馭鮫記(ぎょこうき)後編:月に愛を誓う 第16話 あらすじ
苦しみ出した昊青だが、力を奮い立たせ持ち直した。
長意は天君と共に朱厭を滅ぼすつもりであること、これは雲禾の願いでもあり雲禾が目覚めたら動くことを昊青に話した。
長意は昊青を雲禾の眠る部屋に連れて行き2人だけにした。
昊青は懐から阿紀の好きな桂花糕を取り出したが、桂花糕はつぶれ割れていた。
阿紀は戻らないのだろう、邪魔はしないから自分の道を行け、師兄として守る、と昊青は眠る雲禾に声をかけた。
「奪われたくなければ面倒を見ろ」と昊青は長意に声をかけ、「代償は惜しまぬ」という答えを聞くと頷いて立ち去った。
思語は昊青に休むよう言ったが、昊青は朱厭を滅ぼすために鹿台山へ向かうことにした。
朱厭は肉体を持たず仙師に依存しているため2人を引き離せば勝機がある、と昊青は思語に話した。
話を聞いていた青姫が現れ、寧清に復讐するため手を組みたいと持ち掛けた。
雲禾は、瀕死の状態ではないのに寧悉語に会った。
1度死んだ雲禾は超越した存在になり会えるのだそうだ。
雲禾と長意は今度こそ丸く収まるだろうと寧悉語は言った。
長意の治療を受け、雲禾は目を覚ました。
北淵の全貌を見たいという雲禾を、長意は高台に連れて行った。
山の向こうに関心を示す雲禾に、長意は好きなところへ行くよう言った。
ずっと自由に憧れていたけれど、自由とは各地を巡ることではなく心のまま選べることだと話すと、長意の側が自分の居場所だと雲禾は話した。
2人は固く抱き合い、雲禾は崖の上での真実を長意に伝えた。
裏切っていない、と。
説明しない方がいいと思い込み、長意を苦しめたことを雲禾は謝った。
雲禾も北淵も無事だったのだから十分だ と長意は言い、全てが片付いたら尊主の座を退き、雲禾だけの大尾魚になると話した。
姫寧は、不本意なことをさせられている姫成羽を救ってほしいと空明に頼んだ。
空明は、今の姫成羽を救えるのは本人のみだと話した。
青姫は楽游山に仙師を呼び出した。
青姫を生かしていたのは最愛の者を失い生きる苦しみを味わわせるためだという仙師に我慢できなくなった青姫は、攻撃を開始。
戦いの火ぶたが切られた。
青姫から知らせを受けた昊青は、仙師の書斎に忍び込み薊柏草でつくった炎を使い絵を燃やした。
姫成羽に見つかったが、仙師が朱厭を匿っていたことを伝えると姫成羽は昊青に逃げるよう言った。
帰って来た仙師は、青姫と昊青を助けたか と姫成羽を問い詰めた。
姫成羽は認め、どんな罰で設けると話した。
仙師は姫成羽の霊力を奪った。
青姫は従棘所に囚われた。
夢の中に会いに来た寧若初に、青姫は弱音を言った。
すると寧若初は“誇り高い青羽鸞鳥があきらめるな”と言った。
絵の中にあったのは朱厭の残影で、朱厭は滅んでいなかったのだ。
朱厭が青姫に会いに来て、取引を持ち掛けた。
敵を討ってやるから体を差し出せ、と。
仙師は天仙であるため朱厭が肉体を奪うことはできない。
血の契りを交わすのみだ。
しかし地仙である青姫の体なら、朱厭は奪うことができる。
青姫は取引を受け入れ霊丹を差し出した。
朱厭は青姫の霊丹と一体化し、完全に青姫の体を占拠しようとした。
すると青姫は、”恨みがあろうと魔物には加担しない”と言って自分の霊丹を破壊した。
そんなことをしたら、寧若初に黄泉路で見つけてもらえなくなるから、と。
雲禾は寧悉語の導きで青姫の様子を見ていた。
倒れた青姫に、雲禾は会いに行った。
「朱厭の残魂は寧清の指輪の中に潜んでいる…始末するなら今のうちよ」と青姫は雲禾に伝えた。
後のことを雲禾たちに託し、青姫は亡くなった。
青姫は迎えに来た寧若初と共に消えた。
仙師は、「結果的にうまく駒を進められた。…もうすぐ決着がつくだろう」と朱厭に話した。
雲禾は仙師に会いに行き、寧悉語の名を出し…?
感想
前回の終わり、昊青が苦しみ出して心配していました。
仙姫による鞭打ち
↓
解毒薬の失敗による寒霜の発作
↓
(阿紀が長意と一緒にいるという知らせを聞いたこと)
↓
朱凌と戦って霊力の消耗
と色々あり、体が参っているということのようです。
もしかして、また寒霜の発作!?と心配していましたが、昊青は長意に対しては“大丈夫”的な態度でした。
無理を続けている状態だから療養が必要なのですが、思語が休むよう言っても昊青は休みません。
「私はどうせ死ぬ。朱厭との戦いに命を懸けるべきだ」という昊青のセリフが…(´;ω;`)
雲禾に会わせてもらった昊青は、懐から阿紀の好きな桂花糕を取り出しました。
気を付けていましたが、桂花糕は潰れて割れていてました。
あの桂花糕が阿紀と過ごした昊青と思語の幸せな時間を表しているようでした。
潰れた桂花糕を見るまでは昊青は自分を“師匠”と言っていましたが、その後は「阿紀は二度と戻らないのだろう?」と言い“邪魔はしないから行け”と“師兄”としての昊青になりました。
長意から朱厭の話を聞いた昊青は、朱厭の居場所と仙師との依存関係に思い至り思語に話しました。
話を聞いていた青姫は自分が寧清を引き受ける!と言い、両者は協力関係を築くことになりました。
長意と天君は朱厭を倒すため協力しようというスタンスなのに、2人だけで動くの?とやや心配になりました。
恐らく私は今までの人生で“みんなで協力すれば運命は変えられる”的な物語を見過ぎているおり、そのため不安になったのだと思います。
不安になりながら見守っていましたが、割といい感じで朱厭を追い詰めて行っているような!?
絵を焼けば朱厭は死ぬと思っていましたが、絵の中には残影しかなく、昊青の攻撃はやや弱いようにも思えましたが、力を削ぐことにはなりました。
力を削がれ焦った朱厭は青姫を取り込もうと考え、取引を持ち掛け、青姫は取引に乗ると見せかけて自分の霊丹もろとも朱厭をかなり弱らせることに成功しました。
しかしそのせいで、青姫はお星さまになってしまったわけですが(´;ω;`)
青姫は、口では悪態をついたりするけれど、何やかんやで協力してくれたり若者たちが道を踏み外さないように助言してくれたりと、結局は良い人なんですよね。
好きキャラでした。
最期もカッコよかったです。
このカッコいい青姫に1000年以上愛され、青姫の行動原理になり、「お前のような魔物には加担しない。でないと黄泉への道で若初に見つけてもらえない」と言わしめる寧若初とはどんな人だったのか。
中身も途方もないイケメンだったんでしょうね。
青姫と仙師は戦いに先立ち、対峙しながらお互いに胸の内を吐露しました。
寧悉語の話などから仙師がこうなってしまった理由や寒霜を万花谷で使っている理由などは分かっていましたが、新情報が新たに仙師の口から出ました。
寧若初は死に際に“罪を償うから青姫は見逃してくれ。青姫は自由で平穏に生きてほしい“と言ったことと、青姫を生かしておいたのは死ぬより辛い苦しみを与えるためだったことです。
死ぬより辛い苦しみを与えるために殺さなかったという話は強烈でしたが、寧若初の最期の言葉を教えてくれたのは”仙師優しい“と思いました。
青姫は知りたかったでしょうから。
仙師としては、自分が勝つという確信があるから冥土の土産に教えたのでしょうか。
いずれにしても良い話をしてくれたな、と思いました。
雲禾と長意はついに丸く収まりました。
前編でも2人は相思相愛の時期がありましたが、あのころに比べると2人とも成長しました。
特に長意の成長がはなはだしいような。
前編の頃はきゃわわ系だったのがヤンデレ化し監禁までしてたのもいい思い出です。
今は大人になりました。
雲禾は自由を得たうえで、長意の側が自分の居場所だと選びました。
よかったよかった。
朱厭が重症を負った今がチャンスだと話した雲禾は、仙師に会いに行き寧悉語の名を出しました。
雲禾が狙っているのは心を攻撃することのようですが、一体どのように寧悉語の名を活用するのか。
一番手っ取り早いのは寧悉語に仙師を会わせて「めっ」と言ってもらうことだと思うのです。
それはできないのでしょうか?
それができれば仙師は ごめんなさい。゚゚(*´□`*。)°゚。状態になって、すぐに悪事を止めると思うのですが。
なんで死んじゃったんだ、寧悉語!
朱厭は仙師の指輪から出られないほどの重症を負っているということですが、ここで朱厭が死んでしまったら、せっかく天君が四方神君にもらった琉璃心灯を使う機会がなくなってしまいますよね。
勇者パーティーが手に入れた重要アイテムを使わずに悪が退散されるということはないのではないか、というメタ推理を基に、なんやかんやで朱厭は力を取り戻し、みんなで力を合わせての最終決戦があると予想したいと思います。
仙師のセリフは、”今の状況になることも読んでいましたよ、計画通りですよ”と言っているように見えて怖いです。
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