玉骨遥(ぎょっこつよう) 第39話 煉獄の試練 あらすじ
目覚めた朱顔は、助けてくれた雪鷺と青罡に礼を言い、2人が結ばれたことを祝福した。
白風麟の罪を告発するために家を出たが、母の位牌を白王府に迎えられないことが心残りだと雪鷺は話した。
母親が心配するのは位牌のことではなく娘のことのはずだと言って朱顔は慰めた。
時影が還俗のため万劫地獄に入るという話を聞き、朱顔は九嶷山へ向かった。
青罡は失脚した青東方に代わり、青王に封じられた。
使者から氷族が九嶷山に向かうのを見たという話を聞いた2人は、急いで九嶷山に向かった。
時影は万劫地獄に入った。
心魔の劫難で、時影は白嫣に会った。
二度と宮中に戻るなと言う白嫣に、時影は側で一生守ると誓った。
しかし白嫣は消えてしまい、次の瞬間、白嫣は自害し辺りは火に包まれた。
時影の身体は罪の意識に抗おうと傷だらけになった。
心魔の劫難はまだ続く。
次に時影は、赤淵を殺したことを責める朱顔に会った。
九嶷山に到着した朱顔は、時影に近づこうとしたが結界に阻まれ近づけなかった。
時影は自らに刀を差し朱顔に償った。
心魔の劫難が終わり、天雷の劫難を受けた時影の身体は血まみれになった。
朱顔は、苦しむ時影を側で見守り続けた。
かろうじて命を繋ぎ止め、時影は万劫地獄から戻った。
朱顔は真っ先に駆けつけ時影を抱き留めた。
大司命が用意しておいた霊薬を飲ませようとしたとき、巫咸が十巫を引き連れ襲い掛かった。
集まった神官たち、青罡、雪鷺、朱顔と大司命は力を合わせ氷族に対抗した。
すると巫咸は大司命、朱顔、時影を氷障の中に閉じ込めた。
朱顔は時影を守りつつ天誅を使い応戦し、氷障を破った。
大司命は時影を庇い巫咸の攻撃を背中で受け重傷を負った。
白嫣と時影の冤罪を晴らせたので人生に悔いはない、空桑は戦になるだろうが命を犠牲にしてまで尽くそうとするな、太平の世を取り戻して欲しい、と時影に話し大司命は亡くなった。
時雨と雪鶯が密かに青雲の供養をしていると、北冕帝が迎えに来た。
青罡と雪鷺は白風麟の罪を北冕帝に訴えることにした。
感想
青罡と雪鷺のおかげで朱顔の視力と聴力は戻りました。
自分のために時影が万劫地獄に挑むのだと知り、朱顔は避けていた九嶷山に戻りました。
瀕死の状態ながらも万劫地獄から戻った時影ですが、氷族に襲われピンチです。
朱顔と大司命で追い払いましたが、大司命は巫咸の攻撃を受けて亡くなってしまいました。
大司命が北冕帝の弟で、北冕帝の名は時珺であるということが判明しました。
判明した、というか、大司命が時影の「叔父」であるということから、母か父の弟であるということは分かりますよね。
そして大司命が白嫣を愛していたということを考えれば白嫣の弟とは考えられず、北冕帝の弟だろうということは分かると思うのですが、私はどういう訳か大司命のことを白族の人だと思っていました(n*´ω`*n)
多分 1話で白嫣が時影を宮殿から出す時、大司命を頼ったので、当然大司命は実家関係の人だろうと思ってしまい、そのまま その誤解が解けないままここまで来てしまったのだと思われます。
とんでもない勘違いをしていました。
前回、北冕帝を治療するときの大司命の態度について、やけ高圧的で親し気だな、とは思っていたのです。
でもそれは怒っているからで、北冕帝は患者の立場だから大司命のあの態度を許しているのかな、なんて勝手に思ってました。
普通に兄弟だからだったんですね。
1話の白嫣は、時影が生きているということを知られてはいけない相手(北冕帝)の弟(大司命)に時影を託したということで、2人の絆の強さ、信頼関係が今さらながらに伺われます。
大司命が自分を選ぶよう白嫣に言った時、白嫣は泣いたということが語られました。
1話を見て感じたように、やっぱり白嫣も大司命を好きだった、ということですよね。
大司命は最初から最期までずっと白嫣を思っていて、行動原理も全て白嫣の冤罪を晴らすためというものでした。
皇族なのに兄共々空桑の民を考えていなかったということを、最後の最後に後悔しているようでした。
空桑の民としては、ふざけんな!という感じでしょうが、乙女脳の私は、白嫣を愛し続けた大司命を嫌いだとは言えません。
大司命が北冕帝の弟と判明しましたので、以前作った家系図をアップデートしておきました。
空桑の皇族は「時〇」と、時の付く名前なんですね。
今思えば、大司命の名前が時鈺と判明した13話(恐らく)の時点で、大司命が父方の時影の叔父だと気付けたのではないか、とも思いますが…。無理でしょうね。
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罪の意識を抱いていることが心魔の劫難では出てくるということで、時影の心魔の劫難には白嫣と朱顔が出てきました。
白嫣を死なせてしまったことが、時影にとって罪悪感になっていることは分かります。
時影が白嫣の声を治そうと、清音露鈴を作って贈ったことで怪しまれることになり、時影を隠すために白嫣は自害したという経緯がありました。
朱顔については、すでに赤淵を愛してはいないということを時影は知っていますが、それでもあの時のことに罪の意識を抱いているというのは意外でした。
最後は天雷の劫難ということで、身体的に痛めつけられて万劫地獄は終わりました。
思っていたよりも早く終わりましたが、時影の身体は酷い状態で、抱き留めた朱顔の腕の中で意識を失ってしまいました。
そして、氷族の襲撃を受けました。
なぜ氷族は時影を狙ったのでしょうか?
最後、巫咸は時影めがけて攻撃しており、それを大司命が受けて亡くなっているので、巫咸の目的は時影を亡き者にすることですよね?
最初は、霊力を失った時影を連れ去り后土の指輪と皇天の指輪を使わせることが目的なのかな、と思っていました。
けれど”亡き者にする”ために襲撃したのだと気付き、分からなくなりました。
智者は2話で
「10年後には もはや空桑はない」
2話の智者のセリフ
と言っていることから、空桑を滅ぼすのが目的だと思われます。
皇天の指輪を使い空桑を滅ぼすにあたり、后土の指輪を使ってそれを阻止できる者をあらかじめ排除しておこうという考えなんでしょうか?
そうだとすると時雨や北冕帝も狙われているのでしょうか?
最後に残された謎、智者の正体、とっても気になります。
母の位牌を白王府で祀りたいという考えの雪鷺に、朱顔は別の考え方を示しました。
雪鷺が強く幸せな娘であってくれれば、それでいいはずだ、と。
本当に、そうだと思いました。
もちろん、別の国の別の時代の庶民の話ですが、私の周りには、お墓に入ってまで気を遣いたくないという理由で、夫のお墓に入りたがらない人が一定数います。
今まで見てきて、白敬安に対して割と最低な人、関わりたくない人、というイメージしか抱いていないため、雪鷺のお母さんも白敬安の隣に祀られたくないんじゃないかな、と思ってしまいました。
もちろん、本当の所は本人に聞いてみなければわからないのですが。
白薇が尊敬されているのは皇后だからではなく民のために戦ったからだ、とも朱顔は言っていました。
雪鷺は白薇のような心を持った人間になろうとしていそうです。
雪鷺が光の方向に進んでくれて、本当に良かったです。
青罡の導きのおかげですね。
そして青罡、青王就任、おめでとうございました!
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