玉骨遥(ぎょっこつよう) 第9話 玉骨を手に入れる者 あらすじ
朱顔と時影は混沌の中で老婦人に出会った。
ここで一緒に暮らそうと老婦人は2人を誘った。
すると時影は、一緒にここで過ごそうと言って朱顔の手を握り、お菓子を食べさせた。
老婦人は痴霊で、時影に瞬殺された。
痴霊は満足させると御しやすいため、時影はあえて痴霊の満足するような行動をとったのだった。
時影は小屋の中で脱出のヒントだと思われる書きつけを見つけたが意味は分かりかねた。
小屋は消え、崖と下に広がる雲の渦が現れた。
時影は朱顔をここから突き落とし混沌に捧げれば自分は脱出できると言い出した。
突き落とされるか自分で落ちるか、どちらか選べと言われた朱顔は目に涙をため「心から恨む」と言うと雲の渦に飛び込んだ。
「なぜ脱出の方法が分かった」という混沌からの声が聞こえた。
時影は書きつけを読み、恨み極まる者だけが混沌の出口を開けると気付き、あえて朱顔にひどいことを言ったのだった。
朱顔は出られたが、その代わり時影は一生ここに閉じ込められる。
恩人を自分の怨念が殺したと知れば朱顔は悲嘆するだろう、それこそが望みだと混沌は言った。
その時、善の念が時影の周りに現れた。
時影は朱顔が自分を信じ助けるためだったと気付いてくれるだろうと思い、賭けに出たのだった。
善の念のおかげで時影は帰ってくることができた。
朱顔は千月峰に落ち、青罡と合流した。
いなくなってから30分ほどしか経っていないそうだ。
時影が自分を助けるためにしたのだと朱顔は気付いた。
玉骨を見つければ、玉骨は主を捜せるかもしれないと思い、朱顔は先を急いだ。
帰った時影を大司命が待っていて、なぜ星尊帝すら苦渋を飲まされた混沌に入ってまで朱顔を助けたのか問いただした。
時影は窮奇が現れたのは故意のはずだからだと話した。
すると大司命は、自分が窮奇を呼び寄せたのだと告白した。
時影の命を狙う昊青がいるからだ、と。
時影は命を軽んずることを大司命が望むなら自分は弟子を取らないと宣言した。
大司命は折れたが、朱顔を前から知っていたため助けたのではないかと疑念を口にした。
時影は否定した。
大司命は、もし会っていれば朱顔が時影の命を奪うことになるのだから、必ず立ち去らせるよう言った。
玉骨のある千月峰の頂上にたどり着いた。
玉骨が無事だったので時影の無事を確信し、朱顔は青罡に勝ちを譲ろうとした。
そこに雪鷺と雪鶯が到着した。
急いで朱顔達は玉骨のある小島に渡ったが、雪鷺以外は結界に弾かれ跳ね返された。
雪鷺は玉骨を掴んだが、暴れる玉骨を制御できず宙に舞い上がり、溶岩の中に落ちた。
青罡は雪鷺を助けるため溶岩の中に飛び込んだ。
朱顔たちは玉骨を離すよう言ったが、雪鷺は死んでも離さない覚悟だった。
青罡は雪鷺を抱き留め朱顔たちの方に投げると、自分は溶岩の中に沈んでいった。
雪鷺は雪鶯が手を伸ばし助けようとしたが、雪鷺が暴れる玉骨を持っているため上手く引き上げられない。
絶対に玉骨を離さないという雪鷺を見かね、朱顔は玉骨を奪うと溶岩の中に落ちて行った。雪鷺も雪鶯も落ちた。
溶岩が消え、周囲は元に戻った。
幻覚だったのだ。
玉骨は朱顔の手の中に落ちてきた。
朱顔は玉骨を青罡に渡そうとし、雪鷺は奪おうとし、戦いになった。
そのはずみで、雪鶯が谷に落ちてしまった。
朱顔は雪鶯を助けるため飛び、雪鷺は玉骨に向かって飛んだ。
青罡は雪鷺を助けるため飛んだ。
登頂した者が時影の前に集められた。
朱顔は時影が助かっていたことに胸をなで下ろした。
雪鶯が辞退を申し込むと、時影は玉骨を得た雪鷺を一番弟子にすると言った。
その時大司命が現れ、友を救うことを選び窮奇を知恵で退けた朱顔こそ一番弟子にふさわしいのではないかと提案した。
断れば朱顔と以前会ったことがあると思われる。
試されているのだと気付き、時影は朱顔を一番弟子にすると言った。
すると大司命は規則では玉骨を得た者となっていたから、まだ一番弟子を決めるのは早いとその場をまとめた。
青罡の所に筆と文が届いた。
文にはこの筆で少司命が時影かどうか確かめるよう書かれていた。
朱顔は赤淵の所に行き、試験に受かったけれど少司命が件の神官だったから弟子になりたくないと話した。
疲れているらしい赤淵に、朱顔が術を施すと、鏡花水月(幻覚の水の流れ)が現れた。
鮫人の逆鱗に霊力が注がれると現れるそうだ。
鏡花水月を見ながら赤淵は、曜儀と共に初めて鏡花水月を見た時のことを思い出していた。
朱顔に触れようとした赤淵は、朱顔を拒めないと言って曜儀に謝罪した。
鏡花水月の中に入った朱顔は、以前は罵られたが今回は助けられたので辞退するのはやめようと決めた。
朱顔が時影に会いに行くと、室内から”辺境に住む赤族の法術はままごとだ”と言う声が聞こえてきた。
朱顔は時影に助けてもらった礼を言うと、辞退を申し出た。
朱顔が去れば大司命の疑いは深くなる。
時影は辞退は戒律として認められないと返した。
そこに大司命がやってきて…?
感想
前回の終わり、橋が完成したことで混沌から出ることができたのだと勝手に思っていましたが、まだ終わっていませんでした。
まだバリバリ混沌の中でした。
痴霊夫人のところでどっきり事件が発生です。
”ここにいればいつまでも時影といられて時影の目には朱顔しか映らない”などと言われ、嬉しそうな朱顔です。
なんでそんなにうれしそうなの。
もしかして恋心を本人も自覚しているんでしょうか。
しかしふと我に返り、こんな所半日でうんざりだと、朱顔は時影に同意を求めました。
すると時影が朱顔に対して甘い雰囲気を醸し出しました。
手を握り一緒にいようと言い、お菓子を食べさせてくれました。
朱顔は不思議な顔をしていましたから、嬉しそうにしていたように見えたのは、単に老婦人に2人の仲を勘違いされて恥じらっていただけかもしれませんね。
なんて思っていたら、嬉しそうに時影を見ながら菓子を食べる朱顔。
そして老婦人の豹変です。
ここで時影が痴霊に合わせていただけだと知りました。
これがあったおかげで、朱顔は次に起きたことも、時影が自分を助けるためだったとすぐに気付くことができたのかもしれません。
実際助かりましたし。
それにしても、時影は5年間女性に会うことなく過ごしてきたのに、あんな甘い雰囲気を出せるなんて末恐ろしいですね。
一体どこで見た何を参考にしたんでしょうか。
白嫣と北冕帝にもあんな感じで仲睦まじい時期があったのでしょうか?
それとも北冕帝が秋水など寵姫といる時の様子を参考にしてたりするんでしょうか。
あるいは本で読んだとか?
あの知識の出どころが知りたいです(笑)
なぜ自分のような粗忽物のために帰れるか分からない場所に入ったのかと尋ねる朱顔は、何かを期待しているように見えました。
前回の終わり、自分と会った時のことを思い出した時影は嬉しかったらしいと朱顔は知りました。
尋ねても時影は答えてくれませんでしたから、朱顔は「追い返して楽しかったでしょ」なんてキレ気味で言ってましたが、本当は心のどこかで時影も楽しい思い出だと思ってくれているという期待があり、この質問があったような気がしました。
今回も時影からの答えはありませんでしたけれど。
時影が術を放つと、小屋が消え崖と雲の渦が現れたわけですが、混沌の中では法術は使えないと前回は言ってましたよね?
今回は使えるんですか?三霊を全て制したからでしょうか?謎が残りました。
時影が豹変し、”修練のために混沌に入った私は、お前を突き落としてここから出る”と言い出しました。
そしてそれを信じる朱顔。
信じてくれないと、2人は助からない訳ですから信じてくれてよかったわけですが、これを信じるとすると、朱顔の中の時影のイメージってぐちゃぐちゃというか、多重人格者な感じじゃないですか?
基本はやや冷たいけれど落ち着いていていい人っぽいのに、突然暴言を吐き突き放す。
かと思ったら助けたり、一緒にいて嬉しいと言ったりする(言ってはいませんが)。
さっきも演技だったんだから今回も演技と気付くのではないか、と思い見守りましたが、本気で朱顔は傷つき恨みを抱き落ちて行きました。
おかげで朱顔は助かり、助かったことで演技だったと気付いた朱顔のおかげで時影も助かりました。めでたしめでたし。
大司命が待っており、そこで大司命は窮奇は自分がやったことだと話しました。
前回もそんな印象を受けましたが、大司命本人の口から人の命を軽んずる発言が飛び出したことで、大司命は必ずしも味方の訳ではないかもしれない、と思いました。
もしかして悪役?
大司命には大司命なりの正義があり、そのために時影を自分の思う通りコントロールしたいみたいですが、人の命に優劣をつけるようなキャラの正義は歪んでいそうです。
玉骨奪い合いの場面で、青罡が雪鷺を好きだと言うことが発覚しました。
そうか、当て馬じゃなかったか。
なんで雪鷺なんかが好きなの?お色気にやられたでしょうか?それとも前から好きだったパターンでしょうか?
青罡はいいヤツだと思うので、悪の道を突き進まないよう雪鷺を守ってあげて欲しいです。
そして朱顔が自己犠牲の鬼だということも知りました。
流石ヒロインです。
赤淵との場面を見て、赤淵が当て馬かな、と思いました。
朱顔が赤淵に霊力を注いだことで、鏡花水月が現れました。
鏡花水月は鮫人の逆鱗に霊力が注がれると現れるそうですが、そもそも逆鱗は耳の後ろのあたりにある上 誰にも触らせないものなので、めったに現れないそうです。
最初に現れたのは、曜儀といる時で、鏡花水月の中からは水剣が現れました。
曜儀は私だけと鏡花水月してほしいと言いましたが、赤淵は朱顔ともしてしまいました。
その上、朱顔に触れそうになり曜儀に謝っていました。
やっぱり朱顔が曜儀の生まれ変わりで、赤淵が当て馬でしょうか。
鏡花水月の中で、修行しようと決めた朱顔でしたが、時影と重明が自分の悪口(?)を言っているのを聞いて辞退を決めました。
辞退されると大司命に疑われ困る時影は、辞退を許さず。
そこに大司命が来てしまい、時影は朱顔を隠しました。
青罡の所には少司命=時影かどうかを探るアイテム「筆」が届きました。
筆でどうやって?
良い奴な青罡も、一族には刃向かえず、少司命=時影だと判明したら報告し、命じられればころすんでしょうか?
青罡にそんなことしてほしくないですが。
とりあえず、次話見てきます。
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