玉骨遥(ぎょっこつよう) 第11話 秘められた少司命の素性 あらすじ
朱顔は時影の髪を梳かすことに成功した。
2人の様子を見た重明は、必ず2人を止めると決意を新たにした。
朱顔は好意ではないと自分に言い聞かせ、髪を抜いた。
時影はすぐに気付き、髪を返すよう言った。
朱顔はここでの思い出に欲しいと言ったが、時影は帰ったら法術以外のことは忘れるよう言い再度返すよう言った。
髪を返した朱顔だが、返した以外にも実はもう1本髪は抜いてあった。
約束通り青罡に髪を渡した朱顔だが、邪道を嫌う青罡が髪で法術を強化するようなことをするだろうかと疑問に思い様子を見に行った。
青罡が筆と髪を近づけると、髪は筆に融合した。
呪術のようだと思った朱顔は、一緒に事情を説明しに行こうと青罡に言ったが、青罡は難しい顔をしていた。
朱顔は筆を奪い1人で時影の所に行き筆を見せた。
筆は時影が生れて100日目の髪で作った時影にとって初めての筆だった。
朱顔は青罡に髪が欲しいと言われたこと、髪と筆が融合したのを見たことを話した。
時影は自分の心配よりも、法術など どうでもよく髪が欲しかっただけかと朱顔に問い返した。大事なことだからと。
朱顔は自分の言葉は全て真実だと伝えた。
筆は害にならないと言って、時影は朱顔んを返した。
重明は女色に惑わされなくなる術を文献から探し出した。
法術を解く方法は解明されていないと文献には書かれていた。
青罡は時影に勝負を挑みに行った。
時影は軽く青罡を躱し、毒を使うよう言った。
鵲踏枝は青族の体内にある。
その封印を解き自分自身が鵲踏枝となることで、毒を相手に移すことができる。
鵲踏枝の毒とは、自分が死ぬか相手が死ぬかという毒だった。
青罡は鵲踏枝の封印を解いた。
自害を図る気だと気付いた時影は、鵲踏枝の毒を自分の指先に移した。
暗殺者を見逃すのかと青罡は時影に問いかけた。
時影は、師として弟子の得意技を見たまでだと答えた。
時影は青蝠の血の流れる青罡に、柔よく剛を制す青蝠剣法を披露すると筆のお返しとして青蝠剣を授けた。
青罡は時影の素性を誰にも言わないと誓った。
2人の様子を雪鷺が見ていた。
青罡の前では平静を保っていたが、部屋に帰った時影は毒で苦しんだ。
考えた末陰謀だと気付いた朱顔は、時影の部屋にやってきて事態を知った。
使われたのが蝶恋花とも呼ばれる鵲踏枝だと知り、毒が花のような模様を手に刻んでいるのを見た朱顔は解毒法を思いついた。
時影は方法も聞かず朱顔を信じた。
蝶なら毒を消せると考えた朱顔は、時影を星尊帝の陵墓に連れて行き、七星灯に触れるよう言った。
そうすれば蛍火蝶をおびき寄せることができる。
朱顔の言う通りにすると、現れた蛍火蝶が鵲踏枝の毒を消し去った。
その様子を雪鷺が見ていた。
時影は”頑”という文字だけを残し、朱顔の手の文字を消した。
朱顔は時影のような達人の力になれたことを喜び、日々精進すると決意を語った。
重明は朱顔の話を聞き、その善良さに心を打たれた。
青罡は筆は髪と融合しなかった、少司命は時影ではないと報告した。
雪鷺は水浴び中の青罡の前に現れ、どんな報告をしたのか尋ねた。
青罡は話さなかったが、”亡き世子である少司命を毒殺しようとしたが真相を報告していないのだろう”と問われ動揺が態度に出てしまった。
雪鷺は大司命の所に行き、危険は去ったと報告した。
まずは雪鷺を一番弟子にしなければならない。
大司命は雪鷺に赤族の火を抑えられる氷魄という短剣形の法器を与えた。
時影が1人で鵲踏枝の毒を解毒したのは本当かと尋ねられた雪鷺は、重明がいたとだけ話した。
講義で霊識草が配られた。
修行では、まず雑念を捨てるのが重要だ。
霊識草で腕輪を編み霊力を注ぎ身に付ければ雑念の有無が分かる。雑念があれば揺れ音がなるのだ。
多めに編めば少司命がその中から1つを選び実演するだろうと講師は言った。
皆、腕輪を2つ編み1つを時影に差し出した。
朱顔も意を決して持っていったが、朱顔の作った物は雑でみっともないと生徒たちに言われてしまった。
しかし時影が促すので、朱顔は思い切って腕輪を渡した。
時雨は修行で必要そうな物や甘いものを雪鶯に贈っていた。
雪鶯はそれを使い、腕輪を編むのにできた朱顔の傷を手当てしてくれた。
時影は持ち帰った腕輪の中から朱顔のものを選んだ。
重明がなぜかと尋ねると傷つけた朱顔を諦めさせるためだと答えた。
冴えない自分が憧れの世子だと気付かれたくない、大司命に気づかれるかもしれないと話す時影の言葉を聞いて、重明は全て朱顔のためなのだと感じた。
重明は女色避けの術を時影にかけた。
時影の講義が始まった。
時影は朱顔の作った腕輪を身に着けていて…?
感想
朱顔は青罡との約束を守るため、時影の髪をゲットしようと動きました。
願い事を持ち出された時影は断り切れず、髪を梳かさせました。
ついにチャンスがやってきましたが、朱顔は少しためらっていました。
その時の心のセリフは『朱顔冷静になって。弟子入りしたから接し方を変えただけで好意ではないわ。やるべきことをやって』というものでした。
自分に言い聞かせているあたりからして、もうこれは好意ではないでしょうか?
6話で時影にひどい言葉を言われ突き放されても、朱顔は時影の姿を無意識に刺繍してしまうくらい時影のことを思っていました。
あの後 混沌のなかで助けられて、時影も出会ったことを楽しいことだと思っていたと知って、そして師匠として尊敬できる人だとも思いましたよね。
色々なことがあって朱顔の心もぐっと動いたということ?
だったらいいです。
髪を抜いたことはすぐに時影に気づかれましたが、2本抜いておいたので朱顔は無事に青罡に髪を渡すことができました。
筆と髪でどうやって正体を暴くのか謎でしたが、あの筆は、時影が生まれて100日目の髪で作られたものだったということで、髪で同一人物かどうかが分かるという仕組みだったようです。
朱顔は邪道を嫌う青罡らしくないと気付き、青罡を説得してから時影のところに経緯を話しに行きました。
青罡のことは正々堂々とした いい奴だと思っていましたが、朱顔はその点青罡以上に正々堂々としてますね。
朱顔から話を聞いた時影は、自分の心配よりも朱顔が法術を習いたいからではなく髪をゲットするために自分に近づいたことを知り、ちょっと怒ってました。
師匠への感謝のためと言って肩を叩こうとしたり、髪を梳かそうとしたりしたことが髪をゲットするため=青罡のためだと知ったからムッとしたということですよね?
真摯に自分を想ってのことじゃなくて青罡の願いを叶えるためだと知って怒ったってことですよね?
いいじゃないですか!!
朱顔は全て本心だと話し、時影の機嫌は直りました。
時影は恐らく今後のことを全部読んでいて、筆で害は及ばないと話しました。
時影が世子だったと知り、青罡は時影を倒しに行きました。
正々堂々と(?)剣で勝負を挑みましたが、全く歯が立たず。促され鵲踏枝を用いることに。
鵲踏枝は青族の体内にある毒らしく、その封印を解くと自分自信が毒になり触れた相手に毒を移すことで相手を倒すことができる、というもののようです。
相手に毒を移さなければ自分がしぬというかなり危険な毒でした。
青雲はそんなものを使えと命じたわけで、刺客とは常に死と隣り合わせのお仕事なのかもしれませんが、ほとんどしぬことを命じられたようなものだったのだな、と今回見て思いました。
そんな命令を受けて試験に参加していたのに朱顔を助けてくれたり雪鷺にどっきりしたりと平静に(?)振る舞っていた青罡、すごいです。
慣れっこということなのでしょうか。
時影が今回毒を引き受けてくれましたから、これで青罡の体からは毒がなくなりましたよね?
これからは心置きなく雪鷺を改心させてあげて欲しいです。
青罡の前では青蝠剣法を披露したり青蝠剣を与えたりといつも通りクールに振る舞っていた時影でしたが、鵲踏枝のせいで帰って来た時にはフラフラでした。
けれど朱顔のおかげで無事に毒は解毒できました。
どんな方法か朱顔が話す前から朱顔を信じると言った時影。
本当に朱顔のことを信頼していますね。
終盤で重明に朱顔は災いを招くと言われた時、時影は「構わぬ…生死は天の定め 私は受け入れる」と言っていました。
生死は天が定めるし、朱顔になら自分の命を託せると思っているということ!?
そうだとすると、朱顔が時影の命を奪う存在であるというのは確かにそうかもしれないですね。
つまり朱顔が時影に攻撃をしてどうこうというのではなく、時影は朱顔のためなら命を差し出すかもしれません。
それで朱顔により時影の命は奪われる、ということになるのかも?なんて思いました。
青罡は青雲に少司命は世子ではなかったと報告しましたが、雪鷺は全て知っています。
だからまだ気が抜けませんよね。
雪鷺は大司命が自分を時影の皇后にしようとしていることを知っており、今はそれを狙っているので当分誰にも言わないでしょうか。
そうであってほしいです。
大司命が解毒は時影だけで行ったのかと雪鷺に尋ねた時はヒヤッとしました。
雪鷺の女のプライドが朱顔がその場にいたということを言わせなかったため、難を逃れました。
あの場でバレていたら危なかったですよね。
大司命は雪鷺に氷魄を与えていました。
氷魄とは赤族の火に対抗できる法器らしいですが、大司命は朱顔を警戒していると言うことでしょうか?
朱顔は落ちこぼれではないのですか?
確かに1次試験では良い働きをしましたが。
なぜ朱顔対策の武器を雪鷺に渡したのでしょうか。気になります。
前回は「落ちこぼれ弟子」というタイトル通り、朱顔が子供でも身に着けていることを身に着けていなかったり、とういことが判明しましたが、今回は朱顔の賢い部分が出てました。
時影の髪を本人の追及もかわしてゲットしたり、青罡の言っていることがおかしいと気付いたり陰謀に気付いたり、解毒法を思いついたり。
朱顔は生まれ育った場所が辺鄙なところだから知識がないだけで、潜在的には頭のいい子なんでしょうね。
最後、腕輪を作る話になり時影は朱顔の作った不細工な腕輪を選びました。
選んだ理由は朱顔を諦めさせるためだと言っていましたが、良く分かりませんでした。
どういうこと!?
今まで朱顔に対して普通の人なら立ち直れないほどキツイことを言ったけれど意志の強い朱顔を立ち直らせてやるためと言っていました。
立ち直らせることがどうして諦めることになるんでしょうか?
諦めるとは、世子のことでしょうから、修行に励むよう朱顔を励まし修行に打ち込ませることで朱顔が世子を諦められると思っている、ということでしょうか?
時影が自分のことを”冴えない”と表現していたことに度肝を抜かれました。
冴えない!?あなたの中での”冴えてる”の定義を教えてください!
今の冴えない自分が憧れの世子だと知ったら朱顔は失望するみたいなことを言っていましたが、絶対そんなことないですよ!
隠していたことを少しは怒るかもしれませんが、絶対めちゃくちゃ喜びます。
早く教えてあげて欲しいのに。
時影と朱顔の仲を何としても引き離そうとしている重明は朱顔がいい子であることは認めつつも排除しようと 時影に怪しげな術を施しました。
女色に惑わされない術らしいですが…。
青罡にガンガン色仕掛けしている雪鷺の本当の狙いは時影ですから、時影を雪鷺の魔の手から守るには良い術かもしれないと思ったり思わなかったりしました!
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