玉骨遥(ぎょっこつよう) 第29話 朱顔を愛する2人の男 あらすじ
手紙を受け取り、朱顔は赤淵に会いに行った。
時影の言う通り赤淵が海皇なのかと朱顔が尋ねると、赤淵は肯定した。
時影は白嫣の旧宅にいる。
戦を止められるのは2人だけだ、2人で話し合ってほしいと朱顔は頼んだ。
赤淵は蘇摩を朱顔に診せた。
蘇摩の患っている龍血症の回復のためには 心臓を霊力で守る必要があるが、鮫人は空桑の法術を学べず霊力が使えない。
そのため赤淵は朱顔を頼ったのだった。
朱顔が霊力を注ぐと、蘇摩の症状は快方に向かった。
朱顔は魚姫が亡くなったことを知り、自分が間に合っていればと自分を責めた。
赤淵は、戦を始めた者が悪いと言って慰めた。
朱顔は蘇摩の世話を引き受けた。
赤淵は蘇摩と自分の素性を秘密にしてほしいと頼んだ。
蘇摩を空桑人に預けて大丈夫なのか、と如意は赤淵に尋ねた。
そばに置けば、澗長老たちが蘇摩の正体に気づくこと、朱顔ならば龍血症の症状を軽くできること、時影が蘇摩の素性に気づいても朱顔に免じて見逃すかもしれないことを赤淵は挙げた。
海皇は鮫人が7000年待った希望だった。しかし海皇が子供だと知られれば澗長老に利用されるかもしれないと言って、赤淵は如意を説得した。
目覚めた蘇摩は朱顔に「だました」「嘘つき」と言うと、「殺してやる」と言って暴れた。
朱顔は蘇摩に謝り、魚姫は蘇摩が生きることを望んでいると伝えた。
蘇摩は逃げ出し、白風麟(雪鶯たちの兄)に捕まった。
朱顔は、”蘇摩は海国軍やその子孫ではないので返して欲しい”と白風麟に頼みに行った。
しかし白風麟は鮫人嫌いで有名で、返してくれそうになかった。
朱顔は法術を使い蘇摩を奪い返した。
白嫣の旧宅で赤淵は時影と会い、1月以内に双方 軍を撤退させるということで合意した。
時影の過去を思えば、秋水への恨みから鮫人を殲滅しようとしてもおかしくない。
しかし時影は停戦を申し入れた。
古嵬城では地魃を倒し天極風城では鮫人を見逃した。
そんな時影となら心の友になれるだろうと赤淵は語った。
時影も赤淵を尊敬できると思った。
白風麟の配下である驍騎軍は鮫人狩りをしており、高齢や目の不自由な鮫人は住処を追い出された。
如意は彼らを連れて白嫣の旧宅にやってきた。
時影はこの屋敷を使ってもらうことにした。
仲間を利用して時影の同情を誘い 兄を守ろうとするのはやめるよう、赤淵は如意に話した。
澗長老の所に戻った赤淵は、空桑軍と戦をしたことで海皇を見失ったと話し、停戦すべきと説いた。
多くの犠牲を払い 落とした城を手放すことに 澗長老は難色を示した。
海皇が戻れば海国は再興するのだから目先の利益に囚われるなと話し、赤淵は海国軍を撤退させた。
時影は嘉蘭の朝廷で海皇に会い撤退することで合意したことを話すと、撤退許可を願い出た。
青王は反対し、鮫人を根絶やしにすべきと主張した。
空桑と鮫族が共倒れになれば氷族が漁夫の利を得ることになる、そして青王は氷族と通じていると時影は主張し証拠を提出した。
証拠とは、青罡の兵営で見つかった玄氷寒鉄で作られた武器だった。
この武器は冷気を含み、空桑人が使えば最終的に病で死んでしまう。
手柄を焦った青王が使わせたものだった。
青王は知らずに武器を買ったと主張した。
白王たちは氷族との内通者を徹底的に調べるべきと主張した。
時影は武器の購入者を暴き処分すれば十分と言って青王に恩情をかけた。
北冕帝は撤退を命じ、時影の意見を入れて時雨を指揮官にした。
時雨の所には”戦を続けよ”という青雲からの文が届いたが、時雨は停戦し撤退を急いだ。
時影は捕らわれた武器の購入者(?)に青王について尋問しようとしたが、購入者は何者かによって口封じされてしまい…?
感想
「朱顔を愛する2人の男」という強烈なタイトル。
どんな話なのか、2人が朱顔を奪い合ってバチバチに火花を散らすのかと楽しみにしていましたが、ふたを開けてみたら平和的な話でした。
朱顔を愛する2人の男が協力し合い、戦争を終わらせるという話でした。
開始早々、朱顔が叩かれたのは時影のためだと知り、少し切ない赤淵です。
しかし朱顔は赤淵が海皇なら信頼できると とても喜び 戦を止めて欲しいと頼みました。
前回の終わり、「あの人なら蘇摩を助けられる」と赤淵は言っており、”「あの人」って誰だろう?”と疑問に思っていたわけですが、朱顔だったようです。
蘇摩が患っているのは龍血症という特殊な病で、治療には心臓を霊力で覆わなければなりません。
しかし鮫人は霊力を使えないということで、赤淵は朱顔を頼ったということだったようです。
27話で、赤淵は魚姫と蘇摩と面識がある様子でしたが詳細は語られませんでした。
今回、200年前に赤淵は魚姫を助けたことがあることと、その後霍図部で母子に会ったことがあるということが語られました。
200年前に魚姫はすでに生きていて、そして霍図部の王に嫁いだんですね。
自分よりもずっとずっと年下だけど見た目は大人でどんどん老けていく人に嫁ぐってどんな感じなんだろう、とちょっと想像しました。
鮫人は1人しか愛さないと言いますが、秋水や魚姫はきっと政略結婚ですよね?
そのような場合に もしも運命の人に出会ってしまったらどうなるんでしょうか?
結婚した人=運命の人になるから 結婚した人以外に運命の人に会うということはないんでしょうか。
今までは鮫人ってロマンチックだなぁと思っていましたが、鮫人でも政略結婚した人はいそうだな、と考えたことで疑問が浮かびました。
「私が間に合ってたら魚姫は死なずにすんだわ」と朱顔が言ってくれたことで、少し救われた気がしました。
赤淵の言う通り、確かに悪いのは2人を追い出し ひどい境遇に置いた大妃であり、その後の戦です。
でも視聴者としては2人のことについて朱顔に言いたいこともあったので、本人が責任を感じてくれていると知って救われました。
今までは名前だけしか出てきていなかった白風麟がついに登場しました。
26話で雪鷺は青罡に、”兄に勧められてもお酒を飲まないように”と忠告していました。
あのシーンを見て、酒に酔わせて青罡に何かするような卑怯な人なのかなと思い、悪い先入観を持って白風麟を見ました。
やっぱりいい人では無さそうでした。
朱顔が法術を使って蘇摩を取り返してくれたのでスッキリしましたが、朱顔が白風麟に目を付けられてしまったのではないかと、そのことが心配です。
時影と赤淵の会談が始まりました。
朱顔は かつて時影のお茶のこだわりについて話しており、それを聞いていた赤淵は見事にお茶について言い当てて掴みはOK。
時影に「さすがだ」と認められました。
「わしは信用せぬ」と目の前で言い警戒心満載の重明にもめげず、重明の薬が今や鮫族では必需品となっているという話をして赤淵は重明の心もつかみました(笑)
お互いに認め合った時影と赤淵は、撤退することで合意し、赤淵は海国軍を、時影は空桑の朝廷を説得しに行きました。
赤淵と時影のおかげで停戦が決まり、時雨は青雲からの手紙も無視して撤退を始めました。
でも赤淵は 本当は海皇ではなく、本物の海皇である蘇摩は世の中全てを恨んでいそうですし、一番は母を殺した海国軍を恨んでいそうです。
一体どうなるんでしょうか。
朱顔のもとで育つことで、蘇摩が真っ直ぐな心を取り戻してくれるといいんですが。
ところで、鮫人の子供が育つのにどれくらいかかるんでしょうか?
赤淵は200年前と今と見た目が全く変わっていません。
もしかしたら、蘇摩も200年は子供のままだったりしますでしょうか?
そうだとすると、育つ前に朱顔は…。
青族は氷族とのつながりを隠蔽しようと工作を始めたみたいですし、一見平和が戻りつつあるように見えて、実は前途多難ですね。
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