玉骨遥(ぎょっこつよう) 第31話 不器用な恋の行方 あらすじ
時影は怪我をした時雨を見舞った。
時雨は時影に、早く戻りたくて自分で傷を負ったことを告白し、撤兵の指揮をしてほしいと頼んだ。
青雲は薬の器に蟲毒を仕込み時影を暗殺しようとしたが失敗した。
朱顔は、なぜ時影が神官を辞するのか分からなくて侍女の玉緋に意見を求めた。
玉緋は、空桑を守るため世子として嘉蘭に戻り、帝王になるため白族の娘を娶るのだろうと話した。
雪鶯に呼び出され、朱顔は会いに行った。
そこには時雨もいた。
2人は、世子の位を時影に譲り駆け落ちすると話した。
白王府には現在、大司命、時影、青罡が滞在中で白王は雪鶯にまで気が回らない。
今がチャンスだという。
朱顔は他に策があるはずだと反対したが、自分がいれば青雲は時影を害するし雪鶯を幸せにしたいと時雨に言われ納得した。
時影は撤兵の督軍となり、白風麟と青罡に撤兵を指示した。
反抗的な態度をとる白風麟を、時影は実力で従わせた。
いつの間にか白王府の前にいた朱顔は、白王府に時影が滞在中だと思い出し訪ねた。
途中で大司命が朱顔の行く手を阻んだ。
忙しい時影の邪魔をするなというのだ。
しかし大司命は、雪鷺を時影の部屋に通した。
朱顔がそのことに抗議すると、大司命は帝君となる時影は白族の郡主を娶らなければならない、時影には雪鷺が必要なのだと話した。
時影も同意の上なのか、と朱顔が尋ねると大司命は朱顔に時影と雪鷺の様子を見せた。
似合いの2人に見え、朱顔は立ち去った。
時影は雪鷺が来る必要はないと冷たい態度で、朱顔の気配に気づくと菓子にも手を付けず部屋から出て行った。
青罡は気を回して菓子を手に取ったが、雪鷺は菓子をしまった。
そして、今後このような場面は多くなるから気を使う必要はないと言った。
青罡は、”時影は雪鷺を見ていない、自分を貶める雪鷺を見るのは辛い”と話した。
自分は自分の選んだ道を行く、という雪鷺の考えは変わらなかった。
時影は朱顔に追いつき、声をかけた。
朱顔は大司命の言葉を思い出し、雪鶯を訪ねたのだと嘘をついた。
時影は明日街に行こうと誘い、朱顔は承諾すると足早に帰っていった。
2人の様子を大司命と雪鷺が見ていた。
時影は重明に、朱顔に元気がなかったと相談した。
重明は、先日街へ行った時の印象が悪かったのにまた誘われたからではないか、と言うと、2人の問題は師弟関係にあることだと持論を展開した。
時影は”師と思うな”と言ったというが、それすら師匠の口ぶりである、と重明は指摘した。
愛し合う男女のように振る舞い、愛情あふれる講談を見せ、玉佩を贈る、というデートを重明は提案した。
すでに玉骨を贈ったのに玉佩を贈ることに時影は疑問を抱いた。
玉骨は皇后に贈るものだ。
朱顔はそのことを知らないし、あの時は送別の品に見えたから玉佩を贈るのだ、と重明は言い時影は納得した。
時影は嘉蘭に戻り帝君となり雪鷺の夫となる、自分の師匠ではないと考え朱顔は泣いていた。
すると蘇摩がやってきて、慰めようと飴をくれた。
翌日、約束通り朱顔は時影と街に出かけた。
時影は影絵芝居屋の店主に、2人のために”星尊 白薇 契りの段”の演目を上映してくれるよう頼んだ。
暗に気付かせるためにこの演目を選んだのだろうか、と朱顔は思った。
星尊帝が白薇皇后に誓いを立てたから、代々帝君の皇后は白族で”千年変わらずただ1人を愛す”のだと時影は話した。
その話を聞き、朱顔は悲しくなった。
芝居の後、2人は空桑で最上の装飾品を扱う玲瓏閣に行った。
女心が分からず何を選んでいいか分からないという時影のセリフを聞いた朱顔は、雪鷺への贈り物を選んで欲しいという意味だと解釈した。
朱顔は白い玉佩を選ぶと、用事を思い出したと言ってすぐに帰った。
時影は後を追おうとしたが、見失ってしまった。
2人が出て行った後、雪鷺は玲瓏閣に入った。
帰った時影は、玉佩を買ったら なぜか朱顔が帰ってしまったと重明に話した。
重明は、時影の本心に気づいた朱顔が照れて帰ってしまったのだろうと助言した。
朱顔が雪鷺を訪ねると、雪鷺は昨日朱顔の選んだ玉佩を付けていた。
朱顔は時影に良くしてほしいと雪鷺に頼んだ。
雪鷺の部屋から出た朱顔は時影に会い…?
感想
なんぞこれは!?
こじれてます。こじれにこじれてます。
どうしてこうなった!?
9話で混沌の中、痴霊の家で過ごした時、時影は夫婦のフリを上手くやってました。
朱顔の手を取りお菓子を食べさせてくれて。
だから思春期は男子校(九嶷山)で過ごしたけど、それまでは後宮にいたこともあって男女関係に精通しているのかな、と思っていたのです。
でも違いました!
だいぶ違いました!
雪鷺も”まさかこんなに上手く行くとは!?”と驚いてるんじゃないですか?
順にみて行きましょう。
まず最初、ここがどこなのか分かりませんでした。
葉城の中にある城に怪我をした時雨はいて、そこに青雲が来てる感じでしょうか?
白風麟は「葉城はこの私の縄張りだ」と言っており、白嫣の旧宅も葉城にありました(29話)から、葉城は白王の管轄で、白王府もあり、そこに青罡、大司命、時影は身を寄せている感じかな、と採取的に結論付けました。
時雨は帰るために自傷で怪我をしたということで、前回の終わりには結構心配しましたが、問題ないようでした。
自傷したのは時影に撤兵という重大任務を任せることで世子に戻るための花道を作るためと、雪鶯に会いたいという2つの理由がありそうです。
「母上に会いたくても戻る機会がありませんでした。でも今は一緒にいられます」と時雨に言われて優し気に微笑む青雲ですが、その直後にはお見舞いに来た時影の毒殺を企んでおり、本当に怖いです。
青雲の蠱毒は霊力に触れた時発動するというものらしく、時雨の薬を入れる器に蠱毒を仕込みました。
時雨に飲ませようと時影が器を持った時、時影の霊力に触れて毒が発動するという仕組みのようです。
しかし時雨が、自分で飲むと言ったため企みは失敗に終わりました。
雪鶯と時雨から駆け落ちするという報告を受けた朱顔は、そこで白王府に時影が滞在していると知りました。
そして知らず知らずのうちに白王府に到着していた朱顔は、時影に会いに行こうとして大司命に行く手を阻まれました。
それ以前に、侍女の玉緋も時影は世子になり白族の女性を娶るのだという街の噂を朱顔に話しました。
その時は玉緋を黙らせた朱顔でしたが、大司命にまで同じことを言われてしまいました。
「師匠も同意したのですか?」と尋ね、大司命の話を鵜呑みにしなかった朱顔は偉いと思いました。
結局は大司命の企み通り時影と雪鷺はいい感じだと誤解してしまったわけですが…。
あと少し見ていれば朱顔は時影が雪鷺に冷たいことを知ることができたのではないか、と思われます。でもそこまで見ることができませんでした。
辛すぎたようです。
時影は菓子に口もつけずに出て行き、青罡は気を使って菓子を食べました。
すると雪鷺は、これからもこんなことはあるから気を使わなくていいと。
時影が自分に冷たいのは避けられないからその度 庇わなくていいという風なことを言いました。
雪鷺は好きになれませんが、でも意志の強さ、何が何でも皇后になるのだという気概だけはすごいと思います。
もう時影は自分の師匠ではないのだ、世子であり雪鷺の夫なのだと思い朱顔は泣きました。
そして翌日のデートは、最悪なものに。
星尊帝と白薇の影絵芝居を観た朱顔は、暗に雪鷺と結婚することを時影は報告しているのだろうと受け取りました。
時影は”千年変わらずただ1人を愛す”という言葉を、朱顔を愛するという意味で言ったのに、朱顔は帝君となった時影は白族の女子に千年変わらぬ愛を注ぐのだと受け取りました。
そう受け取ろうと思えば受け取れるからスゴイ!
その後の玉佩選びも雪鷺への贈り物を選んで欲しいという意味だろうと。
何度も言いますが、あの時点の朱顔は そう受け取ろうと思えば受け取れるんですよね。
あの後時影は玉佩を朱顔に渡し思いを伝える予定だったのでしょうが、朱顔が帰ってしまったためそうできませんでした。
そこに付け込んだのが雪鷺です。
雪鷺は2人が帰った後、玲瓏閣で2人が買ったのと同じ玉佩を買い、1点ものだと嘘をつき朱顔に見せました。
雪鷺は1言も時影から貰ったとは言っていませんが、朱顔はそう誤解し、時影を雪鷺に託しました。
どうなっちゃうのこれ!?となりましたが、よく考えれば誤解はすぐに解けますよね?
最後には、時影はちゃんと朱顔にプロポーズするでしょうから。
というか、そもそも玉骨が皇后の持ち物だという話はとてもロマンチックじゃないですか?
その話を移動中に時影は朱顔に話せばいいと思うのですが?
その話をして、”朱顔が私の皇后だ!帝君になるつもりはないけど母の形見の玉骨は朱顔が永遠に持っていて欲しい。千年の愛を朱顔に捧げます。”と言えばいいだけの話なんですよね?
本当に、どうしてこうなった?
でも時影は雪鷺と結婚するという誤解をしたことで、ついに朱顔が自分の恋心に気づく流れになりそうです。
いままでは時影を師匠というカテゴリーに入れて恋心と結びつけていなかった朱顔が、ついに恋に気づく瞬間が近そうですよね!?
そのための布石として今回があるのだと思うので、楽しみに恋に気づく瞬間を待ちたいと思います。
そして重明に対しては、現場をみてからアドバイスをしろ、と言いたいです。
玉佩を選んで、すぐに耐えられないといった感じで帰る朱顔を見たら、時影の気持ちに気づいて照れているなんてアドバイスはできないはず!
重明は、いつもは2人を見てるのに肝心な時に見てないんだから!
あとは雪鷺の青罡の恋が上手く行ってくれるのを願うばかりです。
一体どんな条件がそろえば雪鷺が青罡を受け入れてくれるのか。
青罡が帝君になれば話は早いですが?
泣いている朱顔を慰めてくれた蘇摩。
大分具合も良くなって、他人を思いやる心が蘇摩に戻っているようです。
よかった!
それなのに次回のタイトルが「闇に落ちた蘇摩」なのは一体どういうことなんでしょうか!?
取り急ぎ、確認して来ます!
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