馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う 第22話(最終回) あらすじ
仙師は“かの者”が記した紀行文を雲禾に読ませ、見解を問うた。
雲禾は作者が本文で述べていることと注記とに齟齬があり、注記は誤りである、注記を入れた者は作者の意図を誤解している、と指摘した。
この紀行文は元の本を惜しんだ仙師が 自ら書写したものに 注記を入れたものだった。
愛したのになぜ手放したのかと雲禾が尋ねると、「ゆえに“天下のために弔う”のだ」と仙師は言った。
仙姫が青姫にやられているのを感じ、仙師は消えた。
雲禾は洛洛が上手くやったのだと感じた。
仙師の持って来た書物の中には「広物集」があった。
仙師の愛した人は万花谷と関係があるのだろうかと雲禾は思った。
仙師は仙姫の前に立ちはだかり仙姫を仙姫府に帰した。
青姫は仙師・寧清を知っていた。
仙姫の顔にも見覚えがあった青姫は、「彼女が生きていれば今のあなたに愛想を尽かす…あなたの残忍な行いを許さないわ」と言った。
万物のせいで命を落とした彼女のために、四海八荒に弔いをさせるのだと仙師は話した。
仙師が北淵にいて、長意が鹿台山に迫っているという知らせを受けた昊青は、雲禾を助けるため鹿台山に向かった。
雲禾は結界に穴をあけることに成功した。
すると洛洛が入ってきて、現在の情勢を伝えた。
三月とここへ来たこと、長意がここへ向かっていること。
罠かもしれないから令牌を使って罪仙を逃がしてほしい、と雲禾は洛洛に頼んだ。
自分が逃げたと仙姫に知れれば仙師が戻ってしまうかもしれない。
別れて行動すれば勝算は高くなると説得し、雲禾は従棘所残った。
三月と洛洛は罪仙達に霊丹を返し北淵に向かわせた。
しかし雲禾に教化された姑獲鳥たちは逃げず、雲禾を助けに行こうとした。
洛洛は別れて動けば勝算は高いと彼らを説得し、北淵に向かわせた。
鹿台山に到着した長意は、雲禾と共に人間界を眺めた高台から景色を眺め当時のことを振り返った。
すると雲禾が教化した罪仙が現れ、罪仙達は逃げたが雲禾は従棘所に残っていると話した。
長意は話を聞くと消えた。
罪仙が逃げ、逃がした者の中に蝶がいたという報告を受けた仙姫は雲禾を成敗しに行った。
天君との約束を思い出し、仙姫に引き下がるよう雲禾は言ったが、仙姫は攻撃した。
雲禾は九尾狐の姿で仙姫を圧倒した。
しかし突然雲禾は倒れ、苦しみ出した。
仙姫は鞭で攻撃し、反撃した雲禾により顔に傷を負った。
逆上した仙姫が雲禾に襲い掛かるのを、長意が防いだ。
”雲禾を殺していいのは私だけ、以前救った命を帰してもらう”と言って、長意は仙姫もろとも従棘所に火を放ち雲禾を連れ逃げた。
姫成羽が立ちはだかったが、空明に託されたアイテムを見せると2人を逃がした。
仙師府に向かう昊青は雲禾と長意が逃げるのを見た。
万花谷を危険にさらさないよう、雲禾を追うのをあきらめた昊青は、仙姫を救うことにした。
昊青は火の中から仙姫を救い出した。
長意は雲禾をあの高台に連れて行った。
雲禾は苦しみ出し、林滄瀾に作り替えられた身体は余命わずかだと話した。
卿玄らは仙師のいない今が好機ととらえ、長意不在のまま仙師府に乗り込み仙姫を抱く昊青を追い詰めた。
仙姫を渡すよう言われ、昊青は断った。
卿玄らが力技に出ようとした時、仙師が戻った。
卿玄は自分の命を危険にさらし皆を北淵に戻した。
仙師が弟子たちに卿玄誅殺を命じると、天君が現れ追ってはならぬと命じた。
仙師は力で天君に対抗しようとしたが、天君も引かなかった。
すると天君の元神が育まれた菩提樹が光り、天君のところに仙令が届いた。
この仙令があれば百万の神兵を呼ぶことができる。
仙令を掲げると、仙師は天君に従った。
仙師の書斎の絵は、「あらゆる者に思い知らせてやる。封印を破り体を取り戻す。私こそが天地の主だ」と言っていた。
”今日から雲禾の命は私のものだ”と言うと、長意は雲禾を北淵で監禁した。
感想
前編最終回でした!
怒涛の展開で色々なことが起きました。
1話の冒頭はこういうことだったわけですね、ばっちりつながりました。
1話の冒頭は22話の最後に続く話ですよね。
あんなにピュアでちょろかった長意が、頑固な監禁系ヤンデレに育つとは…。
雲禾ってすごいですね。
さすがとしか言いようがありません。
1話と言えば、1話冒頭で、「かつて心から愛した人に言われた。”風のように何にも縛られず自由であれ”と」という雲禾のモノローグがあります。
これは色々なところで出てきている、13話で長意が雲禾に言ったセリフです。
長意は今回、このセリフを言った高台で雲禾との思い出に浸り、救出した雲禾を連れてきたのもここでした。
2人にとって、あの13話のシーンは忘れがたい思い出になっているんですね。
仙師は雲禾に、愛した人が記した書物を読ませました。
雲禾の感じたことは、本を書いた人のことを注記した人(仙師)は誤解しているということでした。
この雲禾の感じたことは、青姫の言っていることとも通じています。
仙師と青姫は顔見知りだったらしく、そして青姫は仙師の愛した人のことも知っているようでした。
仙姫と同じ顔をした人と面識があるらしい青姫は、「彼女は愛にあふれ非凡な女子だった。あなたの残忍な行いを許さないわ…あなたは私怨を晴らしたいだけよ。世を乱すなど彼女の願いとは真逆だわ」と言っていました。
青姫の語る彼女像は、仙師の書斎の絵とは真逆に思えます。
19話で出てきた絵は、仙師に約束を果たすよう催促していました。
そしてその約束とは大乱を起こすことです。
この絵の言っていることと、青姫の語る彼女とは まるで違います。
あの絵は確かに彼女の絵姿だとして、その中にいて話している人(?)は本当に彼女なのでしょうか?
今回は「私こそが天地の主だ」などと言っていましたが、こんなことを言うような人ではないわけですよね。
あの絵の中にいる人格は、私怨から彼女像が歪んでしまった仙師が仙力で作り出したAI彼女みたいな感じの何か、あるいは彼女のふりをして仙師を操ろうとする邪悪な何か、のどちらかな気がします。
少しでも彼女はあの中にいるんでしょうか?
それとも全くいないんでしょうか?
全ての黒幕だと思っていた仙師を操っているらしい あの絵が本当の黒幕のようですね。
最初は林滄瀾がラスボスだと思い、次に仙師がラスボスだと思いました。
天君も空明や長意達も雲禾も仙師がラスボスだと思って動いていますが、仙師はさらにやばい奴に操られていそうだと、前編を終えて思いました。
仙師が持って来た書物の中には「広物集」があり、それを見て雲禾は彼女が万花谷の人なのかもしれないと思いました。
「広物集」はこれまでにも4話などに出てきており、13話で長意は「広物集」で見たところに行きたいと言っていました。
広物集は万花谷に伝わる書物なんでしょうか?
前回、彼女はそれまで解明されていなかった一酸化炭素中毒の原因を解明し本に記したというシーンが出てきました。
たまたま昨日、世界ふしぎ発見を見ていたら、古代ローマの博物学者・政治家・軍人であるプレニウスが取り上げられていました。
そして当時の博物学者とはどんなことをするのかと尋ねられた荒俣宏先生は、不思議なことが起こったら怖くて普通は近づかないのだけれど、それに近づいて原因を探る人だと答えていました。(うろ覚え)
仙師は、彼女は世の万物を愛したと言っていましたし、書物も書いているということで、彼女は(博物)学者タイプの方だったのかなぁと感じました。
もしかして「広物集」を書いたのも彼女だったりするんでしょうか?
仙師も万花谷出身で名前は寧清。
1000年前には生きていて青姫とも面識があるということなので、寧若初と血縁関係があったりしますか?
青姫は、「何だお前か」的な態度だったので昔は別段強くなかったけれど彼女が亡くなり仙師はスーパーパワーを手に入れた感じでしょうか。
…悪魔と契約してたりして?
そしてその悪魔があの絵の中にいて彼女のふりしてる!?
仙師も被害者か、ミイラ取りがミイラになったタイプか…。
後編が楽しみすぎますね。
天君がついにお父さんに認められて(?)仙令をゲットすることができました。
姫成羽を黙らせるアイテムといい、仙令といい、アイテムと仲間を集めて敵に立ち向かう感じが、本当にRPGみたいです。
双脈+長意の鮫珠のおかげで寒霜を撃退した雲禾でしたが、今度は双脈に苦しめられて再び余命いくばくもない身に…。
なんでよ!?
仙師は東海鮫人の鮫珠は修復と再生の力があるって言ってたじゃないですか。(16話)
鮫珠、仕事して!
長意、鮫珠に仕事させて?
雲禾の身体のことはもちろん気がかりなのですが、監禁犯になってしまった長意のことも心配です。
今までは卿玄の命の恩人として、統帥として、鮫人の王子として、みんなの尊敬を集めてきたわけじゃないですか?
それなのに女子を監禁してるって…。
それまでの好感度が高いだけにドン引きされて誰も命令聞いてくれなくなるのでは!?
視聴者は歓喜してますが、一般的にはドン引き&通報案件では!?
長意が雲禾に裏切られたという話は有名ですから理解してくれるんでしょうか。
卿瑶がこれにドン引きして長意を諦めてくれるといいのですが、そうはいかないでしょうね。
色々心配すぎるので、後編見てきます!
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