玉骨遥(ぎょっこつよう) 第13話 弟子選抜の決着 あらすじ
時影の寝台で朱顔は寝てしまった。
時影が様子を見ると、朱顔は夢の中でも一番弟子になりたがっていた。
目覚めた朱顔は時影と間接キス(同じ杯で酒を飲ませた)したことや失態の数々を思い出し逃げようとした。
しかし逃げる途中で時影とばったり出会い、何でも罰を受けるから下山だけは許して欲しいと謝罪した。
時影が一番弟子になりたいか尋ねると、朱顔はなりたいと答えた。
雪鷺との実力差は大きく険しい道になる。試練も与える。それでもやるか、と時影は尋ねた。
朱顔は笑顔で「試してみたい」と答えた。
朱顔が去ると重明が現れた。
重明は、白露を一番弟子にし嘉蘭へ帰るための足掛かりにしようという大司命の策を阻止するためには朱顔を一番弟子にするしかないのだと理解した。
時影は、朱顔の法術を学びたいという心が純粋な向学心からのものであるからだと付け加えた。
重明は2人にとって決して良い事ではないと忠告したが、時影は朱顔が奇跡を起こし一番弟子になることを信じると語った。
赤淵は頭を押さえながら森を進んでいた。
赤淵の父は赤淵が幼い頃、目覚めようとする龍神が力を抑えられない時は 遠く離れているようにという言葉を伝えていた。
龍神の支族で龍血が流れている赤淵は召喚を受けるが、龍神の正当な血に圧倒され命の危険を伴うことがあるからだ。
九嶷山 黄泉の滝に到着した赤淵は、召喚を受け参じたことを龍神に伝えた。
龍神は自身を封じた星尊帝と星尊帝に従った六部に対する恨みを語り、誰1人逃さない、空桑の人間全てを滅ぼすと言うと気配を消した。
六部が狙われることを知った赤淵は、龍血古玉さえあれば朱顔を救えるかもしれないと考え、そのような考えを持つ自分を不思議に思った。
時影による御風術の実技演習が始まったが、朱顔は罰の庭掃除を命じられており参加できなかった。
朱顔は庭掃除をしながら御風術の練習をした。
しかしうまくいかず、朱顔は時影に質問した。
時影は御風術を見せ、帝王谷での毎日の清掃の中で御風術を悟ったと話すと、風を見て方向を読み力を借りるよう助言した。
朱顔はもっと時影から学びたかったが、時影は朱顔にだけ長く教えるわけにはいかないと言って行ってしまった。
朱顔は寸暇を惜しんで御風術の練習をした。
1か月が経ち腕比べの火がやって来た。
成績上位4名の内青罡と雪鶯は辞退し、雪鷺と朱顔の一騎打ちとなった。
朱顔が手ごわいと知ると雪鷺は氷魄を使った。
追い詰められた朱顔は戦いの中で風系の最高法術である凌雲術を悟った。
大司命は密かに雪鷺を手助けしようとしたが時影に見咎められ阻まれた。
朱顔は雪鷺に勝った。
朱顔は一番弟子として九嶷山にとどまり、他の者達は下山することになった。
雪鷺はもう一度機会が欲しいと大司命に頼みに行ったが、大司命は己を鍛え直せと言うと雪鷺を締めだした。
大司命は膨大な蔵書のおさめられた蔵書閣から一刻半の内に「弟子戒律」を自力で見つけ出すよう朱顔に命じた。
しきたりでは「弟子戒律」は司空が新弟子に渡すはずだ。
時影が問うと、大司命は修行を辞退し無礼な物言いをした者は初めてだからだと答えた。
雪鷺が負けたから逆恨みしているのか、と時影は大司命に尋ね、大司命は反抗するために朱顔を選んだのかと問いかけた。
朱顔が弟子戒律を見つけ出せず弟子になれなかった場合、白露を弟子にしないと世間に公表する、干渉しないで欲しいと時影は頼んだ。
時影はほんの少し朱顔を助けた。
初代大司命は絵が好きだったと気付いた朱顔は、無事に弟子戒律を見つけることができた。
時影は朱顔に、修練は厳しく孤独なものになると伝えた。
すると朱顔は、帝王谷にいた時影は孤独だったが 今後はずっと自分がついていると返した。
朱顔は嬉しくて何度も時影のことを師匠と呼んだ。
時影は大司命の所に行き、白嫣の亡くなった今嘉蘭に戻る気がないことを伝えた。
すると大司命は、白嫣が善良で争わなかったからと自分たちも争わなければ誰が白嫣の無念を覚えていてやれるのだと時影に問いかけた。
時影は、白嫣は亡くなったのだから何をしても意味はないと返した。
今日は大司命の誕生日だった。
時影は茶と雪薇糕を大司命に差し出した。
今まで己の全てをなげうち育ててくれたが、これからは時鈺としての何も犠牲にすることなく生きて欲しいと時影は伝えた。
「この世に思いやる相手がいないなら生きていても何の意味がある?」と言うと、大司命は1人にしてほしいと言い時影を退出させた。
白嫣の好物だった雪薇糕を大司命は手に取った。
感想
目覚めた朱顔は昨晩のことを思い出し、間接キスをはじめとする数々の失態を思い出しました。
間接キスって何のこと?と思ったのですが、時影に酒を飲ませる時自分の杯を使ったことだったみたいです。
しかも前回の該当シーンではそんなモノローグありませんでしたが、あの時朱顔は心の中で”これって間接キス”と思っていたらしいことが今回判明いたしました(笑)
めちゃくちゃに酔っぱらってても冷静な部分もあるんですね。
前回の終わり、時影は大司命が自分と雪鷺をくっつけ嘉蘭の帝位に付けようとしているのを知りました。
そして今回、酔っぱらっても夢の中でも朱顔が一番弟子になりたがっているのを知り、素面の本人に意思を確認し、決意を固めました。
大司命の策略を阻止するために、朱顔を一番弟子にする!
事態を知った重明は、時影は朱顔を利用して大司命の策略を阻むのだと理解しているようでしたが、時影が朱顔の心根が良い事を理由に挙げてくれたので救われた思いがしました。
朱顔は、法術を権勢を得るための手段として見る白露と違い、向学心から法術を学びたいと思っているから、と。
10話で時影は雪鷺のことを「内面は強く志は固い」と評価していました。
あれを聞いた時、確かにそうかもしれないけど、なんだか腑に落ちないというような複雑な気持になりました。
でも、ちゃんと時影は見る所を見ていてくれました。
雪鷺の頭には権勢しかないことを見抜いてくれてました。よかった。
前回、赤淵の頭に「止淵、蒼梧の淵でお前を待つ」という声が響き、止淵って誰?と思ったのですが、止淵とは赤淵のことみたいです。
目覚めようとする龍神は龍血の流れる支族の者を召喚するようです。
召喚を受けると正統の血に圧倒され命の危険を伴うことがあると赤淵の父親は赤淵に忠告していました。
今まで赤淵がおかしかったのは龍神の召喚を受けていたからだったんですね。
龍神は九嶷山の黄泉の滝に封印されているらしいです。
龍神は自分を封印した星尊帝と星尊帝を助けた六部を初めとする空桑の人達を恨んでいるみたいですね。
かつて龍神を封印した星尊帝は今では伝説の大英雄のような形になっています。
復活した龍神を時影と朱顔が再び封印し伝説の2人になる、みたいな物語になるんでしょうか?
龍神が復活したら朱顔が狙われると知った赤淵は、朱顔を守るためには龍血古玉を使えば…などと考えた自分を不思議に思っているようでした。
赤淵はまだ気づいてないけれど朱顔が曜儀の生まれ変わりだから赤淵はどうあっても守ろうとしちゃう、みたいな感じなんでしょうか?
それとも朱顔は曜儀の生まれ変わりではないけれど赤淵は朱顔を好きになっている、ということ?
生まれ変わりだから好き、というのはロマンチックなようでいて赤淵が実際に見ているのは朱顔ではなく曜儀なんじゃないか、という疑いが常について回る恋愛になると思うんですよね。
その点曜儀とは全く関係なく朱顔を好きという方が、乙女としては嬉しいですよね。
ただ厄介なのは、赤淵はもう当て馬だと確定しているわけじゃないですか。
毎回始まる前に朱顔と時影2人だけのサムネ見せられているわけですから。
赤淵の失恋が確定している場合、朱顔が曜儀の生まれ変わりだから放っておけない、好き、っていう方が赤淵としては救われるのかな、と思ったり思わなかったりしました。
本当に赤淵が好きなのは朱顔ではなく曜儀なわけですから。
今まで座学ばかりでしたが、御風術の実習が始まりました。
しかし朱顔は罰で庭掃除を命じられており実習に参加できませんでした。
時影に質問すると、御風術を見せてくれて、清掃中に御風術を悟ったという話を聞かせてくれ、風を見るようアドバイスしてくれました。
あの話を聞いた時に、朱顔が清掃させられているのは御風術を悟る近道のためなのかもしれないと思いました。
朱顔はもっと教えて欲しかったのですが、時影は「お前だけを長く教えるわけにはいかぬ」と言って行ってしまいました。
あのセリフを聞いた時、今さら何言ってるの?とツッコミを入れました。
朱顔にだけ個人レッスンをたくさんしてたじゃんって。
でもよくよく考えてみると、あの個人レッスンの数々は朱顔が他の子弟たちが子供の頃身につけているはずのことすら身に着けていなかったからですよね。
ライバルと同じフィールドに立てるようにするための個人レッスンだったと思われます。
今回「お前だけを長く教えるわけにはいかぬ」というセリフが時影から出たということは、この時点で朱顔は他の六部の子弟たちと同じ土俵に立てているということなのだろうと思いました。
朱顔が成長していることを表すセリフだったのだと思います。
朱顔は御風術の修練に明け暮れ、腕比べの日がやってきました。
朱顔は、成績上位4名に入っており腕比べ対決に参加できることになりました。
12話で修行が始まり半月経過時点での成績が発表されました。
あの時は朱顔は最下位でした。
それが半月で3位になった。すごい!
決戦の中で風系の最高法術・凌雲術を悟った朱顔は雪鷺に勝ちました。
凌雲術を悟れたのはももちろん朱顔の努力があるわけですが、時影が庭掃除をさせたことが近道になったんじゃないかな、とやっぱり思いました。
雪鷺は大司命にもう一度チャンスが欲しいと頼みましたが、追い返されてしまいました。
雪鷺は父親からも大司命からもダメだと思われるとばっさり切り捨てられて、ちょっと可哀想に思いました。
まだ16歳くらいなんだから、周りの大人がもっと優しくしてあげて欲しいです。
そんなだから雪鷺が悪の道を行こうとしてしまうんですよ。
大司命にイジワルされつつも、無事に弟子になることができた朱顔が、時影のことを何度も師匠と呼んでいたのがとても可愛かったです。
そして孤独な時影とこれからはずっと一緒だと言っていたシーンが印象的でした。
時影も重明に「今後いかなる局面を迎えようと朱顔とともに戦う」と言っていました。
弟子とは、単なる先生と生徒とは全く違う すごく重い(?)特別な存在なんですね。
時影は大司命に、嘉蘭に戻る気のないことをきっぱり話しました。
大司命が白嫣を好きだったという話が7話でありました。
1話の2人の様子をみると2人は昔想いあっていたんじゃないかな、と思ってしまいます。
白嫣は北冕帝に嫁いでしまいましたから、その時大司命は一度白嫣を失っていますよね。
皇后だった白嫣が幽閉されて、自害してしまって、大司命は再び白嫣を失いました。
「この世に思いやる相手がいないなら生きていても何の意味がある?」という大司命のセリフは、時影から”自分の人生を生きて欲しい”と言われ、時影が独り立ちしてしまったことに対して言っているようにも思えますし、時影の向こうにいる白嫣を見て言っているようにも思えました。
時影を嘉蘭に戻し帝位につけるというのは、白嫣を失った大司命が生きるための支えみたいなものだったのかな、と思いました。
今回、龍神という、敵になるだろうキャラの復活が近いと分かりました。
ということで、大司命は時影と話したことでもう小細工はしないでしょうか?
悪役っぽかった大司命はここで終了?
次話見てきます!
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