き内紛を起こそうという狙いでしょうか?
昊青は「仙師と対する際、(仙姫は)最上の武器となる」と言っていましたから、むしろ自分の手ごまとして仙姫を使おうという腹でしょうか?
昊青が何を考えているのか、明かされるのが楽しみです。
一番痛い治療法を実践して鎮痛剤も与えていなかったというのは、仙師がひどいと思いました。
仙姫はもちろん好きではありませんが、被害者だと思っているので仙師に一矢報いてほしい気持ちがあります。
仙姫は仙師を信じようとしているみたいですが、昊青が密室について言及したのでそのうち忍び込んでくれるでしょう。
その日が待ち遠しいです。
ついに現れました!仙姫と同じ顔の女性。
三途の川の渡し守か何かをしているんでしょうか?雲禾が川を渡ろうとすると引き留めました。
なんで雲禾はあの人と会えたんでしょうか?
もしかして雲禾のご先祖さまだったりするんでしょうか?
そういえば、雲禾の両親が誰なのか、というのは謎ですよね。
前編9話の過去回想の場面で、雲禾は「私が谷に連れてこられた時、林昊青は優しい子供だった」と言っていました。
雲禾はどこかから連れてこられて昊青の妹のように(?)万花谷で育てられたということは9話で語られました。
でも雲禾が万花谷に連れてこられる前、どこで何をしていたのかは語られていません。
川で会った女性との関係、そして彼女はあそこで何をしているのか、彼女は誰なのか、仙師との関係は?
とても気になります。
雲禾は練炭をつかった作戦を実践しましたが、鮫人の印を通じて長意に悟られてしまい失敗に終わりました。
この練炭を使った作戦は、21話に出てきました。
彼女が書いた本の中で“炭毒”という記述があり、それまで たたり だとされていた現象の原因を彼女が突き止め本に書いていました。
雲禾が練炭作戦を実行したのは、この本を読んだことが頭の片隅にあったからかもしれません。
卿瑶本人は良い人だと思っています。
長意の霊丹を直してくれましたし恩も売りませんでしたし、控えめですし、できることなら長意以外に狙いを変えて幸せになってほしいと思います。
それに対して侍女の微妍が苦手です。
雲禾を虜囚と考え高慢に振る舞っていた時も苦手でしたが、卿瑶の側にいる時も苦手です。
「王女を想っているからこそ(長意は尊主を)引き受けたんですよ」とか「王女は誰よりも王子にふさわしいですから」とか、言って(; ・`д・´)
そういうことを言われれば言われるほど、そうじゃなかったとき肩身の狭い思いをし傷つくのは卿瑶なのに。
こういう方を見ると、主を想って発言しているように見えて本当は主のことが大嫌いなのではないかと思ってしまいます(笑)
そんな人が側にいるせいか、卿瑶はついに雲禾に対する処罰や追放に言及しました。
卿瑶が嫌な女への道を歩み始めたような…。
とりあえず、微妍との仲を切って、元の良い人に戻ってください。
まだ遅くないと信じています。
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