馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第7話 あらすじ
雲禾は林滄瀾の内殿で解毒薬を見つけ出した。
暁星にも解毒薬を渡すと、雲禾は逃げるよう言った。
雲禾は洛洛に解毒薬を託し谷の外で待つよう指示すると長意を迎えに行った。
近づいたのは青姫を救うためだったのかと三月は離殊に問いかけた。
十方陣の陣眼を探すにはかなりの時間が必要だろうからだ。
昊青は離殊の霊丹を潰すよう言ったが、三月は離殊に霊丹を返し青姫と去るよう言った。
卿舒が青姫に放った攻撃がかわされ三月へ向かった。
離殊は三月をかばい、攻撃を背に受けた。
三月に謝り、青姫に三月を託すと、離殊は光の粒となって消えた。
十方陣の修復が完成しつつある。
思過窟には金色の光が発生し、周囲の物を吸い込んでいた。
長意はそんな中雲禾を待っていた。
雲禾が待つよう言ったからだ。
雲禾は長意と逃げようとしたが、金色の光に吸い込んでしまった。
長意は飛んできたものから雲禾をかばい、怪我を負った。
雲禾は治療しようとしたが、霊力が効かなかった。
長意の傷は深い。
代わりに雲禾は長意の頭を撫でた。
長意のために雲禾は水を探しに行こうとしたが、長意は危険だから同行すると言った。
雲禾は赤い糸伝説について説明しながら 互いの指に金色の糸を結んだ。
糸をたどって帰って来られるように。そうやって長意を待っているよう仕向けた。
雲禾は大きな湖を見つけた。
青姫は逃げた。
この件について仙師府に届けるかどうか、林滄瀾は長老たちと話し合った。
知られれば万花谷全員が懲罰を受けることになる。
林滄瀾は引き続き捜索を命じた。
仙師は現在修行中で順徳仙姫が仙師代行をしている。
鮫人を教化し差し出すことが糸口になると林滄瀾は考えた。
そこに雲禾と鮫人が消えたという報告が届いた。
林滄瀾は咳込みながら2人を探すよう命を出した。口を押さえていた手のひらには血がついていた。
長意は水に入ったことで傷がかなり良くなった。
雲禾と長意がいるのは十方陣の中だった。
青姫が1000年閉じ込められていた場所だが、中には住み心地の良い小屋があり桃源郷のようだった。
離殊と三月のことを尋ねられた雲禾は、長意を悩ませないよう”解決した”と話した。
長意は雲禾に花を贈った。
離殊がくれた種を長意が育てたものだ。
花で結ばれた離殊と三月のことを思い出した雲禾は皮肉を感じ、霊芝をくれたらもっと嬉しいと返した。
周囲の様子を見てくると言って小屋を出た雲禾は悩んでいた。
三月をだましていた離殊の姿が自分に重なるからだ。
長意は海に帰り自分は北に行く。
最後には道は分かれるのだから突き放すべきだと雲禾は考えた。
長意の呼ぶ声がして、雲禾は小屋に帰った。
長意は薬を塗ろうとして瓶を割ったらしい。雲禾は長意に薬を付けてやり一緒に寝た。
明日話そうと誓って。
暁星と雲禾が騒ぎの際内殿にいたと知られ、暁星が捕まった。
昊青は暁星の尋問役に名乗りを上げ任された。
昊青は暁星を解放すると、雲禾は十方陣に落ちたと教えた。昊青は薬を与え、助けに行くよう命じた。
長意にもらった花を見ながら、雲禾は優しくしないでほしいと思った。
長意は雲禾の霊力を戻そうと、湖で魚を取り雲禾に渡した。
長意は雲禾が何か悩んでいるのに気付いたが、話してくれるのを待つことにした。
湖に入り、長意の傷は治った。青姫が霊力で小屋を造ったなら、外の霊力が湖から流れ込んでいるのかもしれない。
そう考えた雲禾は湖の水を掬った。
すると青姫の付霊(青姫の捨てきれない執念が作った分身)が現れた。
御霊師に復讐する、と付霊は言った。
御霊師である雲禾が手を入れたことで現れたようだ。
林滄瀾のところに、昊青が暁星を解放したという報告が届いた。
林滄瀾は昊青を禁足にし雲禾と鮫人を見つけるよう命じた。
「あの者(雲禾)には100年の心血を注いだ。すでに終盤に入った。過失は許されない」と林滄瀾は卿舒に言った。
雲禾の考えでは湖の底が方陣とつながっている。
一度離殊が壊した陣は、修復されても揺さぶれば出られるだろうが、問題は付霊だった。
御霊師を見れば襲ってくる。
雲禾は美男の長意に付霊を誘惑するよう頼んだ。
この世には善意の嘘もあるのだと言って。
しかし長意は「善意の嘘などないと父が言っていた。結局は嘘だ。鮫人にとって嘘は絶対に許されない」と語った。
仕方なく雲禾は男装し付霊に会いに行った。
何かあったのかと雲禾が問いかけると、付霊は愛し合っていた寧若初に裏切られたのだと話した。
離殊が生まれたばかりのころ、離殊の父山猫王は突然錯乱し御霊師に追われた。
離殊の祖父は先帝と共に朱厭と戦ったが一家の名声は地に落ちた。
青姫が離殊を助けると、御霊師は青姫も追った。
青姫は追ってきた寧若初と戦った。
攻撃が逸れ離殊に向かいそうになった時、寧若初は離殊を助けた。
青姫は寧若初に悪意がないと知った。
寧若初の弟子たちは青姫は狂暴だと流言を流したが寧若初は青姫を酒の相手にした。
そして2人は愛し合うようになった。
感想
雲禾は長意の頭を撫でたり赤い糸伝説の話をしたりと、長意を口説いているとしか思えない行動を取っています。
雲禾は長意を逃がす、尾を切ることはしないと決めた訳ですから、もう恋人ごっこみたいなことはしなくて良いはずですよね。
それなのになぜ口説いでいるのでしょうか。
考えられる可能性としては、
①雲禾はナチュラルに口説いてしまうタイプだから
②なでなでについては、人間界で大人が子供にしているのを見て、そういうものなのね、と思ってしまった。大人の女が大人の男にするのはちょっとびっくりする、という認識の部分まで習っていなかった。
③赤い糸の話は、深い傷を負っているのについて行こうとする長意をなだめるためにしたことでした。長意をなだめるため、意図的にあの場面では口説いた。
④長意のことが好きだからつい口説いてしまう。
などがあるでしょうか。
長意が薬の瓶を割った上、適当な薬をつけようとしたことで、雲禾がつけてあげる流れになりました。
そのままなんやかんやで一緒に寝ることになってしまいました。
雲禾は臭いと言って一緒に寝るのを拒もうとしたのですが、怪我人の長意がそれなら自分が外で寝るなどと言い出し拒めませんでした。
長意が臭いと雲禾から言われるのは今回で2回目です。
残念ながら視聴者に伝わらない情報として、匂いの情報があります。
2回も臭いと言われた長意、魚だし実際に生臭いのではないかとちょっと思ってしまいました(笑)
「臭い」発言1回目は4話でした。
三月と離殊に自分たちは恋人だと言って雲禾は長意にキスしました。
そのことで長意は戸惑っていました。
機嫌を直してもらおうと、雲禾は「体が臭う。何日も監禁されているせいね」と言って沐浴の手伝いをしました。
2回目の今回は一緒に寝ないための方便だと言うことは明白です。
それに長意は“鮫人は清潔を保つ”と言っていましたから、多分本当は臭くはないのでしょうけれど。
でも、もしかしたら1回目は本当に臭かった!?どんな感じで臭いんでしょうか。やっぱり生臭いんでしょうか? 離殊は最初から青姫を救うために三月を助けたのか?三月の問いかけに離殊は答えませんでした。いつから離殊が三月を利用していたのか、出会いから仕組まれたものだったのか、やっぱり気になります。
離殊は最期、三月をかばってしんで(?)しまいました。
三月を利用したのは本当だけれど愛したのも本当だった、ということでしょうか。
離殊も雲禾のように悩んでいたんでしょうか。
もしかして離殊と青姫が恋人同士で、青姫を助けるために三月を踏み台にしたのかな、と最悪な想像もしましたが、離殊にとって青姫は命の恩人のようですね。
恋人同士じゃなくてよかったです。
離殊は三月と出会う前から命の恩人である青姫を助けようと思って動いていたでしょう。
利用している三月を好きになってしまったけれど、恩返しのために三月を傷つけるのを分かっていながら陣を解き青姫を解放したのだと、今のところ思っています。
雲禾と三月は万花谷から逃げようとしており、隙を作るために騒ぎを起こす必要がありました。
騒ぎを起こす役目を離殊は引き受けました。
あの時、青姫を逃がすことが三月を逃がすことにもつながると離殊は思っていたのかもしれません。
けれど離殊と三月の関係が知られたことで計画は狂ってしまいました。
この結末を見て、ホウレンソウの大切さを再認識しました。
離殊が陣を解く計画を事前に教えてくれていたら。
雲禾たちはもしかしたら逃げられたのではないでしょうか?
少なくとも十方陣の中に閉じ込められることはなかったのでは!?
三月に対しても、実は恩人が囚われていて、最初は恩人を助けるために利用していたけれど、好きな気持ちは本物だよ、と言っていたら突然裏切られた事実だけを突きつけられるよりもマシな展開になっていたんじゃない?と思いました。
長意を突き放そうとしている雲禾ですが、長意に“嘘は嘘だ、嘘は許されない”などと言われ言いにくさMAXです。
その雲禾は、谷主に100年かけて何かされているっぽいです。
もうすぐ完成する(終盤に入った)って何?
雲禾は気づかないうちに100年がかりで怪しげな術をかけられているんでしょうか。
怖い術じゃなければいいのですが。どんな術なんでしょうか。
青姫に何があったのかわかりました。
青姫は愛した寧若初に裏切られていました。
前回洛洛は青姫が自分から陣に入ったと言っていました。
寧若初に一緒に住もうと言われたからなんでしょうか。
青姫は裏切られたと言っていましたが、裏切った相手も1000年前になくなっているので実際のところは分かりません。
雲禾は前回寧若初は命懸けで十方陣を封じたと言っていました。
それが本当なら寧若初は青姫を裏切った代償に自分の命も捨てたということ!?
そうだとすると、寧若初も青姫を愛していたように思えます。
万花谷において天仙と地仙の恋がご法度として厳しく取り締まられているのは、1000年前の悲劇のせい!?なんて思ってしまいました。
昊青以外、天仙は地仙を、地仙は天仙を好きになっちゃってます。
雲禾、長意、思語、離殊、三月、青姫と寧若初(?)。
卿舒も思語に妙に同情的でしたよね?
卿舒にも地仙を好きになった過去があるのでは!?
こう見てくると、この掟はむしろ恋を燃え上がらせる存在になっているのではないでしょうか!?
禁じられているからついつい手を出してしまうわけです。
試しに掟を廃止してみてはいかがでしょうか?
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