玉骨遥(ぎょっこつよう) 第32話 闇に落ちた蘇摩 あらすじ
雪鷺の部屋からの帰り、朱顔は時影に出会った。
還俗することを後悔しないか、と朱顔が尋ねると「決して」という答えが返って来た。
何があっても力になると言うと、朱顔は泣きそうな顔で足早に立ち去った。
時影は朱顔が察してくれたのだと思い、朱顔の後姿にむかって「一生お前のことを守り抜く」と呟いた。
時雨と雪鶯は駆け落ち先で幸せに暮らしていた。
時影の指揮で無事に撤兵が完了した。
母の敵を討ちたいという蘇摩に、朱顔は飴を渡し、人探しの法術を使い魚姫の魂を捜させた。
蘇摩は「ありがとう。お姉さん」と言った。
時影は婚姻の祝い紙に自分と朱顔の名を書いた。
帰邪星が光り、朱顔が見ていると、何かをしようとした蘇摩が苦しみだした。
朱顔は急いで診療所に蘇摩を連れて行った。
町医者の申屠は鮫人の治療を拒んだが、朱顔が大金を積むと診療を開始した。
脈を診た申屠は、蘇摩が海皇だということ、朱顔の胸元に龍血古玉があることに気づいた。
鮫人が空桑の法術を学ぶと命を落とすと申屠は話した。
敵を討とうとした蘇摩が、朱顔の書物で法術を学ぼうとしたことが原因だと朱顔は気付いた。
申屠に言われて龍血古玉を蘇摩に近づけると、蘇摩の中に龍血古玉は入っていった。
そして蘇摩は穏やかな表情になった。
2階で治療するので邪魔しないように、と言って申屠は蘇摩を連れて行った。
嫌な予感がして朱顔が見に行くと、申屠と蘇摩は消えていた。
申屠は蘇摩を澗長老の所に連れて行っていた。
真龍の血は海皇のみが取り込める。
龍血古玉を蘇摩が取り込むのを見た、と申屠は澗長老に話した。
蘇摩は眠っていても朱顔を頼っているようだった。
澗長老は申屠を殺し、蘇摩の記憶を、朱顔に捨てられ空桑人を憎んでいるというものに改ざんした。
嘉蘭城の見取り図が澗長老の所に届いた。
届けた者は、天極風城の見取り図を届けた者と同じ者のようだった。
星を見ていた時影は、帰邪星が一瞬にして凶星に代わるのを見た。
星からは「空桑の帝星は70年後帰邪に取って代わられ滅びる」と読み取れた。
停戦したはずの海国軍が攻め込んで来た。
白嫣の旧宅も澗長老率いる海国軍に襲われ、管理人家族は皆殺しにされた。
澗長老と対峙した赤淵は、蘇摩が囚われたのを知った。
赤淵は澗長老を殺すと、海国軍を今後指揮すると名乗りを上げた。
海国軍の兵たちは赤淵に従った。
白嫣の旧宅の惨状を見た時影は、見る目のなかった自分を責めた。
赤淵は蘇摩を探し出し、記憶の書き換えが行われたことを知った。
記憶の書き換えは危険な術で心が壊れてしまうこともある。
幼い蘇摩ならなおさらだ。
赤淵を探し出した朱顔は、赤淵を信じていること、蘇摩が申屠に連れ去られたこと、蘇摩の中に龍血古玉が入って言ったことを話した。
申屠は善意で蘇摩を赤淵の所に送り届け、今は碧落海にいると赤淵は嘘をついた。
海国軍を信じたことを、時影は北冕帝に謝罪した。
鮫族の野望を砕くため、必ず海皇を殺し海国軍を殲滅するよう北冕帝は命じた。
内乱を止める唯一の方法だと感じた時影は、海皇を必ず殺すと約束した。
赤淵は海皇と名乗り、碧落海へ帰り暮らそうと海国軍に説いて回った。
赤淵に従い次々海国軍は戦場を去った。
青罡は海国軍の去った場所で、内通を示す文を見つけた。
空桑軍の情報が海国軍に筒抜けだった。
青罡は内通者がいることを白風麟に話した。
内通者は白風麟だった。
戦が続けば凝碧珠で暴利を貪れるし、手柄を立て地位を高めることもできる。
そのため敵と内通し戦が終わらないようにしていたのだ。
白風麟は、雪鷺の母の位牌を盾に取ると、青罡から文を取り戻すよう雪鷺に命じて…?
感想
そのうち妙な誤解は解けるだろうと思っていましたが、32話ではまだ解けず時影も朱顔も誤解したまま次週に持ち越しとなりました。
冒頭、朱顔は時影に「本当に還俗なさるのですか?」と尋ねました。
これは、”本当に還俗して世子になり雪鷺と結婚するんですか?”という意味で尋ねているのだと思われます。
時影は「ああ もう決意した」と返しました。
これは、”還俗して朱顔と結婚すると決意した”という意味で時影は言っていると思われます。
しかし朱顔は時影が自分と結婚したいと思っているなど夢にも思っていませんから、世子に戻り雪鷺を娶ると決意したのだと受け取りました。
朱顔は「後悔しません?」と尋ねました。
世子に戻って雪鷺と結婚することを後悔しないか、と朱顔は尋ねています。
時影は「決して」と言いました。
”還俗して朱顔と結婚することを決して後悔しない”という意味ですが、朱顔には伝わっていません。
朱顔は「何があろうと私は力になります」と言いました。
時影が世子に戻ってからもずっと味方だと伝えたのだと思われます。
時影は「そうか 分かってくれるか」と嬉しそうです。
その後の反応を見ると、時影は何も言わなくても時影の気持ちを朱顔が分かってくれたのだと思ったっぽいです。
「これを告げたくて街へ?」と朱顔が尋ねると、時影はうなずきました。
朱顔の言う「これ」とは、世子に戻り雪鷺と結婚することですが、時影は朱顔と結婚することだと思って頷いています…。
なんですか!?
このすれ違いコントは!!!
結婚しようと言ってないのに、察してくれるわけないじゃないですか!?
それに朱顔の顔をよく見てください。
時影は朱顔が元気がないとか、いつもすぐ気づくじゃないですか?
でも今の朱顔は全然嬉しそうじゃなくて、とっても苦しそうです。
結婚のことを察していてこの苦しそうな表情だとしたら、それはそれで問題ありでしょう!?
なんであなたは、”察してくれた”とホッとしてるんですか!?
他の所では完璧なのに、恋愛に対してだけ時影がこんなにポンコツだとは…。
男子校(九嶷山)の弊害を思い知らされました。
「一生お前のことを守り抜く」という本来ならばとてもカッコいいセリフも、間抜けに聞こえます(笑)
時雨は、自分は兄上と違ってダメダメだと思っていますが、恋愛面に関しては誰よりも先をいっています。
前回駆け落ちすると朱顔に報告すると、その後すぐに駆け落ちしたようです。
すでに雪鶯と2人だけで暮らし始め、新婚の雰囲気を醸し出して2人だけの世界を築き上げていました。
お兄ちゃんにそっち方面を教えてから駆け落ちしてほしかったです、時雨( ;∀;)
雪鶯は居場所を朱顔に教えて結婚式に来てもらおうと手紙を書いていますが、その手紙から居場所が知られてしまうんじゃ?と一抹の不安を抱きました。
この2人には、少しでも長く幸せに暮らして欲しいです。
前回、朱顔は時影が自分の師匠ではなくなってしまうと思い泣いていました。
そんな朱顔を蘇摩は慰めてくれました。
朱顔は時影の書いた法術書を見ていて、自分の師匠は雲荒一の術者なのだと話しました。
あの時、蘇摩は法術書に興味を示しているようでした。
その後、蘇摩は法術書を盗み読みしたようです。魚姫の敵をとるために。
しかし鮫人が空桑の法術を学ぶと命を落とすということで、蘇摩は苦しみだしました。
朱顔は診療所に蘇摩を連れて行き、蘇摩が海皇だと気付いた申屠によって蘇摩は誘拐されてしまいました。
一瞬、蘇摩を金で動く町医者などに診せた朱顔を責めそうになりましたが、朱顔は悪くないんですよね。
朱顔は蘇摩を魚姫の息子としか思っていませんから、体調が悪くなって医者に診せたことを責められません。
結局、赤淵が”蘇摩が海皇だけど、幼い蘇摩が海皇だと澗長老に利用されてしまうから自分が海皇のフリをする。その間蘇摩を匿ってほしい”と言わなかったのが原因かなぁと思ってしまいました。
ホウレンソウは本当に大切ですね。
澗長老は蘇摩が朱顔を頼っているのを見て取ると、蘇摩の記憶を改ざんし、朱顔と空桑人を恨むようにしました。
赤淵が恐れていた通り、蘇摩は澗長老に利用され、せっかく撤兵が完了して平和が訪れそうだったのに、再び戦争になりました。
ところで、澗長老たちの会話に気になる物がありました。
嘉蘭城の図が澗長老の所に届いたのですが、どうやら図を届けた者は天極風城の図を届けた者と同じ者らしいというのです。
天極風城の図面が届いたのは、多分25話なのではないかと思います。
智者が澗長老の所に来て、200年前と同じ戦を起こすよう、手始めに天極風城を攻めるよう唆しました。
あの時、智者は天極風城の図を渡したのではないでしょうか?
つまり、今回嘉蘭城の図を届けた者が、天極風城の図を届けた者(智者)と同じだとすると、智者は死んでいないということになるのでは!?
今回、蘇摩は闇落ちさせられてしまいましたが、海皇として命令を下せるような状態にはなく赤淵が再び海皇を名乗り海国軍を碧落海に帰るよう説得し始めました。
赤淵がこのまま上手くやってくれれば、再び始まってしまった戦もすぐに収束しそうです。
氷族は智者と共に去り、海国軍との間に停戦が成立すれば平和になると思っていましたが、智者が生きているのだとすると、海国軍との戦が終わっても安心してはいられなそうです。
時影の星読みでは、70年後に空桑が帰邪に取って代わられるそうですが、これは、このままだと70年後に空桑は海国に滅ぼされるということなんでしょうか?
なんで70年後…?
帰邪星が凶星に変わりましたが、凶星が吉星に代わることもありますよね?
とりあえず、澗長老に改ざんされてしまった蘇摩の記憶が元に戻り凶星が吉星になることをお祈りしたいと思います。
白風麟は嫌な奴だと思っていましたが、普通に犯罪者だったと判明しました。
やっぱりな!
金儲け&出世のために 戦が終わらないよう空桑軍の情報を海国軍に流していました。
その密書を青罡に拾われてしまい、取り返すよう白風麟は雪鷺を脅しました。
雪鷺の母親の位牌を人質にしています。
雪鷺はどう動くのか、次週に持ち越されたまま終わってしまいました。
次回、第33話のタイトルは「愛と正義のはざまで」となっており、番組表のサムネを見ると、雪鷺と青罡が2人でいる場面のようです。
とういことで、雪鷺は取り返すために青罡の所に行き、そこで葛藤があるのではないでしょうか?
他のカップルは上手く行く姿が想像できるのですが、雪鷺と青罡だけは雪鷺の意思が強すぎて無事に幸せになれるのかハラハラしています。
次回は雪鷺と青罡の話になりそうなので、とても楽しみです。
34話は「師弟の死闘」となっております。
時影と朱顔が力を合わせて誰かと戦うんでしょうか?
しかも死闘になるの!?
誰と戦うのでしょうか。心配です。
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