馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第11話 あらすじ
人間界で御霊師を捕らえさせるなど止めさせるべきだ、と姫成羽は仙師に意見した。
しかし仙師からは 好きにさせるように との答えが返って来た。
諦めて姫成羽は朱凌を説得しようと試みた。
仙姫にへつらい天理に背くことに自責の念はないのか、と姫成羽は問いかけた。
朱凌からは、寒霜を使い万花谷を支配することも天理に背くはずだ、私は四海八荒に名を刻みたいのだという答えが返って来た。
姫成羽の心には“愚かさに気づき己の道を歩め”という空明の言葉が響いていた。
空明と過ごした日々に想いを馳せた姫成羽は、仙姫を放任する仙師を阻止してほしいという文を書き、空明に送った。
天君一行は広物集に記された無名山の場所に到着したが、そこに目当ての山はなかった。
天君たちは天庭に戻り記録を調べることにし、三月たちは人間界で調べることになった。
三月と離殊は宿に到着した。
飛廉神君の計らいで、今夜は宿も布団も1つしか空いていなかった。
三月と離殊は同じ部屋に泊まった。
姫成羽から知らせをうけた空明は 仙姫から守るため、人間界の御霊師を北淵で保護することにした。
長意は雲禾の死後不眠不休で働いていた。
空明は雲禾のことを謝罪すると、自分を責めてもどうにもならないから休むべきだと声をかけた。
空明は洛洛に会いに行った。
洛洛は人間界の酒をつくり北淵で売り、雲禾と約束した常春の島を買うのだと話した。
空明は遠くに行くことを伝え、困ったら羅索を頼るよう言い去った。
洛洛は何度も空明の後姿を見たが空明は振り返らなかった。
空明が振り返ると、洛洛は背を向けていた。
阿紀は結界の中で昊青に育てられ天真爛漫に育っていた。
阿紀はよく食べよく眠り、眠るたび大きくなった。
洛洛は雲禾の分も汁粉をつくると、”北淵を出て行く”と 雲禾に語り掛けた。
空明が出て行き、自分もここを出て愛とは何か知りたくなったと洛洛は語った。
長意は雲禾のいた北淵で余生を過ごそうと考えていた。
阿紀は雲禾だった頃の夢を見て、悪夢だと思った。
駆け付けた昊青に阿紀は、過去のことや外の世界など もっと知りたいと話した。
護身の法を身につけたら外に連れて行く と昊青は約束した。
阿紀は術を身につけながらぐんぐん成長し、大人の姿になった。
昊青は阿紀に九尾狐の幻形術を教えた。
幻形術で少年の姿を保てるようになったら、外に連れて行ってほしいと阿紀は頼んだ。
すると昊青は3つの条件を出した。
鹿台山に行かないこと、元の顔をさらさないこと、北淵に入らないこと。
北淵には仙友が集まり、活気にあふれた人間界のようになっていた。
奇鋒は御霊師が闊歩する北淵の様子が気に入らない様子だった。
盧瑾炎率いる御霊師達が、符超らの駐屯地を奪おうとして諍いになった。
卿瑶は仲裁に入り、より寒いところを好む符超らに狐族の駐屯地の3分の1を譲ることにした。
長意は北淵に有能な者を集めようとしていた。
その姿は狐族からすれば御霊師ばかり厚遇しているように見え、長意への不満となっていた。
長意は気にしなかったが、くつろぐこともしない長意の姿は、まるで雲禾に閉じ込められているように卿瑶には感じられた。
阿紀は雪景色の中、長意に抱えられ自分が消えてゆく夢を見た。
目覚めた阿紀は夢を怖く思ったが、長意のことは かなりの美男だと感じた。
阿紀が修行に行くと、昊青が人間界の花火を見せてくれた。
花火をみた阿紀は、初めて見るはずなのに見覚えがあるように感じていた。
今までの法術は、阿紀は難なく習得した。
しかし幻形術だけは長く保てないのだと阿紀は昊青に話した。
すると昊青は、習得するまで何も食べさせないと言った。
その日は阿紀の誕辰だった。
誕辰なのに何も食べられないことをガッカリしていると、昊青が長寿麺を食べさせてくれた。
長寿麺を食べながら阿紀は、長く大きな尾のある美男が出てくる悪夢に心を乱され、修行に集中できないことを告白した。
感想
正義の心を持つ姫成羽は、仙師や朱凌を説得しようと頑張りましたが、うまくいきませんでした。
自分の道を行くという策も浮かびましたが、仙師への恩は忘れがたく、仙師府を去ることはできませんでした。
そこで空明に仙師府の内情を伝える手紙を書きました。
前編22話で、長意が姫成羽に渡したものの正体が明らかになりました。
人間界に行った時、空明が欲しそうにしていたのを覚えていた姫成羽が、空明の誕辰に贈ったものでした。
2人とも親がいなくて子供の頃もらうような贈り物をもらったことが無いから目についた、ということのようです。
切ないエピソードですが、姫成羽は相手のほしいものをばっちりリサーチして贈り物を選んでおり、すばらしいと思いました。
空明は仙師と 仙師に加担していた自分 に絶望し、天君に金蓮をもらうまでは廃人っぽい感じでしたよね?
そんな感じだったのに、姫成羽からもらった人形は新品同様の保存状態で大切にしていたということで、2人の絆の強さがうかがわれました。
無名山を探しに行った天君一行ですが、あるはずの場所に無名山はありませんでした。
天君たちは天庭の瓶水斎にある古書を調べに帰ることになり、三月と離殊は人間界での調査を任されました。
仙姫は人間界で御霊師狩りをしようとしています。
三月たちは人間界の調査を任されました。
天君は“瓶水斎にいる時は外のことが分からないから何があっても駆け付けられない”と言って去りました。
この時、三月と離殊の身に仙姫の魔の手が襲い掛かるのではないかと、けれど天君たちは助けに来られないのではないかと、とても心配しました。
ハラハラしながらドラマを見ていました。
そうしたら、離殊と三月は飛廉神君の贈り物である、1つしか布団のない部屋に2人で泊まるというイベントを楽しんでました…。
私の心配を返してくれ!(笑)
飛廉神君はどうやって街の宿を満室にしたんでしょうか?
宿泊券プレゼント企画でもやったんでしょうか?
そうだとしたら、飛廉神君はかなり良い人ですね。
たくさんの人を幸せにしています。さすが神様ですね。
三月は黒猫の離殊を抱っこして一緒に寝ていたこともありましたし、離殊は長意をもっと惚れさせるにはどうしたらいか教えてほしと頼まれた時、共寝をするという策を伝授しました。(5話)
だから2人が照れ((ノェ`*)っ))タシタシな感じであることにやや驚きました。
以前も当たり前のように一緒に寝てたじゃん!と。
雲禾と長意も一緒に寝ろと言われて、隣で一緒に健全に寝てましたが、離殊と三月もそうだったんですね。
空明は人間界にいる御霊師に、危険が迫っていること、北淵で保護する用意があることを説きに行きました。
洛洛とは別れの挨拶を。
洛洛は酒に溺れる日々を脱し島を買おうと前向きに生き始めたようです。
洛洛は空明は、雲禾が亡くなった時、“二度と会いたくない、側に来たらころす”と洛洛が空明に言いました。(9話)
4話で「顔も見たくない」と洛洛に言われた時、空明は気にしていました。
でも今回は洛洛の落ち込み様がひどすぎたためか、洛洛に立ち直るよう声をかけました。(10話)
きっとそのおかげもあって、洛洛は雲禾との夢を叶えようと酒から溺れる生活から抜け出せたのだと思います。
しかしそんな矢先に空明は役目を背負い遠くに行ってしまいました。
それから洛洛が北淵を出て行くと決意するまでどれくらい時が流れたのか分かりませんが、出て行く決意をした洛洛は愛に気づいているようでしたよね!?
”愛?なにそれ?”状態だった洛洛がついに。
再び洛洛と空明がラブコメ展開を繰り広げてくれることを、今度は洛洛の側にも愛の感情があるラブコメを繰り広げてくれることを、楽しみにしたいと思います。
阿紀は優しい昊青パパと思語ママに育てられ、天真爛漫に育っていました。
育つのに数百年かかるのかな、と思ってましたがどうやら猛スピードで育っているようです。
3人のシーンがものすごく微笑ましくて、前編の林滄瀾に育てられていた雲禾の悲劇が嘘のようです。
昊青も雲禾も笑顔を振りまいていて、さらに思語が微笑むシーンも!
思語は最初はイジワルキャラでしたし、復活してからも昊青の冷静な秘書って感じでした。
だから笑顔を見たことがありませんでした。
可愛いと思ったこともありませんでした。
でも今回思語は、阿紀にお礼を言われて、修行に行く阿紀を見送りながら ほほ笑んでいました。
あのシーンを見て何て可愛いんだ!と、胸を鷲掴みにされた気分です。
笑顔の大切さを思い知りました。
阿紀の胸には長意の涙がペンダントになりかかっており、それを見る昊青はちょっと切なそうです。
記憶のなかった阿紀は長意の夢を見るようになり、雲禾だった頃の記憶を悪夢と思いつつも、長意は美男だと思っているようです(笑)
雲禾も長意を美男だと言っていたので、記憶をなくしても美意識は同じなんですね。
昊青パパと思語ママの所から阿紀が旅立つ時も近いのかな、と思うとちょっと寂しいです。
北淵の方では、各地から仙友が集まっていて、そのこと自体はいいことですが、しかしそのことで住む場所の問題や、先住の人達は自分たちが蔑ろにされているような印象を持つなど、問題もありそうです。
奇鋒は不満たらたらみたいなので、そのうち問題を起こすでしょうね。
阿紀から長意の夢を見るという話を聞いた昊青がどんな反応をするのか、気になりすぎるので次話見てきます!
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