玉骨遥(ぎょっこつよう) 第35話 最愛の人を失う時 あらすじ
赤淵は、蘇摩を連れて蒼梧の淵へ行き龍神のもとで治療するよう如意に命じた。
記憶がないものの、如意は赤淵と別れ難いと感じていた。
赤淵は如意が自由で幸せに生きることを願いつつ、決着をつけるべく時影に文を書いた。
呼び出しを受けた時影は、明日星海雲庭で行われる決闘に向かうと決めた。
青罡と白風麟には、葉城にある星海雲庭以外の入海口である朝雲渡に向かい 海皇が通るようなら捕縛し他の者は見逃すよう命じた。
赤淵は、”星海雲庭で時影を引き付けている間に鮫人を朝雲渡から逃がす”という計画を朱顔に話した。
そして朝雲渡の鮫人を守って欲しいと頼んだ。
朱顔は引き受けた。
2人がいる場所はかつて世子を弔った場所だった。
涙をぬぐい、「また会えるわね」と朱顔は言った。
「出会えてよかった」と言って去ろうとした赤淵は、戻って少し朱顔を抱きしめた。
朱顔は澗長老に化けて朝雲渡に行き、撤退する鮫人たちを守ろうと決めた。
海皇だと名乗り、朱顔は青罡と白風麟の前に立ちはだかった。
青罡は本物の海皇か確かめると言って朱顔と剣を交えると、自分を人質にしするよう言った。
朱顔は青罡を人質にすると、海国軍を見逃すよう迫った。
白風麟は、”青罡は自分が犠牲となるので鮫人を殲滅するよう命じた”と嘘をつき、青罡共々海国軍を皆殺しにしようとした。
その時雪鷺が現れ、白風麟を止めた。
青罡に告発されたら雪鷺は皇后になれないと言って、白風麟は雪鷺を説得しようとした。
”青罡を殺したら私が告発する”と雪鷺が言うと、白風麟は攻撃を思いとどまった。
鮫人を無事に逃がし切った朱顔は、青罡に素性を明かし逃がしてもらうと星海雲庭に向かった。
星海雲庭で時影と赤淵の決闘が始まった。
時影は赤淵の水剣を折り、赤淵は口端から血を流し倒れた。
到着した朱顔は、海国軍が碧落海へ帰ったことを伝え 赤淵は裏切っていないと言って決闘を止めようとした。
しかし時影は空桑のために海皇を倒さなければならないと思っており、赤淵も鮫族のために自分を犠牲にしようとしていた。
朱顔を託し、来世があれば友になりたいと遺言した赤淵を時影は突き刺した。
朱顔は泣きながら赤淵にすがったが、赤淵は青い光になって亡くなった。
時影は、海皇を成敗し戦乱が集結したという報告を大司命等に届けた。
なぜ赤淵を殺したのか、朱顔は尋ねた。
殺さなければ70年後に空桑が滅ぶからだと時影は答えた。
予言は当たらないという朱顔に「予言は必ず現実となる」と時影は返した。
「私の赤淵を殺したのね」と言って朱顔は時影に折れた水剣を向け、”一生憎むし顔も見たくない”と言った。
すると時影は水剣を掴み、剣先を再生させ自分の胸に突き刺した。
倒れた時影は、朱顔の愛する赤淵を殺した償いだと言うと玉骨を朱顔の髪に挿した。
そして赤淵の死よりも悲しく思うかと朱顔に尋ねた。
朱顔は”好きなのは時影なのだ”と言ったが、時影は意識を失った。
朱顔は時影を抱きしめ、世子の頃からずっと好きだったけれど言えなかったと泣きながら話した。
大司命が駆けつけたが、時すでに遅かった。
誅心呪が効かなかったことを疑問に思い、大司命は朱顔の記憶を見た。
時影は自分の命で朱顔の誅心呪を解いたのだと大司命は知った。
怒りに身を任せ、大司命は朱顔を殺そうとしたが、時影は玉骨に朱顔を守らせたため大司命の攻撃は効かなかった。
死してなお、時影は朱顔を守っていた。
現れた后土の指輪の前に、氷族が集結していた。
智者は巫咸に死を装わせ、星尊帝の体を壊し氷族が滅んだように見せかけた。
全て計画だった。
智者の次なる狙いは皇天だった。
白風麟は白王に対し、一網打尽にするため敵に情報を流したところ それを青罡に見つかり時影に告発されそうだと話した。
時影の死は、まだ世に知られていないのだ。
事態を打開するため、白王は雪鷺に、時影と肌を重ねるよう命じた。
母と同じ手口を使うのだと言って。
雪鷺は白王の命令を断った。
話を聞いていた青罡は、雪鷺と夫婦になる約束をしていると言ってその場に現れた。
恋仲である証しとして、雪鷺は青罡にもらった玉佩を見せた。
雪鷺は青罡の手を取ると、2人で駆けだした。
白風麟は素月環を使い青罡を追い詰めた。
しかし突然素月環は白風麟に従わなくなった。
素月環は白族最高の術者に従う。
雪鷺が素月環を奪ったのだ。
白風麟を撃退した雪鷺は、縁を切り青罡に嫁ぐと言って白王府を出た。
感想
33話の終わりから34話にかけて怒涛の展開だったので、これ以上悪いことは起こらないだろうと思っていました。
35話の「最愛の人を失う時」というタイトルには不穏なものを感じつつも、34話以上の絶望はないだろうと思っていました。
そしたら、ありました。
ドラマ見ながら「エッ。どうするのコレ」って言ってしまいましたよね。
ついつい声が出てました。
今回は「最愛の人を失う時」というタイトルで、誰かが亡くなってしまうとネタバレを食らっているような状態でしたから、”一体誰が亡くなってしまうのか”に注目しつつ見ていました。
まず、記憶を自分で消した(33話)如意ですが、赤淵のことを兄だと覚えていないものの、何かを感じてはいるようです。
赤淵は死を覚悟しているからか、如意に兄だとは名乗らず あくまで左権使として接していました。
心では妹が自由で幸せに生きてくれることを祈りつつ。
あの後赤淵は亡くなってしまいましたから、あれが如意との最後の別れだったんですよね。
切ない別れの場面でした。
鮫人たちは皆 碧落海に帰りましたが、如意と海皇である蘇摩だけは蒼梧の淵にいる龍神のところに向かいました。
2人だけは九嶷山にいるようです。
時影に破門された朱顔は、赤淵が平和を望んでいると分かってもらえれば時影が許してくれるかもしれないと思い赤淵の所に向かいました。
赤淵は逃げる鮫人を守って欲しいと朱顔に頼みました。
自分が囮になって時影を引き付けている間に逃がして欲しいと。
2人のいる場所は時影を弔う時にいた場所と同じだと朱顔は言及し、前回は世子と別れ、今回は碧落海に帰る赤淵と別れることになるのだと話していました。
1話と同じ場所なんですね。
赤淵とのやり取りを見ていて、朱顔が九嶷山を離れる時(19話)を思い出しました。
あの時も今回も、朱顔は”また会えるだろう、こちらからも会いに行く”という話をしているのですが、相手は一言も”会える”と言ってくれない感じが似ている気がして。
19話の時影は二度と朱顔に会わない決意をしていましたし、今回の赤淵も二度と朱顔に会えないと思ってますもんね。
2人とも慰めだろうと できない約束はしないんですね。
一度は行こうとした赤淵でしたが、最後にちょっとだけ朱顔を抱きしめました。
何も言わずに、ただ抱きしめるだけでした。
朱顔が朝雲渡で鮫人を逃がそうと奮闘していると、青罡と白風麟が現れました。
(澗長老に朱顔は化けているわけですが、澗長老がちゃんと朱顔に見えて驚きました(笑))
青罡は鮫人を無傷で逃がすために囮になってくれましたが、白風麟は青罡の口封じ&鮫人殲滅の一石二鳥の機会を利用するべく、攻撃命令を出しました。
この時、タイトルのが頭を過ぎりました。
まさか、”最愛の人とは、雪鷺にとっての最愛の人!?”と。
ヤメテ―と心の中で叫んでいたら、すぐに雪鷺が止めてくれました。
安心していると、澗長老に化けている朱顔が殺されそうになりましたが、法術を使えないはずの鮫人が法術を使ったことで青罡はすぐに おかしいと気付き、朱顔が「私よ」と言うと気付いてくれました。
場面は変わり、時影と赤淵の対決です。
2人の中ではこの戦いを終わらせるために赤淵の命で蹴りをつけるということで 見解の一致が前回からできていました。
なので赤淵が亡くなった時は ある意味 ”やっぱりそうなるか” という気持ちでした。
悲しい。
赤淵のことは、心の中で密かに”薄幸兄さん”と呼んでいました。
どうして赤淵はこんなに幸が薄いんですか?
曜儀と相思相愛で過ごしたのは、寿命の長い鮫人にとっては きっと すごく短い時間でしょうし、生まれ変わりを信じて待っていた曜儀は生まれ変わらず、朱顔を曜儀の生まれ変わりと信じてしまい…。
その朱顔は時影を好きなのが明らかで。
海皇を守り戦に収拾を付けるために自分の命を犠牲にするなんて。
止家の者としての定めとかなんでしょうか?
ヤンデレにならなかった赤淵が、個人的には好きでした。
覚悟はできていましたが、残念です。
そっかぁ、赤淵が亡くなってしまったか。
まぁ覚悟はできてましたよ、と納得しかけたのですが、あれ?”最愛の人”ってなんだろう?と疑問が浮かびました。
確かに朱顔は”赤淵が最愛の人だ”と嘘をついているけれど、そのこと?みたいに疑問が浮かんでいました。
そしたら、時影が自分に水剣を突き刺してました…。
なんてこったい。
タイトルが回収された瞬間でした。
たしかに最愛の人を失ってました。
タイトルは正しかった。
/(^o^)\ナンテコッタイ
前回、時影は重明と大司命の話を盗み聞きしていて、朱顔に誅心呪がかけられていることを知りました。
赤淵の敵を朱顔が討とうとすれば、朱顔は死んでしまいます。
だから自分から?
そうなんですか!?
死を選択したのは朱顔のためで、死んでもなお朱顔を守るなんて。
泣かせないでください。
大司命が朱顔に誅心呪をかけたのは17話で、それが誅心呪で、時影を殺そうとすると朱顔が死んでしまうという術だと知ったのは18話のことでした。
あの時は、朱顔が時影を殺そうとするなんて絶対にありえないと思っていましたし、今回だって朱顔は時影を殺そうとしてないですよね。
そうだとするとですよ?
大司命は「うせろ!八つ裂きにしてもこの恨みは晴らせぬ」とか朱顔に言っていて、自分が被害者で朱顔は加害者みたいなスタンスじゃないですか?
でも実際に時影が死ぬことになったのは大司命が朱顔に誅心呪をかけたからじゃないですか?
大司命が誅心呪をかけなければ、朱顔に剣を向けられても、時影は朱顔が死んでしまうと危惧する必要はなかったわけで。
悪いの大司命じゃない?
なに、被害者面してるんですか!!!!!
時影は「予言は必ず現実となる」と言っていました。
結局は予言の力なんでしょうか?
自分に剣を突き刺した時影が、赤淵が死んでしまうのと自分が死んでしまうの、どっちが悲しい?と朱顔に聞いていて驚きました。
”いつのまにこんなに病んでたの!?34話~35話中盤までの短い間でこんなに時影が病んでしまうなんて。”と驚きました。
普通なら(普通じゃないかもしれないですが)、人と比べて「どっちが○○?」とか聞いてくるのって、割とウザイムーブと受け取られると思うのですが、時影が言うとグッとくるものがありました。
こういうのもいいじゃないか。悪くない、悪くないよ。となりました。
あの完全無欠の時影が こんなに 病んで しまうなんて、朱顔、恐ろしい子、となりました。
赤淵と時影が亡くなり、再び氷族が現れました。
どうやら智者は星尊帝と黒い もやもや のミックス状態(星尊帝に黒い もやもや が寄生してる状態?)だったようで、星尊帝の体が亡くなっても もやもや は生きている=智者は生きている という状態のようです。
智者の本体は星尊帝ではなく もやもや の方だったということでしょう。
ということで、氷族は何か企んでいます。
また、海皇=蘇摩も生きてます。
時影は「予言は必ず現実となる」と言っていました。
ということは、70年後にはやっぱり空桑は滅んでしまうんでしょうか?
ついに雪鷺が、最低な白王と白風麟のいる白王府から出て、大好きな青罡と生きる道を選んでくれました。
よかったね、青罡、本当に良かった。
絶望的なことばかり起こる中で、2人のことは暗闇の中の希望の光のように輝いていました。
次回のタイトルは「命綱の禁術」ということなので、時影が助かる禁術があるということだと思いたいです。
見てきます!
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