馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第15話 あらすじ
長意は、今後は強制しないので好きに過ごすよう阿紀に言った。
阿紀は外の世界が見たいので 迎えに来る師匠と帰ると話した。
ついに解毒薬が完成し、昊青は自ら試した。
首の霜花は一瞬消えたがすぐに戻り、昊青は寒霜の発作を起こした。
そこに暁星から、北淵に現れた阿紀という狐が雲禾に似ていて長意と一緒にいるという報告が届いた。
昊青は「これが天意なのだ」と呟いた。
朱凌に捕らえられた奇鋒は、朱凌らが雷火地脈を探しているのを知り、地脈の場所まで案内することで命乞いした。
阿紀が去りたがっていると知り、行かせたくないが閉じ込めたくもない長意は閉じこもり酒を飲んだ。
空明は仙師の秘密を突き止め戦が近いという三月からの報せを長意に届けた。
長意の様子を見た空明は、“戦が迫っている、雲禾をどうしたいかだけ考えろ”と問いかけた。
長意の目を見るとなぜか胸が痛むと悩む阿紀のところに 昊青と思語が迎えに来た。
すぐに帰ろうと昊青が言うと、阿紀は「もう少しここにいたい」と言う。
夢で見た鮫人に会い、胸がドキドキしたことを話し長意は敵なのかと阿紀は尋ねた。
昊青は過去を振り返るなと話すと阿紀を連れ出した。
朱凌は雷火地脈を復活させると奇鋒を殺した。
阿紀が連れ去られたと報告を受けた長意は、後を追った。
長意が追っていたのは囮役の思語と暁星だった。
雷火地脈の復活を知った長意は、空明に避難指示役を任せると自分は地脈を制するため炎洞に向かうことにした。
思語たちには阿紀を連れて遠くに逃げ北淵に二度と戻るなと指示を出した。
昊青と逃げていた阿紀は、北淵を出ると思うと胸が痛くなり正直に昊青に話した。
そんな中 地震が起こり 戸惑っていると、思語が現れ雷火地脈が復活したこと、長意が制しにいったことを話した。
話を聞いた昊青は、長意が死を覚悟していると話した。
阿紀は行こうとし、昊青は長意との間に辛い過去があると言って阿紀を引き留めた。
阿紀は、北淵と長意を助けることが したいことだと話した。
朱凌が手下と共に現れた。
阿紀を見た朱凌は、仙姫を騙していたと言って昊青たちを囲んだ。
昊青は阿紀を行かせ、朱凌と対峙した。
卿瑶は炎洞に入ろうとしたが微妍に引き留められ躊躇していた。
その横を阿紀が何の迷いもなく駆け抜け、炎洞に入っていった。
長意は阿紀を去らせようとしたが、阿紀は長意と共に地脈を制した。
すると雲禾としての記憶が戻った。
「大尾魚、私よ」と言うと、雲禾は九尾狐の力を使い長意と力を合わせて地脈を制圧し北淵の危機を救った。
”長意が心から離れない”と言うと、力を使い過ぎた雲禾は意識を失った。
朱凌を殺した昊青は、阿紀の無事を確かめに戻った。
雲禾は長意に抱えられ運ばれていた。
どうあがいても阻めないことがあるのだと昊青は思った。
北淵での作戦失敗と朱凌の失踪の報告を受けた仙姫は怒り、薬を持って来た仙師から霊力を奪おうとした。
仙師は軽く仙姫を制すると、あくまで顔を治そうとした。
仙姫は顔に対する執着を強く感じ、仙師の望みを絶つため自らの顔を傷つけようとしたが 止められ薬を飲まされた。
姫成羽は仙姫に「もうやめよ」と声をかけた。
お互いに誤った道を進み罪は償いきれないが、これ以上の愚行は止めるべきだ と。
しかし仙姫は、自分に罪などないと開き直り、仙師だけでなくすべての者を従わせるのだと叫んだ。
雲禾は心脈を熱毒で痛めており、なかなか昏睡から覚めなかった。
長意自ら御水術で雲禾を治療することに決め、その間 北淵は空明と卿瑶に任されることになった。
ためらいなく炎洞にはいって行った雲禾を見て、想い合う強さを感じた卿瑶は2人を祝福することに決めた。
昊青は長意に会った。
阿紀が雲禾としての記憶を取り戻したことを伝えると、長意は三月からの報告を昊青に教えた。
朱厭が生きている限り寒霜は解けないと知った昊青は、苦しみ出し…?
感想
ついに解毒剤を完成させた昊青でしたが、寒霜は一度は消えたもののすぐに戻り発作が起きました。
発作に苦しむ昊青の所に、阿紀が北淵で長意の側にいるという報告が届きました。
辛い体を押して昊青は阿紀を迎えに行ったのに、阿紀は行ってしまい…。
今回は昊青が精神的に踏んだり蹴ったりされる回でしたね。
昊青は そんなに悪いことをしていないと思うのですが、なぜこんなひどい目に遭うのでしょうか。
本当に不憫すぎます。
長意には師匠が迎えに来たら帰ると言った阿紀ですが、いざ昊青が迎えに来ると北淵にもう少し いたいと言い、北淵から出るとなると心が痛く、去り難くなりました。
地面が揺れ、北淵が炎に包まれると知った阿紀。
昊青は長意の行動を知り、死ぬ覚悟なのだと話しました。
そんなことを聞いて、阿紀が大人しくしていられるはずはありません。
北淵で知り合った人たちを守るため、そして長意を守るために行く決断をしました。
阿紀が独り立ちの決意を語り終えたところに、朱凌が現れてしまいました。
朱凌に雲禾が生きていることを知られてしまった両親(昊青と思語)は、この事実を隠すために阿紀を行かせ、朱凌の命を奪うことに決めました。
「阿紀の正体を知ったからには殺す」と言って身構えた思語と昊青。
あの場面、カッコよかったです。
とても頼もしかった。
そしてついに、阿紀は雲禾だった頃の記憶を取り戻しました。
「大尾魚、私よ」という雲禾のセリフもまた、カッコよかったです。
長意は、阿紀を行かせたくないと思っていましたが、戦が迫っていると空明から知らされると阿紀を北淵から遠い安全なところに行かせることにしました。
けれど阿紀は戻ってしまいました。
雲禾は記憶を取り戻したので、最終決戦まで参加が決定でしょうね。
御霊師としての雲禾は命の期限が迫ていたこともあり素直になれませんでしたが、今度こそ2人で力を合わせて難局に立ち向かってほしいです。
できれば今度は雲禾の体があまりボロボロにならない感じで、どうかよろしくお願いします。
雷火地脈の場所を教えた奇鋒は、朱厭にころされてしまいました。
地脈の場所を教えた理由は「鮫人を殺し俺が正しいと卿瑶に理解させる」ためということで、今回も卿瑶を理由に挙げていました。
やっぱり好きなんでしょうか?
でも北淵を地獄にすれば卿瑶にだって危険が迫ります。
卿瑶は狐族の王女として責任感が強く、真っ先に逃げるようなタイプではありません。
卿瑶にはかなりの危険が迫るはずです。
本当に好きなら こんなことをするでしょうか。
卿瑶に霊力を奪われて追放されたことで愛と憎しみが混ぜこぜなのか、既におかしくなっているのか。
分からないまま奇鋒は地脈のマグマに落とされてしまいました。
奇鋒みたいなのを北淵から追放したら、他地域に迷惑がかかるのではないかと危惧していましたが、その心配はなくなりました。
途中嫌な女になりかけたこともあった卿瑶ですが、ついに長意と雲禾の仲を祝福する立場に回ってくれました。
踏ん切りがつかず、長意がいる炎洞に入れなかった自分に比べ、何の躊躇もなく入っていった雲禾に負けを認めたようです。
それまであった、“私の方が長意を好きなのに”という気持ちが打ち砕かれ、そして意識のない雲禾を抱える長意を見て諦めたということなのか。
とにかく認めてくれました。
そんな卿瑶を空明と長意は勇気のある行動だと言って褒め、北淵の治世者たちは良い関係を保てそうです。
それに対して仙師府は、いよいよ顔にしか興味がないというのを隠さない(今までも隠してませんでしたが)仙師に仙姫がブチ切れました。
顔にしか興味がないので、仙姫が自分を害そうと仙師は罰も与えません。
仙師はさらに仙姫の怒りを煽りました。
姫成羽に”これ以上罪を重ねるな”と言われた仙姫ですが、最も尊い仙姫の与えるものは全て恵みだというスタンスのため改心するのはまだまだ先になりそうです。
「なんでもご褒美です」というセリフは、される側が言うものであって、する側が言うものではないな、と仙姫に出会って初めて知りました。
ありがとうございました。
一生懸命作り上げた解毒剤は成果を挙げず、手塩にかけて育てた娘(阿紀)は長意に奪われてしまった昊青でしたが、解毒剤がダメだった理由は朱厭が生きていることにあると長意に教えてもらえました。
踏んだり蹴ったりされましたが、それでも光明が見えたと思えたのに、昊青は苦しみ始めた様子!?
昊青をバスマット代わりにするのは、もうやめてください( ;∀;)
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