玉骨遥(ぎょっこつよう) 第30話 少司命の決断 ネタバレあらすじと感想

第30話 少司命の決断 玉骨遥

玉骨遥(ぎょっこつよう) 第30話 少司命の決断 あらすじ

時影じえいは証人を口封じした人物を追い幻影空間に入った。
そこで時影じえい星尊せいそん帝・琅玕ろうかんに会った。

白薇はくびと共に築いた空桑くうそうの堕落を見たくなく、滅ぼして作り直したかったためひょう族と結託したのだと星尊せいそん帝は語った。
空桑くうそうの民として国を害する者は敵だと言って時影じえいは剣を抜いた。

星尊せいそん帝はかつて白薇はくびの愛に背き、白薇はくびは誤解し遠ざかっていった。
星尊せいそん帝は数千年過ちを悔いて生きてきた。
時影じえいがいれば空桑くうそうは生き残れる、自分は疲れた、と言うと星尊せいそん帝は両手を広げ刺すよう言った。

時影じえい星尊せいそん帝を刺し殺した。
星尊せいそん帝は用済みになったひょう族の巫咸ふかんを殺しており、空桑くうそうが警戒すべきは海国軍のみとなった。

戦が終われば手柄を立てる機会を失ってしまう。
白風麟はくふうりん時影じえい朱顔しゅがんに対する恨みを募らせていた。

戦について一段落付き、時影じえい重明ちょうめい時影じえいの還俗について話し合っていた。
還俗は朱顔しゅがんと添い遂げるためだと時影じえいは認めた。
どのように気持ちを打ち明けるのか重明ちょうめいが尋ねると、時影じえいは還俗してから考えると言った。

2人の話を聞いていた赤淵せきえんは、曜儀ようぎとのことを話した。
200年前は戦火が絶えない時代だった。だから赤淵せきえん曜儀ようぎに想いを伝えた。正直に”愛している”と伝えたことが一生で最も正しかったことだと赤淵せきえんは話した。
時影じえい朱顔しゅがんに想いを伝えられるように。

時影じえい朱顔しゅがんを訪ね、明日の元宵節に一緒に街へ行こうと誘った。

翌日、朱顔しゅがんは書画館に時影じえいを連れて行き、必死に予習した通り書画について説明した。
店の客は朱顔しゅがんを案内人だと思い朱顔しゅがんの話に聞き耳を立てた。
しかし朱顔しゅがんの話にはだんだんボロが出始め、時影じえいは助け舟を出した。

店から出た時影じえいは、「いつまでも私を師匠と思わなくてよい」と朱顔しゅがんに話した。
すると朱顔しゅがんは、時影じえいは死ぬまで師匠であり自分は弟子としてわきまえると言った。

時影じえいは幼い頃 影絵芝居を観たが結末まで見られず心残りだったという話をした。
2人はその影絵芝居の店を探すことにした。
時影じえいの記憶では、赤い魚の目印がある店だった。

走ろうとする朱顔しゅがんを、時影じえいは病み上がりだからと手をつなぎ引き止めた。
その時 花火が上がり、2人は一緒に花火を見た。

ついに2人は探していた影絵芝居の店を見つけた。
店主によれば、当時は「義妖ぎよう伝」をやっていたそうだ。
朱顔しゅがんはもう一度「義妖ぎよう伝」を見せて欲しいと頼んだ。

しかし今は色恋の演目を演じられないと言われてしまった。
せき族の郡主の素行を青雲せいうんがたしなめ訓戒が出ているのが理由だそうだ。

代わりに2人の姿を切り絵にしようと店主は言った。
時影じえいは自分も作りたいと言い、店主に手ほどきを受け2人の姿を切り絵にした。

店では影絵芝居に出てくる言葉や 祝福の詩 を書いた紙に 切り絵 を貼り 婚姻の祝い紙 を作っていた。
時影じえいの切り絵を見た店主は、10年で一番良い切り絵だ、想い人だからだろうと言い、婚姻の祝い紙の上に切り絵を乗せた。

店主の誤解を解こうとした朱顔しゅがんは、祝い紙に書かれているのが時影じえいから贈られたのと同じ”めでたき良縁”という詩だと気付いた。
店主によれば、その詩は「良女伝」という芝居に出てくるものだそうだ。
「良女伝」は良という女子が若者と駆け落ちするも、若者は死んでしまうという話だと知った朱顔しゅがんは、時影じえいに文句を言った。

時影じえいの視線は”この人生に1人だけ~”という祝い紙に釘付けになっていた。
選ぶよう言われた朱顔しゅがんは、「玉匣ぎょっこう伝」という男女が添い遂げる話の一文だと聞き”この人生に1人だけ失わず忘れず離れるなかれ”を選んだ。

時影じえい朱顔しゅがんに還俗するつもりだと話した。
そこに重明ちょうめいが駆けてきて、時雨じうが傷を負ったと伝えて…?

感想

まさかの星尊せいそん帝登場でした。
星尊せいそん帝の名前が琅玕ろうかんだと出てきたのは多分初めてですよね?(見落としの可能性大)

琅玕ろうかんと言えば、1話に名前が出てきていました。
「7000年前空桑くうそう琅玕ろうかん雲荒うんこうを統一。だが破壊神虚遥きょように心を惑わされて操られ…」と語られていました。

ここまで見て来ていれば、7000年前に雲荒うんこうを統一した人物=星尊せいそん帝と気づけそうな気もしますが、全然気づいていませんでした。

星尊せいそん帝は「白薇はくびが捧げてくれた深い愛に背いた」と言っていました。
これは破壊神虚遥きょように心を惑わされ操られたことで、白薇はくびとの間に誤解が生まれてしまったことを言っているのかなあと想像しました。

そして星尊せいそん帝が智者ちしゃとしてひょう族を操っていた理由がついに明らかになりました。
白薇はくびと築いた繁栄した雲荒うんこうが堕落し踏みにじられるのが見たくなかったから…。
すごい理由でした。

白薇はくびに対して執着していると言われた星尊せいそん帝の、「執着ではない。心骨に刻したのだ」というセリフは名台詞だと思いました。
”執着なんて軽い言葉で片付けないでっ。もっとすごいんだからねっ”という気合を感じました。
さすが7000年以上生きてる人ですね。

”十巫は巫咸ふかんが作り上げた組織なので巫咸ふかんさえいれば何度でも再建できる”と20話で時影じえいは言っていました。
時影じえいさえいれば大丈夫だと思った星尊せいそん帝は、その巫咸ふかんを自ら片付け、時影じえいに刺されて逝きました。

星尊せいそん帝(智者ちしゃ)は白薇はくびの遺した后土こうどの指輪を求めて、乱を起こそうとしていると思っていましたが、違ったんですね。
あれだけ求めていた后土こうどの指輪はゲットできたんでしょうか?
ゲットできなかったけれど時影じえいを見てきてもう自分は必要ないと思えたから逝ったんでしょうか。
后土こうどの指輪を見たかったな、とちょっと思いました。

星尊せいそん帝が色々自己解決してくれたおかげで、空桑くうそう・鮫族・ひょう族がにらみ合っている三つ巴の複雑な状態から空桑くうそうと鮫族が対立するシンプルな形になりました。
せい王の罪を追及することはできなくなってしまいましたが、ひょう族は脅威ではなくなったため、後回しでもいいのかもしれませんね。

そんなわけで、時影じえい朱顔しゅがんと添い遂げようと決意したみたいです。
ついに!!!!

いつものように重明ちょうめい朱顔しゅがん時影じえいのことを話題にし、「還俗は朱顔しゅがんのためだろ?添い遂げることを望まぬとでも…」と言った時、きっと時影じえいははぐらかすだろうと思いましたよね?
ところが時影じえいの答えは「望む」でしたΣ⊙▃⊙川
しかも被せ気味に。

その上、どうやって気持ちを打ち明けるか考えだしたりして。
(≧∀≦●)ノノキャァァァァァァァァァ☆・゚:*となりました。

今回のタイトル「少司命の決断」とは、還俗し朱顔しゅがんと添い遂げるぞ!という決断だったんですね。

2人の話を聞いていた赤淵せきえんは、朱顔しゅがんを見守ってきた者として「あなたは朱顔しゅがんに幸せをもたらす唯一の人」と時影じえいに言い、時影じえい朱顔しゅがんに告白できるよう昔の話をしました。
赤淵せきえん朱顔しゅがん曜儀ようぎの生まれ変わりだと思っていますから、時影じえいを後押しするのは曜儀ようぎを奪われるのと同義で、身を切られるような苦しさがあるのではないかと想像しました。
朱顔しゅがんの幸せを想って身を引いてくれてると思うと、愛を感じました。

そんな感じでジーンとしながら見守っていたら、朱顔しゅがん時影じえいに色仕掛けをし始め、笑いました。
時影じえいが突然訪ねてきて、部屋の片づけが十分でなかった朱顔しゅがんは、時影じえいに気づかれないよう片づけをし、それがたまたま色仕掛けのようになってしまったという形です(どんな状況!?)。
朱顔しゅがんに身体を密着されて字が書けなくなってる時影じえいが可愛かったです。

時影じえい朱顔しゅがんと添い遂げたいという気持ちを告白しようと思ってきているのに、朱顔しゅがんは「師匠が何を言いどこへ行こうと私は気にしません」などと言っており笑いました。
そしてデートで入った書画館で朱顔しゅがんが最初に説明した絵は、告白できない間に描かれたという絵でした。絵を描き終えたら好きな相手が人妻になっていたという絵(笑)
先行き不安です。

幸先の悪いスタートでしたが、昔見た影絵芝居の結末を知りたいという時影じえいのために2人は影絵芝居屋を探し始めました。
探しながら2人は良い雰囲気に。
手を繋いで一緒に花火を見て、ついに店を見つけて。

時影じえいの見たかった「義妖ぎよう伝」というのは、白蛇の精が命の恩人の妻となり恩返しするという話だそうです。(白娘子-Wikipedia参照
時影じえいは昔見た影絵芝居が恋愛物だったことを思い出し、いい雰囲気を作るために恋愛物の影絵芝居が見たいと言ったのでしょうか?計算でしょうか?

しかし朱顔しゅがん時影じえいが駆け落ちしたという噂のせいで恋愛物は演じられないと言われてしまいました。
あらぁ。

代わりに切り絵を作ることになりました。
朱顔しゅがんのことを店主が”想い人”と表現しても店主が2人の婚姻の祝い紙を作りに来たのだろうというスタンスで対応しても何も言わない時影じえいと、おかしいと感じる朱顔しゅがんが面白かったです。

そんな中、時影じえいが20話で朱顔しゅがんに贈った”才子佳人めでたき良縁”という詩が寡婦になる物語から取られたものだと判明し、笑わせていただきました。
時影じえいのことだから、知ってて贈ってますよね?
今回は時影じえいの腹黒い(計算高い?)一面を見れた気がして嬉しいです。

朱顔しゅがん芝蘭しらん玉樹ぎょくじゅの2人が添い遂げる物語からとった”この人生に1人だけ”という詩を選びました。
朱顔しゅがんは「芝蘭しらん玉樹ぎょくじゅならさっきも目にした」と言っており、見返してきたら書画館で時影じえいが扇子について説明した時「茸草が芽吹かねば芝蘭しらん玉樹ぎょくじゅは育たない」と言っていました。

芝蘭しらん
「 霊芝(れいし)と蘭。転じて、かおりのよい草。また、すぐれたものにたとえる。」
という意味
玉樹は
「① (「玉」は美称) 美しい木。② 高潔な風姿の人のたとえ。③ 「ぎょくじゅこうていか(玉樹後庭花)」の略。④植物「えんじゅ(槐)」の異名。」
という意味だそうです。

芝蘭(しらん)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)
玉樹(ぎょくじゅ)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

人の名前として物語では使われていますが、芝蘭は草で、玉樹は木だったんですね。

朱顔しゅがんは、次に嫁ぐときに時影じえいはこれを贈るつもりなのだろうかと訝しみました。
そんな中、時影じえいは還俗する話をし、この流れで朱顔しゅがんに告白か!?と固唾を飲んだとき、重明ちょうめいがやってきて時雨じうの負傷を報告しました。

告白はどうなる?
そして時雨じうは無事ですよね?

次回31話は「不器用な恋の行方」ということで、時影じえいが告白しようと頑張る話が描かれるのでしょうか?すごく楽しみです。

32話は「闇に落ちた蘇摩」です。l||l(›ଳдଳ‹)l||l 
なにこの不穏すぎるタイトル…。
すでに世界に絶望していそうな蘇摩そまが、さらに闇落ちしてしまうような何かがあるっていうんですか?

もうやめてあげて。

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