玉骨遥(ぎょっこつよう) 第6話 命懸けの切なる願い あらすじ
青王の目をごまかすため利用されたことを知った雪鷺は、誰が勝つかはまだ分からない、誰にも負けないと決意を新たにした。
雪鶯は時雨を好きになったが、利害が絡むため2人の仲を公にできないことを朱顔に相談した。
”兄さえ存命なら気楽な親王としてこんな思いはしないのに”と時雨が話していたと雪鶯は言った。
その話を聞いた朱顔は、「世子が存命ならよかった」と言って涙を流した。
重明は2人の話を盗み聞きし感動しつつも、これほど強い思いを持つ朱顔は時影に付きまとい続け時影の命を絶つだろうと考えた。
重明は時影からの伝言だと言って、元神を元に戻す術を学びたければ亥の刻に星尊帝の陵墓へ行き七星灯を入手するよう朱顔に命じた。
七星灯を灯し続ければ死者が生き返ると言われており、術を学ぶ助けになると重明は説明した。
七星灯を得るには死ぬこともあると言われたが、朱顔は手に入れる決意をした。
朱顔は”あなた子孫の命を救うため”と星尊帝に断りを入れて、星尊帝墓に入った。
七星灯に手を触れると、七星灯に光の蝶の大群が飛んできて、朱顔を傷つけ始めた。
七星灯は石の手に握られているが、朱顔が霊力を注ぐと、少しずつ握る手が緩んでいく。
朱顔は霊力を注ぎ続けた。
時影は星尊帝の墓に異変があると気付き、向かった。
時影が到着した時、朱顔は幻の中にいた。
幻の中の坤元宮にいる朱顔は、”ここは火に包まれる”と亡き世子に伝え助けようとしていた。
火が回ってきて、朱顔は火消しをした。
世子は「そなたは生きよ」と言って朱顔の手を振りほどこうとした。
その頃時影も、「朱顔、手を放せ。生きるのだ」と言っていた。
”法術を取得したから今度こそ必ず救います”と朱顔は諦めなかった。
このままでは朱顔の霊力は尽き死んでしまうと考えた時影は 手助けをし、朱顔を救った。
七星灯を握る石の手が解け、朱顔は七星灯を持ち帰った。
朱顔の気持ちは自分で断ち切らせると時影は重明に話した。
時影は七星灯を持ち帰った朱顔に、生き返りの術があるなら星尊帝の陵墓があるはずがないと話した。
”難題を出せば逃げると思ったが無謀なことをした朱顔は私が最も忌み嫌う者だ。弟子にするはずがない”と時影は言った。
友だから信じたのだと朱顔は話したが、時影は”友ではない、付きまとうならよそへ移る”と突き放した。
二度と来ないと言って朱顔は立ち去った。
「私などのために己を粗末にするな」と時影は朱顔の背中に呟いた。
雪鷺は雪鶯から木彫りの鳥を取り上げると、山に住む好色漢に妹が誘惑されていると訴え出た。
木彫りに使われた木は九嶷山にしか生息しない古木のものだったのだ。
雪鷺は相手を調べて欲しいと訴えた。
白王は相手の名を言うよう雪鶯に命じたが、雪鶯は話さなかった。
王たちは時雨に裁断を委ねることにした。
大司命は九嶷山の神官と神僕、六王の従者たちの筆跡を調べるよう命じた。
木彫りに書かれた字と照合したが、同じ筆跡の者はいなかった。
青王は帝王谷に籠もる神官の文字も調べたのか大司命に問いただした。
大司命は氷族と通じているのは青王だと確信した。
帰った朱顔は、雪鶯の件を聞いて急いで審議の場所に向かった。
口で愛を誓いながら庇おうともしない者への愛の誓いなど撤回すべきだ、と言って朱顔は雪鶯を連れ帰ろうとした。
互いに独り身で生きて行こうと朱顔は声をかけ、雪鶯と一緒に出て行こうとした。
すると時雨が、雪鶯を恋い慕うのは自分だと名乗り出た。
白王は喜び、青王は怒った。
そんな中帝王谷に籠る神官は居を移したという報告が届き、時影が有言実行したのだと思った朱顔は気を失った。
大司命は白王を呼び出し、あまり急いで嫁がせる必要はない、時雨が帝位を継ぐとは限らないと話した。
「かのお方が再び現れればあなたは二度と青王に膝を屈することはない」と大司命は白王に言った。
「(后土の)指輪が世に現れるのは”帝王の血”が危機に瀕した時だ…帝王の血の居場所をすでに青王は勘づいたらしい」と智者は巫咸に言った。
赤王府に帰った朱顔は何も食べず引きこもっていた。
赤王妃は赤淵に様子を見に行くよう頼んだ。
朱顔は赤淵に、”元神を元に戻す術はなかった、世子殿下を救うことはできない”と話し、泣いた。
気持ちは世子殿下に届いているだろうし、このまま修練すれば今後可能になるかもしれないと言って赤淵は朱顔を慰めた。
資質がないと時影に言われたことを話そうとしてふと手元を見ると、刺繍がしてあった。
無意識のうちに、朱顔は時影の姿を刺繍にしていたようだ。
炎風楼の呉さんが朱顔のために料理を用意していると話し、赤淵は朱顔を街に連れ出した。
炎風楼で美味しい料理を食べながら、朱顔は赤淵に相談した。
軽率だから修練に向かないと言われたが、本当だろうか、と。
自分の価値を決めるのは自分だと赤淵は話した。
誰からも好かれるのに罵られ転居するほど嫌われたのはなぜなのか、朱顔は赤淵に尋ねた。
初めて会った者にそれほど情けをかける朱顔が特殊であって、相手は悪くないと赤淵は話した。
赤淵は200年以上生きてきたが、泣いたことがないそうだ。
泣きたいときは教え合おうと、朱顔と赤淵は約束し合った。
時影は白嫣の衣冠塚にお参りし、雪薇糕を手作りしてみたが同じ味にならない、会いたい、と語りかけた。
感想
雪鶯と時雨の関係を知り、利用されたと雪鷺が知った場面で前回終わりました。
雪鷺がどんな風に雪鶯を陥れようとするのか戦々恐々としていましたが、雪鷺は雪鶯が男に誘惑されていると六王に訴え出ました。
陰湿な嫌がらせをするのかなと思っていたのに公にしたのは意外でした。
雪鶯は相手を言わず、相手が分からず公になったことで、雪鶯の名誉は傷つけられ「ふしだらだ」などと陰口を言われてしまいました。
これが雪鷺がしたかったこと?と雪鷺の考えていることが分からないまま見ていました。
色々雪鶯は言われていますが、相手は時雨なわけで、雪鶯の名誉が一度は傷つけられても王子様と恋仲だということが最終的には公にされます。
そうなれば、雪鶯の名誉は回復するように感じたからです。
朱顔が乗り込み相手の男の卑怯さをなじったことで、時雨は正々堂々と雪鶯を守ることに決めました。
時雨は皆の前で”白雪鶯を想っている”と宣言し雪鶯と手をつなぎ…、と良い場面でした。
しかし、青王の顔は全然良いと思っていませんでした。
あの青王の顔を見て、雪鷺が何をしたかったのか理解できた気がしました。
前回、時雨は青雲と青王に邪魔されるのを恐れて2人の仲を秘密にしようと言っていました。
雪鷺はそれを聞いていましたし、6話の冒頭では「愛し合う者が添い遂げるとも限らない」と言っていました。
雪鷺は自分よりも圧倒的に力がある青雲と青王に2人の仲を裂いてもらおうと思って2人の仲を公にするため訴え出たのではないかと思いました。
2人の仲がそれほど深くない今のうちに手を打とうと思ったのですね。
なるほど。
”帝王の血”という新たなキーワードが智者の口から飛び出しました。
多分時影が帝王の血なのでしょう。
3話で智者の放った巫咸たちが后土の指輪を求めて帝王谷を襲いましたが、結局持ち帰れませんでした。
それに3話で大司命すら后土の指輪がどこにあるか知らないと話していました。
智者は巫咸から后土の指輪を持ち帰れなかったこと、時影という強い奴がいたことの報告を受け、色々調べたのでしょう。
そして、”帝王の血が危機に瀕した時に后土の指輪が現れる”という新たな情報をゲットしたのだと思います。
后土の指輪が欲しい智者としては”帝王の血”である時影を危機に陥れようと、これからいろいろ仕掛けてくるでしょうか?怖いですね。
ここまで考えて、大司命も もしかしたら このことを知っているのかもしれないと思いました。
大司命は時影を闇落ちさせようとしていますが、一方で時影が嘉蘭に帰り元の地位に戻ることも望んでいるっぽいですよね。
今回も白嫣の兄である白王に、時影が帰るかもしれないから雪鶯を時雨に嫁がせるのは待ったほうがいいみたいなことを言っていました。
私は大司命は白嫣を愛していたという説を推しているので、大司命が本当の意味で時影にとって悪いことを望んでいるとは思いたくないです。
その立場から今回智者の言っていた話を聞いて思い浮かんだ説は、このようなものです。
大司命は時影を闇落ちさせ危機に瀕するよう仕向けようとしているのではないかという説です。
帝王の血である時影が危機に瀕すれば后土の指輪が現れます。
后土の指輪できっと時影は救われ、そうして后土の指輪を得た帝王の血は最強になる!みたいな設定があるのではないでしょうか?
時影を最強にし、空桑に完全無欠の皇太子として戻そうとしているのではないか、というところまで妄想しました!
朱顔は世子が生きていたらと涙し、重明を感動させました。
朱顔の気持ちがこんなにも強いことを知った重明は警戒心を強め、ついに朱顔を亡き者にすることに決めました。
「明朝、時影が起きる頃すべて終わっている」と考えた重明ですが、時影は重明の様子を見てすぐに隠し事をしていることに気づき、さらに星尊帝の陵墓に異変があると気付きすぐに現場に向かいました。
9000年生きていても隠し事のできない重明と、有能な時影のおかげで朱顔は助かったということですね。
時影は、命懸けであの日の自分を助けようとする朱顔を見て、絶対感動しましたよね。
でも命懸けで自分を生き返らせようとする朱顔の姿を見たからこそ、絶対に突き放さなければならないという気持ちを強めたのも確かで、だから、きつい言葉を使い朱顔を傷つけました。
朱顔は時影が引っ越したという話を聞き、そこまで嫌われたかと落ち込み食事をしなくなってしまいました。
けれど赤淵のおかげですっかり励まされたようです。
良かった。
赤淵が200歳以上だということはとっても驚きました。
この世界の住人は18年くらいで大人になり、それから何百年も同じ姿で過ごす感じでしょうか。
にしては親世代はちゃんと人間の親と同じくらいの見た目なのがどういうこと?とちょっと思ってしまうのですが。
それは視聴者を混乱させないための配慮、大人の事情、お約束ですよね。
今週、一番気になったシーンは朱顔が無意識のうちに時影の顔を刺繍していたことに気づいた場面です。
これは!
朱顔の中で恋心が生まれたということですよね!?
本人はまだ気づいていないけれど、確実に恋をしてますよね!
来週は7話「大司命の策謀」と8話「弟子選抜試験」ということで、ついに大司命が何を考えているか明かされる!?ものすごく楽しみです。
そして弟子選抜試験とは誰の弟子でしょうか?
1話を見た視聴者はすでに朱顔が時影の弟子になることを知っています。
時影の弟子選抜試験でしょうか?
ついに朱顔が時影の弟子になる!?
来週、すごく楽しみですね。
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