馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第2話 あらすじ
雲禾は順徳仙姫に鮫人の教化を行いたいと直談判した。
真に忠誠を誓う侍者が欲しいなら自発的に恭順させるべきで、自分は心を御することに長けている。失敗したら責任を取るが、成功したら褒美が欲しい。
そう雲禾が言うと、順徳仙姫は雲禾と昊青を競わせることにした。
洛洛は鮫人の教化は危険だと言って雲禾の参戦に反対した。
雲禾は、昊青が仙姫に認められ谷主となれば自分の居場所はなくなると言って、洛洛を説得した。
雲禾は本を読んで、“鮫人は東海に住み潔癖。情を重んじ水を操る。鱗には薬効がある”という情報を仕入れた。
昊青は拷問を加えるだろうが鮫人は教化されないだろうと考えた雲禾は、薬を持って鮫人のところに行った。
帰りたい場所や会いたい人がいるなら手当てを受け生き延びるべきだ、教化に来たが傷つけるつもりはない、信じてほしいと雲禾は鮫人を説得した。
すると鮫人は暴れるのをやめた。
雲禾は自分を無防備な状態にし、鮫人に薬を塗った。
雲禾は鮫人に刺さったままになっている昊青の矢を抜こうとした。
すると矢は変形した。
昊青は矢に呪術を施していたのだ。
雲禾は仙印を使い矢の術を封じると、力を利用するよう言い、鮫人から離れた。
仙印は万一の時、命を守るための物だった。
昊青がやってきて、再び雷刑を行い拷問を加えた。
鮫人は雲禾の言葉を思い出し、雷の力を利用して尾に刺さった矢を抜いた。
矢は飛んで行き昊青の頬をかすめた。
昊青は手当のため帰った。
矢の抜けた鮫人の尾は脚に変わった。
雲禾はおいしいものを食べさせゆっくり寝かせ守ると鮫人に約束した。
雲禾は蓄えた霊石で鮫人に御馳走した。
3日で鮫人の口を開かせようと考えた雲禾は鮫人のところに通い、洛洛のことやかつていた友人について語った。
水を与えれば鮫人は力を得るだろうと考え、鮫人の側には水を置かなかった。
しかし鮫人が手をかざすと水が集まって来た。だが傷のせいで鮫人の霊力は衰えていた。
友情の証しとして雲禾は凝雪丸を鮫人に贈ろうと考えた。
凝雪丸は年月をかけ作った貴重な薬で、寒霜で凍えても雲禾は一度も使わなかった。
洛洛は反対したが、雲禾は目的を果たすためだと答えた。
他の理由があるのではないかと洛洛は怪しんだ。
昊青は鮫人のところに行き、優しくされたからと言って雲禾が善人とは限らないと疑念を吹き込み令牌を見せた。
谷主の林滄瀾は雲禾を呼び出し分をわきまえるよう念を押した。
雲禾は凝雪丸のお礼に名前を教えてほしいと言って、自分の名前を教え凝雪丸を渡した。
鮫人は昊青の言葉を確かめようと、雲禾の令牌を取り上げた。
雲禾は掟に縛られており仕方がないこと、薬や食事を届けたことで夢のための蓄えは目減りし、自分のための凝雪丸や仙印も失ったことを話した。
友達になりたかっただけだと言って雲禾は立ち去った。
外では昊青が待っており、雲禾の演技を褒めた。
昊青は雲禾の本性を酷薄だと表現し、「あの時の言葉は一生忘れない」と言った。
雲禾は「谷主の子だから付き合ってあげてるのよ」と言って昊青を突き落とした幼い日のことを思い出していた。
洛洛のところに帰った雲禾は、心残りと後悔どちらがつらいか尋ねた。
鮫人は雲禾の言葉を思い出しながら凝雪丸を口に含んでみた。
するとすぐに本来の力が戻ってきたのを感じた。
感想
昊青が仙姫に認められ次期谷主となれば自分の居場所がなくなるからと、雲禾は鮫人の教化役に名乗りを上げました。
昊青が鞭作戦で来ると読んだ雲禾は、飴作戦を取り、優しくしています。
順徳仙姫は
①口を開かせ仙姫に臣服させること
②尾を断ち海に帰さないこと
③鮫珠を献上させること
の3点を命じましたから、雲禾の目標もそれですよね。
“家に帰るためにはまず傷の手当てをしなくちゃ”と言って優しくしてくれた人が、実は自分の尾を断ち二度と海に帰さないつもりだと知ったら、長意は泣いちゃうのではないでしょうか?優しくしてくれた人が実は怖い人だという方が、怖い人がやっぱり怖い人だったという展開よりも怖い気がします。
雲禾は何を考えているのでしょうか。
今のところ洛洛に説教されるくらい霊石を使い、大切な凝雪丸を使い、仙印を使いと大切な物をつぎ込んで長意の心を開かせようとしていますが、後で本当にどん底に落とすつもりなんでしょうか?
そのためだけだとすると、大切な物を使い過ぎているような気もしますが、これも自分の居場所を守るため?
とりあえず精神的にどん底に落とすのだけはやめてあげて。
昊青と雲禾は、子供のころは友達だったということが明かされました。
けれど雲禾が昊青にひどい言葉を言って谷底に突き落とし、それ以来昊青はひねくれてしまったみたいです。
1話の時は、昊青は優秀な雲禾を目の敵にするダメなライバル役かと思っていましたが、どうやら違うみたいですね。
ひねくれつつも昊青は雲禾を気にかけており、雲禾も昊青のことを気にかけていてるっぽいです。
なぜ子供のころ、あんなことをしたでしょうか。
雲禾は長意に“掟に縛られていて仕方がないんだ”と言っていました。
それが関係しているんでしょうか。
1話で雲禾は寒霜という病気か何かにおかされているらしいと知りました。
けれど寒霜が何なのかは分かりませんでした。
谷主は「寒霜の解毒薬が得られなければどうなる?」と雲禾に言っていましたから、寒霜とは毒なんでしょうか。
雲禾は毒を飲まされていて、その解毒薬と引き換えに操られているみたいな感じでしょうか?
子供の頃昊青にしたことも、その一環で?
長意は雲禾の言葉を受けて凝雪丸を飲み、力を取り戻しました。
凝雪丸の威力を実感したことで雲禾心を開くでしょうか?
足を嬉しそうに動かしていたのが可愛かったですが、まだどういう人か分からないですね。
今のところ、雲禾と昊青の過去の話の方が気になっています(笑)
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